「からだの美」小川洋子 著を読んで
この本は小説ではなく、文藝春秋に連載されていた随筆を一冊にまとめている。
そういえば、文藝春秋を愛読している母が、小川洋子さんが野球選手の肩について細かくかいているけれど…みたいな話をしていたのを思い出した。
毎回、イチローの肩だったり、赤ちゃんの手のひらや、かたつむり、バレエの踊り子の体などを、一枚の写真とともに、小川さん独特の感性で、丁寧に表現されているのが読みどころ。
なので、こちらも楽しみながら、ゆっくり読ませていただいた。
連載はどうだったのかわからないけれど、本では、数ページ読んだところで、絶妙な感じで写真、それもモノクロが出てくるのがポイント。
文章を読みながら、いったいどんな感じなんだろうとドキドキしていると、お待たせしましたという感じで写真が出てくるので、今までのところをまたちらちら読み直したりしながら、先を読み進めるのも楽しかった。
小川さんは、小説もいいけれど、こういう随筆も本当に独特の感性で面白い。
ずいぶんと昔のことになるのに、先代の貴乃花の取り組みなど、本当によく覚えていらっしゃると感心。小川さんは、父子でテレビ観戦していたということだが、うちは、父はサラリーマンで帰りが遅く、その時間には在宅していたことは平日ではまずなかった。
時々家に遊びに来て長く泊まっていた母方の祖母と、相撲を見ていたという記憶が私にはある。
ちなみに、祖母は千代の富士のファンで、千代、千代と気安く読んでいたのを今でも思い出す。