算数科授業研究「3学年:あまりのあるわり算」
6月30日(金)3年1組で,算数科の第1回授業研究会を行いました。
「わり算を考えよう」の単元で「あまりのあるわり算」について学習してきた子どもたち。
本時は,問題場面に応じた「あまりの処理の仕方を考える」授業です。
という問題に,子どもたちは即座に
23÷4=5あまり3
という式と計算を導きました。
ところが,答えは「5箱」「5箱あまり3こ」「6箱」とわかれました。
今日の授業に先立ち,授業研究をより深めていくため,3年2・3組でも同じ指導案をもとに協力授業(ブロック研究授業)を行いましたが,
この問題場面の理解に子どもたちは頭を悩ませました。
これまでの「あまり」という概念を覆される問題に,「あれ…?」がたくさん飛び交っていましたが,
「全部のケーキを入れるには…だから,あまりが出てはいけないから,もう一つ箱が必要」で6箱必要になる。
という意見で,あまりを入れる箱を加える(5+1)考えでまとまりました。
次の問題では,
さきほどの問題同様に,子どもたちは即座に
30÷4=7あまり2
という式と計算を導きました。
このあまりはどうするか・・・
子どもたちの答えは,全員が「7台」でした。
先ほどのケーキの問題では,「商にあまり分の1を加える」という処理をしたばかりでしたが,
子どもたちは迷わず「あまりを切り捨てる」という処理をしていました。
子どもたちの「あまり」の概念に合っているとはいえ,
先ほどの学習とは逆の処理を悩むことなくできたのはなぜか…。
ちょうど理科の学習で模型の車を作っていたことで,
問題場面を容易にイメージできたことが要因のようでした。
2回の協力授業から,ケーキの問題は日常にない(想定しにくい)設定であったため,問題場面の理解,特に「全部のケーキを入れるには…」の意味理解が難しかったのだと考えられます。
事実,「3個では4個入りができないから」などの発言があったことからも,
「問題場面を正しくイメージ(可視化)し,条件に照らして考える」
ためには、問題場面の設定が重要であることを痛感しました。
また,「図や絵を用いて考える」ことについても,
「図を使って考える」ことが目的ではなく,
「図を用いて考えを整理(可視化)し理解を深める(説明できる)」ことがねらいであることを改めて確認しました。
協力授業から分かってきた部分を改善し,
今日の研究授業では,問題場面を「ケーキを買いに行った」設定に変更し,
日常の場面に近づけることで問題をイメージしやすくし,あまりを入れる箱の必要性の理解を図りました。
また,「あまりを考えて1たす」場合と「あまりを考えない(切り捨てる)」場合の比較により,「あまりは,問題場面によって適切な処理を考える」ことを整理できるようにしました。
授業後には,事後研究会を行い,研究テーマに迫る手立てについて,活発な話し合いが行われました。
最後に,郡山市教育研修センター学校教育アドバイザーの川前先生と古川先生にご指導いただきました。
現職教育を中心に、こうした教員の指導力向上研修を続けていくことが,子どもたちの学力・生きる力を伸ばすことにつながる…
そう信じて,これからも教員相互の学びを深めていきます。