アンパンマンがこれだけ支持される理由を考えてみたら認知の話になりそう

子供を育て始めた親なら、みんな気がついただろう。

アンパンマン、偉大すぎない?

そう、アンパンマンはすごいのである。
偏食の子供がなぜかアンパンマンのパンなら食べたり、
アンパンマンが描かれているだけで喜んでオムツ替えをし、
保育園ではアンパンマンのおもちゃは争奪戦になる。

保育園によっては、アンパンマンの服を着てくることを禁止している所もあるという。
なぜならケンカが起きるから。

すごい。アンパンマン人気すぎる。

支援センターと呼ばれる、屋内の遊び場でもたしかにアンパンマンは人気者だ。
アンパンマンの落とし物があろうもんなら、大人たちがみんな「美味しいキャラクターの落とし物がありました〜」と隠語を使う。

「アンパンマン」の言葉を聞くと、子供は狂うからだ。


なぜ、こんなにもアンパンマンは子供から支持されているのか?
私なりの見解を聞いてほしい。

すでに広く認知されている

子供が覚えているということは、つまり親から聞いているということだ。
もちろん保育士や、他の大人から聞くこともある。
つまり知名度が高いのだ。

例えばピカチュウも知名度はかなり高いが、実際にポケモンをプレイしたことがない人から見れば、ライチュウやデデンネとの見分けはつかないだろう。
高齢者であればピカチュウさえ知らない可能性だってある。

しかしアンパンマンはわかりやすい。
まず「あんぱん」を知らない人はいない。
アンパンのヒーローだからアンパンマン。
わかりやすいことこの上ない。

スーパーで、いろんな店で、アンパンマンを見かけるたびに大人たちが「あ!アンパンマンだね〜」と言う。

呼称にブレがない

「アンパンマン」は「アンパンマン」なのだ。

例えばドラえもんだったら
「ドラえもん」と呼ぶ人もいれば
「ドラちゃん」と呼ぶ人も居るだろう。

ミッキーマウスなら
ミッキー、ミッキーさん、ミッキーちゃん、ミキマウ(ネイティヴ)…

この表記揺れ(?)の無さもアンパンマンの強み。
常に子供の耳には「アンパンマン」として届くからだ。


子供が認識しやすい形

赤ちゃんが最初に認識できる形は「丸」なんだそう。
そのため0歳向けの絵本には"形"の絵本が多くある。

アンパンマンは…丸でできている!!!!

すげえ…すげえよやなせたかし。
どこまで計算され尽くしたデザインなんだ?
子育てをする親がよく「やなせたかしは天才」と言っていたのはこれか…

赤ちゃんが認識しやすいものとして、丸の他に「顔」があるらしい。
親に育ててもらうわけだから、顔を早くから認識できると言うのは納得ができる。

アンパンマンは「丸で構成された顔」なのだ…
ああやなせたかし。あなたが天才でしたか。
当時の科学ではここまで明らかにされていなかったであろう。
そんな頃からあなたは。。。

発音がしやすい

赤ちゃんが意味をもった言葉を発し始めるのは10ヶ月〜1歳ごろ。
それ以前から喃語で「あーあー」「まんまんまんま」と言うことも多い。
最初に話す言葉としてよくあるのは「ママ」「パパ」。

この組み合わせだけでアンパンマン言えるじゃん

すごい。計算され尽くした設計。恐怖さえ覚える。
娘は最初「アンパンマン」と発音できず「アンパン」と呼んでいたが、他に「あんまん」と呼ぶこともあった。
子供にとって文字数が多く発音が難しいようだが、「アンパンマン」を発音できる土台はもう出来ている…!

破裂音は発音がしやすいのだ。
まさかここまで考えて「あんぱん」をヒーローにしたのか。
やなせたかし。あなたは。あなたって人は。

「ピカチュウ」も「ドラえもん」も「しんちゃん」も言えない頃に、子供たちは「アンパンマン」と言えるようになる。

そして発音がしやすいことで何がうまれるか?

言いやすいので言ってみる

親に伝わる

親が喜ぶ

親が喜ぶので言う

親が喜んでグッズを買い与える

アンパンマンと言う機会が増える

親が喜ぶ

すごい!!!!好循環!!!!!
というかもうアンパンマン循環!!

しかも別に「アンパンマンが好き」とか一言も言ってない。ただよく聞くしまあ言えそうだから言ってみる?のノリで発音してみただけなのに、なぜか親は喜びアンパンマンを買い与える。

…もはや親による洗脳なのでは??

ちなみにうちの娘、アンパンマンの本編は見せたことがない。
歯磨きの時だけ動画を解禁しているのだが、その際選んでいたのが「アンパンマンの歌」だった。
そして見事(親である私が)上記のループにハマってしまったのだ。

実際娘がアンパンマンを好きなのかは、しらん。

アンパンマンブームは短命との噂

幼稚園教諭をしている友人から聞いた話だ。

『年中にあがると、多くの子が言うんだよ。
アンパンマンは赤ちゃんのでしょ?って』

…なんだって?

つまり彼ら(園児達)の主張はこうだ。
アンパンマンは赤ちゃんが好むものだから、私たちはもう年中さん=オトナなので、アンパンマンはもう要らない。

なるほど…子供はすぐに背伸びして大人になりたがるというが…年中から…そうか…。
実際年中や年長からプリキュアなどにうつっていくらしい。
誰が口にするわけでもないが「まだアンパンマン使ってるの?」という空気が流れているらしい。

つまり…一歳で話し始め、一歳半ごろにアンパンマンと言えるようになり認識したとして、年中さんが4歳ごろだとしたら…

アンパンマンブームの寿命、3年弱…?

それだけ短い時間で、しかもこの少子化で、それでもアンパンマンの人気が衰えないのすごすぎない?
もはやDNAに刻まれている受け継がれ方やな?

ちなみに、アンパンマンが存分に楽しめる、公式のテーマパーク(?)である"アンパンマンミュージアム"は平日に行っても常に混んでいる。
たしかに園児達でいっぱいだが、実際には小学生と思われる子もたくさんいる。

年齢問わず楽しませてくれるアンパンマン、最高じゃん…これぞ多様性じゃん…

幼稚園や保育園ではアンパンマンを持つの少し躊躇う子も、このミュージアムでは存分に楽しめてるってコト?
なんだよそれ激アツじゃねえか。

(ちなみにモーニング娘。の元リーダーである譜久村聖氏は度々アンパンマンミュージアムに訪れている。大人女子をも魅了するアンパンマン、恐るべし)


一個だけ言わせて

とまあ、親になるとこれでもかというくらいアンパンマンにはお世話になっている。
ただ、親になったからこそ一つ言わせてほしい。

アンパンマン関連の食品、もう少しなんとかならんか。

例えばパン。アンパンマンが袋に印刷されているだけで食べてくれる子は多いが、そのパンは甘すぎる物が多い。

原材料も正直あまり与えたい物では無い。
ショートニング、マーガリン、ブドウ糖液…

もう少し原材料にこだわった商品出してくれないか〜!?
と私だけでなく多くの親が願っているはず…!

アンパンマンミュージアムで買ったクッキーも、甘過ぎて娘に与えるのはやめたほどだった。

メーカーの皆さんお願いします!!!


そしてこれからもアンパンマンにたくさん課金します!!よろしくお願いします!!!

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