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実話すぎて気が滅入る - 『ドント・ルック・アップ』感想 -

実話やん。と思った。
製作陣の狙った通りの感想。(何狙ったか知らんけど)

今のSNSな世の中への皮肉がはちきれんばかりに詰まっているので、ひねた目線じゃないと見てられない。ブラックジョークによってそういう目線になるんだけど、主人公たちの作戦が失敗して希望がなくなった瞬間は流石に心がざわついた。

結末もほんとどうしようもなくて、現実世界でもこのどうしようもない結末に今向かっていっているのかもしれないと考えると、ブラックジョークが効いてたぜ!と笑い飛ばせなくなる。普通に暗くなる。

コロナになって、政治が前より身近になって、「どう考えても正しいので早く変えてくれ」と思うことが、ある見方をすると「慎重に考えるべき問題」になってしまうことを知った。政治によってどうにかなることも、どうにもならなくなることもある。
この映画自体は、今のSNSな世の中を描いたものだけど、政治の云々とか権力者云々とかは、昔から変わらないテーマなのかもしれない。

主人公たちが食卓を囲むシーンは、すごく印象に残った。どうにもならないとわかったら、最後はあんな風に少し特別な食卓を囲んで団欒して、暖かい気分で幕を下ろしたいとみんな思うよね?と問いかけられている感じがした。うん、そう思う。

こんな感じで気分はバッドに入り、「じゃあわたしならどうするか?」なんて考える気力が残らない映画だった。


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