「漠然とした勉強」を脱する
ご自身の「勉強方法」はどのように身につけましたか?
「勉強」というと、これまでの人生で、特に基礎教育、高等教育を通じて行ってきたかと思います。
その中で、学校や塾の先生や親から、「勉強しなさい」「復習しなさい」ということを言われた人は多いでしょうが、具体的に「このように勉強すれば身につく」というように「勉強方法」を教えてもらったことはあるでしょうか?
よく言われている「書いて覚える」「声を出して覚える」ということは言われることはあるかと思いますが、例えば「復習」について、どのタイミングで復習すればいいかというと、アドバイスとして返ってくるのは「翌日に復習しなさい」くらいではないでしょうか?
「勉強したことすら忘れてしまって」から復習しても意味がない
復習について、たとえ翌日に行っても、そのまま放置してしまうと忘れていきます。よって、復習を何回も重ねていく中で、知識を深めていくことがポイントになります。
復習の回数の目安として、まずは4回行うことを提示しております。初回の勉強を含めると、合計5回勉強することになります。ただし、漠然と5回勉強すればいい、というものではありません。
復習の目安として
1回目の勉強から 5~7日後に1回目の復習
1回目の復習から 10~20日後に2回目の復習
2回目の復習から 20~1か月後に3回目の復習
3回目の復習から 1か月後を目安に4回目の復習
このように、徐々に「復習間隔」を伸ばしていくイメージで復習することを提案しております。
なぜ、復習間隔を延ばすのか?
まず、勉強を重ねるごとに、知識が強化されることが見込まれるため。
そして、試験範囲を満遍なく勉強するには、着実に勉強箇所を拡げる必要があるためです。
このように「忘れる前」に復習することにより、知識を強化するとともに、知識を深化させることが、合格に必要な知識や判断力が身につくようになります。
「弱点」を知り、潰す準備をする
5回の勉強を通じて、得意な箇所、不得意な箇所が鮮明になってきます。特に、不得意な箇所、すなわち「弱点」が見えてくると、試験直前までに克服すべき箇所がわかります。
資格試験は、基本的に試験範囲を満遍なく勉強することが大切であるのとともに、満遍なく得点できること。つまり、極端な苦手分野を放置しないことが合格のためには必要です。
「弱点」を把握できれば、特に「試験直前期」に潰すべき箇所が把握できます。この箇所は、潰せば潰すほど得点が伸びます。ラストスパートを意義あるものにするには、得点が伸びる見込みのある箇所を把握し、潰すことが肝要です。
最初から「完璧に覚えよう」としない
「5回も勉強するなんて、しんどい…」
そのように思う人もいるでしょう。
ですが、最初の勉強から「完璧に覚えよう」としないことが、無理なく勉強を継続するためのコツです。
なぜなら、資格試験に出てくる用語や表現は独特なものであり、通常使われる意味とは随分異なることが多いからです。例えば、法律用語の「善意」とは「ある事実を知らないこと」を意味し、日常的に使われている「親切心・好意」とは違うニュアンスです。
よって、初めは独特の用語や表現に「慣れる」ことから入り、勉強回数を重ねるごとに細かい部分まで行き届くように勉強していくことが、無理なく勉強を続けるために大切な考え方となります。
また、勉強を回数を重ねる中で、勉強の範囲も徐々に広がり、知識も深められます。その中で、試験範囲内でも異なる分野間で、類似した表現や、年数や量等の間違えやすい数字が出てきます。この細かなところ、間違えやすい箇所をきっちりと覚えることが、資格試験の合格には不可欠です。
「知識のネットワーク」を形成する
試験範囲を満遍なく勉強し、その中で類似箇所、間違えやすい箇所を把握し、判断できる力を身につけることが、資格試験に合格するために必要です。試験範囲内の分野間でも、言葉や表現、数字を混同しないようにするにはご自身の中で「知識のネットワーク」を形成することが鍵となります。
この「知識のネットワーク」が形成できるよう、効果的な勉強ができることを願います。
上記の勉強法については、幻冬舎より発売中
効率よく資格が取れる「必勝勉強法」
に詳しく説明しております。ご参照いただけますと幸いです。