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初めての歌舞伎 in明治座

全てひっくるめて楽しむものなのね!

これが声を大にして言いたい感想だ。
面白く、そして美しかった…生で聴く長唄に感動。継承されている伝統を体験できたことが嬉しかった。

しかし、初心者には、謎だらけの文化を無事クリアできたことの方が印象的のなのだ。というわけで、演目より、歌舞伎ってこういうものなのね!という方が先に立つのだった。ネットにもお困りごととして、相談が持ちかけられていたので、私もちょっとメモ書きを。

歌舞伎のハードルは高くない 
服装は気負わなくて大丈夫
やたらと長い休憩時間にも納得
イヤホン解説必須
冥土の土産にぜひ一度

思いつきで、チケットを取ったはいいが…どうするよ。ちょっと面倒なことになったぞ。と。そもそもその世界の所作がさっぱりわからないからだ。
大衆演劇なのだからと思いつつ、オシャレしないと?着物の方もいるんでしょ?だって梨園の世界でしょ?と。

そして、幕間の長い休憩時間も謎を呼ぶ。お弁当がつきものだとは、知っていた。幕の内弁当の由来と聞いたことがあったからだ。しかし、当日の講演予定を目の当たりにして、休憩30分と25分の2回に驚く。長くない?休憩時間だけで1時間あるぞ。所用時間は3時間。4時間という場合もあるそう。面白くなかったら、苦痛すぎると伝統芸能に対して、失礼なことも考える。ますます、混迷していく魅惑の世界。

チケットをとる時点で既にネット検索。
どこで見るのがいいのか、イヤホンガイド付きチケットの方がいいのか。お弁当付きもあるぞ。ホームページに初心者向けの説明があるが、いまいちピントこない。よりベターな方を知りたい。というわけで、ネット民の皆様の指南に従って決めていく。
だって一生に一度になるかもしれないから。TVから古典芸能が流れてきたら、すぐチャンネル変える私ですから。

まず、お弁当。
“デパ地下でちょっと美味しいものを買っていくのもお楽しみの一つ“
あらいいわね。はい、持ち込み決定。

次に、イヤホンガイド。
あった方がいいとのご意見が大多数。
“絶妙なタイミングで解説が入り、しかも余計なことは言わない“
頼るしかないわね。はい、決定。
何を言っているのかわからないとは、消化不良間違いなし。

席に関しては、お高い席にすることは最初から決めていた。
せっかく見るならという気持ちと、一生に一度の可能性も考慮してだ。
結果、“1階7列目+イヤホンガイド付き“ に。

無事にチケット入手した後は、服装だ。皆様どんなお召ものを?
ホームページにもQ &Aが載っているだけあって、お悩みも多いよう。着物の印象が強いのだろう。しかし、調べていくと気持ちは落ち着いていった。
というのも、主催者側からも是非お気軽に!という感じを受けることができたから。最近は外国人観光客も見かけ、一幕だけ気軽に見れるシステムもあるらしい。案内に書かれていたのは以下の2点。騒音のため、シャカシャカ素材NG。後ろの方の視界を遮るような高さを出す髪型NG。

実際は、デパートへいくのにちょっと小綺麗にといった感じの方が多かったように思う。流石にデニムやスニーカーは見かけなかった。私は、所用ついでだったので、ジャケットにパンツ姿。観劇のためのおめかしとはならなかったが、特に引け目も感じなかったのでセーフとする。
そして、着物の方は、少数派。観劇を着物を着る機会と捉えて、仲間同士で楽しんでおられるような感じだった。こなれた感じが素敵!

でもね。なんといっても観劇を楽しむためのシステムが上手にできてるな。というのが一番の感想かもしれない。ストレスがないのだ。
女性が多いのに、トイレに長時間並ぶことはない。開演前も楽々だ。
二回目の休憩では、再びトイレに行き、売店をのぞく。私はきんつばを購入。老舗かしら?と思うだけで、ウキウキ。上階まで上がり、3階席からの眺めも見学。廊下の絵画を鑑賞しながら1階席へ戻る。しかも廊下の絨毯もふかふか。ゆったりと席に戻る。これでいけば会場で食事を頼んだ場合でも、スムーズに対応してくれるだろうと勝手に想像する。
ちょっと小綺麗にして会場へ行きさえすば、ソフト面でも、ハード面でも興行のプロ集団が、しっかり楽しませてくれるようになっている。今回は明治座なので、歌舞伎座についてはわからない。劇場が新しいので、より快適になっているのは間違いないだろう。

人形町駅から明治座へ向かう道すがら、老舗の持ち帰り寿司屋さんでお稲荷さんを購入。朝9時開店という安心感。甘酒横丁という通り名も相まって、タイムスリップ感が増し増しに。楽しむ準備はバッチリ。

今回の開演時間は11時から。一幕目終わりの休憩時間にお昼を食べる。
7個入ったお稲荷さんは全て風味が違う。ゆず、山椒、ハス、生姜など。
変わり種は初めて。これまた美味しいのなんの。
お隣さんは、幕の内弁当。後ろの方はコンビニパンを食べていた。見渡すと、劇場内の密度は低くなっていたので、お食事処でお弁当を予約している人も多いのかも知れない。

では、まとめ。
・所作があり、それを求められると勝手に思い込んでいたが大丈夫だった。
・この機会を皆さん楽しんでおられる。
・トータルでその時間を楽しめるようにできていることがわかった。
・演目はお芝居あり、踊りあり。クスッと笑える場面もあった。

「中村屋!」という合いの手も聞けて、“口も目も耳も“の三方よし。
冥土の土産に是非一度!
めでたしめでたし。

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