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中春 こまわり君
「中春 こまわり君」1,2巻
知らなかった。2009、2010年に発刊されていた。
この頃、私は仕事も家庭でも忙しく、読書において、漫画までに手が回らなかった。通勤時に文庫本を読む、それが唯一の読書時間。
さて、がきデカから、何故 中春 こまわり君なのか、春の便り?
*「中春 (ちゅうしゅん) 」陰暦2月の異称。
「死刑!」
こまわり君の強烈なフレーズだけど、なんかこの言葉だけでクレームが来そうな令和の時代。子供の漫画として、この手のギャグがOKだった昭和の時代。自由だなぁ。
さて、内容は中年になったこまわり君のドタバタ喜劇、妙なミステリー仕立もある内容。昔の仲間も出てくる。
西条くん、もも、ジュン姉妹、犬の栃の嵐の孫など。
山上たつひこさんの漫画は好きだったので、一時期かなりストックしていた。
「喜劇新思想体系」、面白かった。あのエログロナンセンス、昭和の喜劇。この時代の若い子には人格を疑われそうな漫画だ。
初期の「光る風」「旅立て!ひらりん」とか、文学的な漫画も好きだった。いや、ひらりんは筒井康隆さん風のSFになっているかな。
しかし、今は一冊もない。
理由は、一時期身体が受け付けなかった。現実が酷すぎたのか、ストレス。今は我に返っている。
「人間はコオロギじゃないことがよくわかる」>山田こまわり
さて、このオッサンになったこまわり君。
相変わらずのナンセンスと不思議な含蓄、それとミステリーがごちゃ混ぜになった事件に巻き込まれる。
久ぶりの山上節の漫画。その楽しさを思い出す。
昔のクレヨンしんちゃんも同じで、風刺とナンセンス。馬鹿馬鹿しいが避けられない人間の業。
そう言えば、23巻まで読んだ「深夜食堂」買うのを止めた。「釣り馬鹿日誌」も途中で止めた。
今は手元にない。やはり自分をコオロギだと思う。お涙だちょうだいと、いい人だけでは話が続かない。
ちなみにスズムシは大泉洋。
西部劇は好きだ。善悪が明確。今はNetflixで楽しんでいる。
E・レナード「オンブレ」(村上春樹訳、新潮文庫、2018年)
村上春樹氏が翻訳、何故?と思って読んだ。
そして、今回、山上たつひこさんが、「アニーよ銃をとれ」何故?と思った。
でも面白かった。
細かくネタバレしていても、しょうがないが、2巻目のラストに
「志賀直哉 剃刀」にまつわるミステリーがある。
最後はこまわり君のアフリカ像がパーオンと言って物語をしめる。
そして最後のページにある言葉。
塩田に 汐撒ききって 夏了わる きつね・る
締めの言葉、きつね・るとは?
*「剃刀(かみそり)」 は、明治43に発表されたサイコサスペンス小説。
風邪をひいて熱に浮かされた床屋の主人がだんだんと精神的に追い詰められ、最後には剃刀で、若い客の咽を切って殺してしまうというストーリー。
狐につつまれたような終わり方だが、3巻目はまだ出ていない。