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私の婚活奮闘記 立食パーティーでコミュ力修行

どうも、ばるせろなです。

婚活においてコミュ力は必須ですが、どうやって鍛えるかというと、みんな口を揃えて「場数」といいます。

しかも、"自分が気を遣う"適度な緊張感のある場でないと、「相手をよく観察して振る舞いながら楽しい空気を作っていく」能力は体得できません。

というわけで、私は立食形式のパーティーへの参加を決意します。いわゆる街コンってやつですね。このことをポロッと友人に話したら「連絡先3つ交換がノルマな」と言われました。

街コン未経験の私、果たして、無事にノルマを達成することはできるのか?

それでは、本編をどうぞ。

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「ばるせろなさんって、会話でウェーイってなることあります?」

とある人に問いかけられて、私は一瞬無になった。

そう、私は昔から感情の起伏が極端に少ない。テンションを上手く相手に合わせられず、会話が盛り上がらないという経験を何度もしたことがある。

会話中にいつの間にか意識が内向きになって、目の前の相手に集中できておらず、反応がワンテンポ遅れる。ズレた内容を打ち返してしまう。

「相手と関係構築をしていく上で、感情の起伏がないとか、抑揚のないリアクションは足枷になりますよ」

というわけで、己のテンションの限界値を破壊するべく、私は街コンに参加することにした。

会場に向かう道中、私は心の中で唱えた。

うおおおおおお、頑張ればるせろな!己の中のパリピを呼び覚ませ!

そうこうしているうちに会場に到着した。

レッツ・パーリ・ナイッ!

冒頭書いた通り、私は3人の連絡先交換をノルマとして課されていた。そこに加えて、私は裏目標として「ただ連絡先をもらうのではなく、ちゃんと後々の関係に繋がるようなトークをする」と定めていた。

目的は人との良好な関係構築だ。数字だけの目標を達成したところで、虚しさが残るだけ。そのような轍は踏むまい、と心に決めていた。

まずは舌の回りを滑らかにするべく男性陣と軽くお喋り。しかし、私の目は草食動物のごとく、横目の視野で会場にいる女性陣の位置関係を把握しにいっていた。

普段はラブ・アンド・ピースな平和主義者の私だが、一度闘争本能のスイッチが入ると、自分でもビックリするぐらい狡猾になる。

男性陣と女性陣の距離がジリジリと近づいていく。な、なんだ、この関ヶ原の合戦前のような緊張感は。ここはパーティーとは名ばかりの戦場なのだろうか?

最高に血がたぎるぜ、ヒャッハー!

意外と盛り上がっている内に秘めたパリピに驚いていると、遂に会場の男性陣と女性陣が直接話し始めた。無音で戦いのゴングが鳴った瞬間である。

ふと視線をやると、友人らしき女性4人組がこちらにやってきた。その中の1人は両手に料理が乗ったお皿を持ってウロウロしていた。

「置く場所がないですか?こちらのテーブルと椅子あいてるのでどうぞ」

私は目の前の椅子を引いて、女性を誘導する。お礼を言ってその女性はお皿を置き、その場に座る。私も少しいいですか、と許可を取って、隣に座った。

なんと、その女性は昼からお酒をたんまり飲んで、フラフラの状態で会場に着いたらしい。なので、初っ端から座れるのは大変助かったとのこと。

おいおい、街コンを二次会として活用するのか。半端ねえぞ、この人。

興味を惹かれた私は色々と質問して、その流れでのんべえ女子とLINEを交換した。

「酔いは覚めた?」

「はい!」

「じゃあ、お互い楽しもう」

表向きはクールに去りつつ、空腹により酔いが回ってきて私は内心焦っていた。食べ物コーナーに寄ったら、あろうことかお皿が全くない。

そうこうしているうちに会場の男女はあちこちで楽しげにお話をしている。銃弾飛び交う戦場で生き延びるためには、空腹などに構っている暇はない。私はパンを一切れ手で掴み口の中に放り込むと、すぐに戻り会話の輪に切り込んでいった。

男女が話しているところに、静かに近づき、会話を聞きながら最初はウンウンと頷く。入れそうな話題があったら発言し、なかなか乗れそうな話題がなかったらまた別の輪の中に入る。

会場を回遊して見えてきたのだが、男性陣のほとんどは自分の自慢話をするか、お笑い芸人ポジジョンで大袈裟なリアクションをとっている人間ばかりだった。

いやあ、お笑い芸人ポジションはモテないんだよなあ・・・。

過去の苦い失敗を思い出しながら、この場は差別化のために聞き手に回るべきだなと判断した。

1対1で話す男女のそばに近づき、モナリザの微笑を浮かべながらウンウンと頷く。そして、男性が酒を取りにその場を離れたタイミングで、私はその女性のことを掘り下げてゆく。もちろん、リアクションは普段の5割増である。

しかし、ここで一つ私にミスが出る。共通の趣味の話題が出た時に「〇〇行かない?」と直接的に聞いてしまったことだ。流石に打診として早いし、空気を悪くしたくない女性側に負担感を与えてしまった。ここは返事を求めない形でフンワリと置きにいくべきだったのだ。

「あえてハッキリさせない」コミュニケーションがあることを、後日の反省会で身をもって知った。

失点はあったが、そこは街コン。女性側も空気を悪くしたくないからか、連絡先を聞いたら教えてはくれた。(案の定、後に連絡しても返事はなかった)

その後も先ほど食べたパン一切れとアルコールを原動力に、私は会場をブンブンと回りまくる。

友人と来ていた女性2人組がいたが、片方は慣れてる感じでトークを楽しみ、もう片方は場の空気に萎縮して隅っこで帰りたいオーラを放っている。

隅っこ女性に話しかけてみたが、どうにもこうにも盛り上がらない。

クッ、まだまだ修行が足りん!こういうつまらなそうにしてる人こそ笑顔にしたいのにっ!

別の女性は男の自慢話を仮面のような笑顔で聞いていた。男性陣が食べ物、飲み物補充でその場を去ると、すかさず隙間に入り込んで質問しながらその女性のことを聞いてみる。サブカル話で共通点が見つかり、少し盛り上がった感じがした。

こだわりのファッションをしている女性がいたので、そのことに触れて褒め褒めアゲアゲ作戦に取り組んでみるが、ファッション知識が足りなくて話が広がらない。ダメだ、自分にはまだまだ足りないことだらけだ・・・。

そうこうしているうちに残り時間が迫ってきた。

マズい、まだ2人しか連絡先を交換できていない。アドレナリンがモリモリ湧き出し、結果にこだわる男モードのばるせろな。ここでもう一踏ん張りして己の殻を破るんだ!

会場を回り、先ほど話したサブカル趣味女性がリラックスモードで他の女性と話し込んでいる。私は声をかけて、先ほど話したお礼と連絡先打診をして無事交換。

ミッションコンプリート!

ロスタイムギリギリでどうにかゴールを決められた。しかし、趣味が合うというのは意外と決定打にはならない。この女性とも連絡が続くことはなかった。

こうして、私の街コンは幕を閉じた。

後日の反省会では「コミュニケーションの硬さを取り除くこと」が自分にとってボーリングのセンターピンだということが浮かび上がってきた。

まだまだやらなくてはいけないことが山積みだ。

でも、だからこそ、人生は面白い。

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