ネイティブも「知らない」英文法
ケビンは、何か面白いネタをみつけると、WhatsAppで転送してくる。
今日も、どこかの雑誌の記事の写真が送られてきた。
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私の「ねえ、なんで?」を答えてくれるひとたちの層はかなり厚い。
イングランド人のケビン、ウェールズ人のトレーシー、スコットランド人のジェニー、そしてアイルランド人のヴィンセントで、この国で暮らすたいていの疑問が解決する。
加えて、フランス人のカリーン、カタルニア人のヌリア、チェコ人のジリ、ドイツ人のアンドレアス、フィンランド人のアナあたりが周辺ヨーロッパ各国の疑問に答えをくれる。
もちろんアメリカのことは双子のアメリカ妹たちが教えてくれる。
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大人になって外国に暮らすと、その国の「なんで?」「これなに?」の答えが見つからないことも多いと思う。
この野菜なに?どうやって食べるの?
出窓の上のこの部分に穴があいているぽいけど、こういう修理って誰に頼むものなの?
ニュースで取り上げているこのひとって何がすごいの?
そんないろいろを教えてもらえるのはありがたいことだ。
とくにケビンは、かつてのテレビ番組「トリビアの泉」もびっくりする無駄知識の泉。
そんなケビンが今回が送ってきてくれたのはこんな記事。
ちょっと面白かったので、ここに紹介したい。
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Why 'tock-tick' does not sound right to your ears.
どうして「トクチク」は耳になじまないのか。
意訳になるが、ここに全文をそのまま載せたい。
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思い出してみたら、昔どこかで「なんでビーサンのことをフリップフロップっていうの?フロップフリップじゃいけないわけ?」と混ぜっ返した気がする。
ケビンはそれをしっかり覚えていて、何かのついでにこの記事を見つけたに違いない。
記事にもあるが、こんなルールをネイティブたちが文法として理解しているわけではない。
生まれ育つうちに、こういうものと体得しているだけなのだ。
それは、日本語でいえば、こんなこと。
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんはいました。
おじいさんが山へ芝刈りに。
おばあさんが川へ洗濯に。
主語をしめす助詞である「は」と「が」を入れ替えただけで、私たち日本語ネイティブの耳にはザラリと聞こえる。
でも、日本語を外国語として学んだひとたちには、その違いは簡単ではない。
「が」は話者や聞き手にとって新たな情報の場合で、「は」は既知の情報の場合に使い分けられている(英語の「a 」と「the」のように)、なんて、私たちにとっては「知らない国文法」なのだ。
だから。パーフェクトなんて目指さなくていい。
むしろこんなことは、ランチの時のトリビアとして話すくらいがちょうどいい。
そう、ケビンがいつもやるみたいに。