雀のメモ帳 コレクターの老後
老人のエッセイの大枠は3つある。
「70歳から青春、老後は素晴らしい系」
「世の中まちがっている、説教系」
「人生を語る、私の履歴書系」
「終活系」も最近は多い。今回はこれで行く。
モノ持ち老人
今時の老人はモノを沢山持っているから、それが死後の後始末において、家族の負担となっている。趣味のコレクション類は家族が手に負えない場合が多いから出来れば自分がボケる前に処理をしておきたい。
そして60才を過ぎたら煩悩と欲望は捨てて、モノを集めるのは止めたほうがいい。私は60才過ぎてからはギター、自転車など趣味のモノは一切買っていない。そして今あるモノを再考している。
ちなみに登山用品は必要があるモノは買っている。実は登山靴を新調したとたん腰部背柱管狭窄症という老人の病に襲われた。よってこの登山靴は今シーズンは箱入りで終わりそうだ。
コレクターの老後
コレクターの老後の一例。まず能力的にコレクションの管理が出来なくなる。また年齢と共に興味と情熱が失せる。そしてこのコレクションは家のどこかで埃をかぶって忘れ去らていく。
収集したコレクション、それがオタク系のコレクションの場合、死後、ゴミとして消える可能性は大きい。また価値の分かる正当な人の手に渡らず、ただの投資や儲けのネタとなってしまう場合も多い。
「そんなのメルカリで売ればいい」
まぁそうだけど、メルカリで売る程度のコレクションだったら、気にせずに捨てればいい。ここは手数料が10%だよ。システム上の手続きは500円も100万円も同じ、それで手数料50円と10万円、だから転売屋にも知らんぷり、そんなプラットフォームとなっている。
普通の絵画、陶磁器などの工芸美術品などのコレクションは見積をしてくれる業者がある。怪しい業者も多いけど、それもお金持ちの一つの面白みだろうと思う。
ここでは王道の収集家の話ではなくオタク系の収集家(コレクター)の老後の店じまいの話をしている。
私の経験から、少し具体的な話をする。
親の遺産処理
私は両親が亡くなった後、実家を整理した。家自体は地主と裁判までになったが、2023年末に計画通り全てを終えた。この時、不動産は子供達に一番残してはいけないものだと思った。
平成17年に父親が亡くなった。趣味のバイク類は生前処分していた。
しかし、親父の長年にわたる趣味の小物、旅行の土産など沢山あり、実家はゴミ屋敷になっていた。カメラ、ワープロ、釣り道具、雑多だった。
一人残ったお袋のため、家を半年程度で全面リフォームする必要があり、私も仕事が鬼のように忙しく、時間的に余裕がない。だから考えずにほとんどを捨てた。この段階で保管、処分の判断をやっていたら、全く片づかなかっただろう。
起きて半畳 寝て一畳
人間、死ぬときは畳一畳と言うが、実はそうでもない。付帯するモノが家一杯残る。さらに借金、不動産、負の遺跡も多い、だれかの恨み(怨念)も残る。人間の業(カルマ)からは逃げられない。
それを処理する子供(私)は本当にもの凄い労力がいる。勘弁して欲しかった。金でアウトソーシングするのも一つの方法だと思う。これを経験すると、自分達の子供にはそんな事はできればさせたくないと思う。
コレクションの価値を知る
価値を知らないと残されても捨てるしかない。
なんでも鑑定団で、国産車のパンフレット(217冊)を集めていた人がいたが、これが50万円となった。実際その値段で売れるというのだろう。
これを知らなかった家族は、古紙で出す可能性大だ。だって興味がないからだ。
私が今やっていること
まずは自分の持ち物のリストを作ることから始めた。
レコードとか本などは買い取り業者がいるのであまり気にしないでいいと思う。
自分のマニアアックなコレクション、人生かけたようなものは、自分で値段を調べるしかない。そのデータをエクセルで作った。
一番いいのは、そのデータを元に早めに処分していく事だと思う。
またコレクションは再考して、墓場まで持ち込みたいものは取りあえず置いておく。それくらいはコレクターのわがままだ。
ギター類
40本以上あったが、ギターリスト表から徐々に整理している。自分の足跡も確認出来る。その阿呆さ加減も分かる。最近はNoteでそのギターコレクションを紹介もしている。ちなみに、たまに親しい友達にプレゼントしている。
自転車
これは30才から始めたレース、人生の一部なので、今現存する自転車は乗っている。それが自転車への供養だと思っている。あと自転車は1台ずつ、スペック表を作っている。いざと言う時、売りやすい。
スケートボード、これも幾つか銘品がある。アメリカ製のCURVER(カーバー)のサーフスケートは値段があがっている。
そろそろ乗るのが厳しくなってきた。
サムネイルは沖縄のシーカヤックチームのTシャツのロゴをデザインしたもの、2019年版。やっていることがオタクだなぁ。