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もしも願いがかなうなら

外務省海外安全ホームページ 最新情報
11月5日、日本において新たな水際対策措置が決定されました。
今回の措置の主な点を以下のとおり、お知らせ致しますので、日本への御帰国・御入国等の際には、御留意いただくとともに、最新の情報を御確認ください。
「水際強化措置に係る指定国・地域一覧(令和3年11月5日時点)」

「国政選挙が終わったら、新しい規制が発表されれるし、きっと帰れるよ」
日本人の誰かとそんな話したのはいつだったっけ。

ロンドンでは公共交通機関に乗るときはマスク着用が義務付けられているが、それ以外はほぼ規制のない生活になった。
劇場も、パブも、サッカースタジアムも、一見すると、すべては終わったかのような暮らしがくりひろげられている。

当然ながらその代価として感染者数はいまだに3万人を超えている。
そして、予想通り、最新の外務省発表で、イギリスはふたたび「入国時3日間のホテルでの隔離」対象に逆戻りしてしまった。

イギリスに転勤するとき、反対しきれないと覚悟した父親の、それでもと絞り出すようにいった「条件」が、
かならず年に一回は帰省すること、
だった。
40前のいい大人になっている娘が本社転勤を報告しているというのに(許可をもらいに行ったつもりではなかった)、条件をだしてくるというのも、会社勤めをしたことがない実に父らしい反応だけれど、その気持ちもわかっていた。
だから、就労ビザの延長と永住権申請でパスポートが手元になかった時以外は、きちんとお正月に帰省をしてきた。

けれど。
しかし。

もしも日本に帰省できたら。

まずは、母の作るもつ煮込みをたっぷり食べたい。
友達といっしょにおもいっきり遅くまでお酒がのみたい。おいしいお寿司に熱燗がいいな。

そして、そして。

北海道にいきたい。

ここ数日ニュースを騒がしている、日本ハムの新庄ビッグボス就任が気になってしかたがないのだ。

プロスポーツが「興行」であり、観客を魅了して入場者数を保ち、収入を稼ぐものだということを考えれば、彼のツイッターは核心をついている。

プロ野球の存在意義はそこの街に住む人達の暮らしが少しだけ彩られたり、
単調な生活を少しだけ豊かにする事に他なりません

そして、その目的を達成するために、野球には興味がないひとでも観に行きたくなる野球を目指すということ、優勝ではなく、まずは魅力ある日々の試合を提供することを目指すということではないかと思う。

ああ、行きたいなあ。

出る杭は打たれるという日本社会に、
メジャーリーグでしっかり活躍し実績を残したあとで、「敢えて」戻り、
日ハム旋風を巻き起こし。
そして、その後、日本からも野球からも距離を置いたというのに、
変えてみせますという強いメッセージをひっさげて、ふたたび「敢えて」戻ってくる。

努力も、実力も、周囲への配慮もすべてをきちんとこなして、用意周到に。
この杭を打つなら打ってみよといわんばかりに、やってくる。

そんな気がしてならない。

かっこいいなあ。

高校の授業でソフトボールの試合をしたとき、バットを振ったあとに左に走ったくらい野球音痴の私だけれど。
野球中継で耳にする「右中間」をずっと「宇宙間」だと思っていたくらいひどいけれど。

もしも願いが叶うなら。
北海道にいって、生で日本ハムの試合をみて、おいしいサッポロビールとジンギスカンを堪能したい。

自分も敢えて立つ杭であらん、と、奮い立たせてもらえそうだから。

それが、今の私の望みです。

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ころのすけ
いただいたサポートは、ロンドンの保護猫活動に寄付させていただきます。 ときどき我が家の猫にマグロを食べさせます。