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⑭酸いも甘いも

世の中の酸いも甘いもすべて知ったようなそんな感じだ。

楽しみとは何なんだろう。

全部自分が生み出す社会。
どうにか生きてる私。
むなしい思いも
怒りに狂うことも
すべて、理解しようと受け入れすぎた。

何を感じていけるのだろうか。
次に感じることがあるとすれば、きっとそれは
今まで感じてきた何かの感情をはるかに超える何かだろう。
愛情だといいな。
憎しみとかそんなものはもう感じていたくない。

いろんな女の子と話を重ねていくと、
彼女らが抱えているものの背景には常に「家族」や「大人」の存在がある。

というか、健全な社会関係が築けていれば、私のような赤の他人に相談をすることはきっとない。

最初はいろいろな言葉で訴えてくる彼女ら。
死にたい
消えたい
辛いです
しんどいです。
その言葉の中身に本人が気づけるときまで寄り添い続ける。
でも、実際は本当は気づけているんじゃないかな。
そう感じるケースも少なくない。

自分でもわかっている。
不甲斐なさだったり、
誰かに対する憎悪。
世の中に対する強い嫌悪感。
でも、もうどうしようもないことを私たち十代でも痛いほどに感じてきている。
だから、
死にたい
消えたい
辛いです
しんどいです。
などの言葉で言う。
どうせ、本当の気持ちを長ったらしく語ったところで、
ちゃんと振り向いて寄り添ってくれる人は本当に少ないから。

彼女らと会話をしていると、
自分を映し出しているんじゃないかな。そう感じることも多い。
感じるだけで、だからと言って自分の経験を話すことはしない。
でも、そんなとき「自分もまだ傷は癒えてない」そうも感じる。
傷が癒えてない私が、大事な話を聞いてしまっていいのだろうか。
そうとすら思う。
また、キャパオーバーになるのではないか。
そうも感じる。
でも、同じ目線で話を聞きたい。同じ目線で一緒に成長していきたい。
そして彼女たちが、私たちが生きている現実の声を
絶対になかったことにはしたくない。
いくら社会にかき消されても、絶対に。
誰も声に耳を傾けないなら、私が傾ける。
社会の声も、私たちの声も、私が傾ける。
そう思う。

このままじゃだめ。こんな世の中は、絶対に変える。
その意志だけは大人になっても変わらない。
酸いも甘いも知ったような気だけど、
きっとまだまだいろんなことが起こる。
でも、この意志だけは貫くよ。
こんな社会、とあきらめる大人にはなりたくない。
そんな量産型の大人にはならない。

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