「シェイクパック」撮影秘話(フォトグラファー・花盛友里)
現在の活動ときっかけ
──今月のテーマは「プロテインとわたし」。今回は”わたし”らしさを大切にしながら、ありのままの女性を撮影するフォトグラファー・花盛友里さんからお話を伺います。早速ですが、花盛さんの代表作『脱いでみた。』は、ヌード写真集なのに女性の可愛らしさが満載。どのようなきっかけで撮影を始めたのでしょうか?
花盛:こんにちは、花盛です。『脱いでみた。』を始めたのは上の子の妊娠中でした。妊娠して、今までの自分がなくなってしまいそうな不安がすごく大きくなったんです。今よりお母さんは自由がなくなって保守的になると思っていました。だからちょっと激しいことをやろうと思って、いろいろなところで女子を脱がせて撮り始めました。
──一般の女の子を起用する新しい撮影手法で話題になっています。どんなところで撮影していたんですか?
花盛:許可はとった上で、映画館やスーパーの人がいない時間を狙って「さっ」と。笑 最初はモデルさんばかり撮影していたのですが、綺麗な身体のモデルさんでも「ここが嫌なの」とコンプレックスを教えてくれるんですよね。それに気づいて「完璧に見えても、わたしと一緒なんだな」と思ったんです。本格的にスタートしたのはそこからですね。ちゃんと実践したかったので、今までは「このモデルをこの場所で撮影したい」とロケハンもしていたけど、やめました。一般の子を募集して、選ぶのではなく先着で撮影する。当日までどんな子かもわからずに朝会って初めましての挨拶をして、そこで可愛く撮れたら救われる子がいるのかなと。その可愛さをみんなに届けたかったんです。
──素敵な取り組みですね。ちなみに、どんな方が応募されるんですか?想いを持って来る人の方が多いのでしょうか。
花盛:なんとなくの人はあまりいないですね。自分をもっと好きになりたい人や『脱いでみた。』の世界観に自分をおいてみたい人はが多いかな。女の子たちも最初はやっぱり緊張しているけど、撮影をしている内にどんどん開いていくんです。不思議な感覚だと思います。
応募する時に長文でメッセージを書いてくれたり、写真を添付してくれる子もいるのですが、フラットな状態でやりたいからあえて覚えないようにしています。何も知らない方が撮影中に深掘りもできるし、本当の意味でありのままの彼女たちに触れ合える気がします。
シェイクパックは「かわいい!」
──ちなみに本日は新商品「シェイクパック」の撮影でした。以前から花盛さんの作品が『KOREDAKE』 の世界観とマッチすると感じていたので、一緒に仕事ができてとても嬉しかったです。
花盛:こちらこそお誘いいただきありがとうございました!
──撮影では、もちろん私たちからもお願いしますが、花盛さん自身で「なんかこれ、”かわいい”かも」と撮影したものの方にキュンとしてしまっていました。決められた枠の中で撮影する難しさもあるとは思う反面、プロフェッショナルを体感した気がしています。
花盛:もちろん日々やるのはクライアントワークなので、クライアントさんからのお願い部分は絶対に抑えます。でも「自分がいい」っていうものも合間に挟まないと、次にお仕事をもらう時に「私はこういうのが撮れる」っていうのを示すことができない。だから”わたし”が撮りたいものも合間に入れ込んでますね。
──合間の写真がとても好きでした。
花盛:よかったです!カメラマンになってから15年位が経つので、お客さんが欲しいものを汲み取る素早さは早くなったかもしれません。色々なところで色々な撮影をしてきたからどんな写真になるのかという予測もつきやすくなりました。
──撮影中にはたくさんの「かわいい!」という声が上がっていました。花盛さんが「かわいい!」となる基準はなんでしょうか?
花盛:その質問は面白いですね。今回の撮影では『KOREDAKE』がどのようなブランドなのかっていうのがあった上で、世界観が合ってるし、やりたいことができているし、見せたいものが見えていると「かわいい!」となった気がします。すごくかわいくても世界観が違う時ってやっぱりあるんです。
あとは誰も何も言わない現場では意識的に声を出しているかもしれません。黙っていたら何がいいのかわからない。撮影中に KOREDAKE チームから「かわいい!」って声が上がった時は嬉しかったですね。現場の雰囲気も良くて、楽しかったです。
──事前の打ち合わせで撮影で大切なことは「現場の雰囲気」だと伺っていましたが、こういうことかと思いました。撮影を終えた今、『KOREDAKE』に対してどんなイメージを持っていますでしょうか?
花盛:単純にすごいかわいいなって思います。シンプルだから家に置いておいても邪魔にならないし、いやらしくない。シェイクパックを会社に持って行っても「あれ?ジュース飲んでる?」ってなりそうだし、配送箱もかわいいから届いた時にすごいテンション上がるし。私自身、ピラティスに通っているから運動と一緒に取り入れたいです。
休む時はちゃんと休む
──もちろんカメラマンとしてもですが、花盛さんはお母さんとしても、とても忙しいと思います。そんな中で大切にしているマインドがあれば教えてください。
花盛:休む時はちゃんと休むこと。平日は大体、朝から寝るまでフル稼働で忙しいのですが、金曜の晩からお酒を解禁して、自由な母親になります。翌日は二日酔いだし。笑 土曜日はソファから本当にでません。昔は休むのは良くないって思っていたけど、今は当たり前の権利として休む時間を得るようにしています。私も休むし、みんなも休んでいいんです。
──いつ頃からちゃんと休むようになったのでしょうか?
花盛:ここ2年位かな。お母さんになってからも働いてばかりいました。一人目が生まれた時はもっと全力だったかもしれません。産休中に仕事が減ったことがショックで、営業も努力したし、お腹を大きくしながら夜中までレタッチしたり。でも今は、寝る時間を削ってまで働かなくてもいいように調整しています。休みをちゃんととらないと、イライラしてきちゃうんですよね。子供にも当たりたくなるし。自分の心と身体のバランスがとれてないから。
──『KOREDAKE』を利用するユーザーさんも忙しい女性が多いです。だからこそ『KOREDAKE』を飲む瞬間だけでもいいから、ちょっとほっとしてウェルネスを感じられるように、美味しさや手軽さを追求しています。花盛さんのように「自分も休んでいいんだ」と思えるようになるにはどうしたらいいのでしょうか?
花盛:オンオフを大事にしたら、休む自分のことを肯定できるのかなと思います。例えば、毎日働くけど、毎日だらだらしている時間があるよりは、平日にめっちゃ働いて週末はとことん休む方がいい。メリハリがあることで「あの時に頑張ったから休んで大丈夫」と思えるのかもしれません。自分も納得してオフを作らないと、真面目な日本人は難しい。「あそこまでやったら休む」を徹底したらいいのではないでしょうか。余談ですが、私って返信がめちゃくちゃ早いんですよ。
──たしかに撮影依頼の時もとても早くてびっくりしました。「忙しいはずなのにと不思議だったのですが、ちょうど雪の日だったから「家にいたのかな?」とチームでも推測していて...!
花盛:そうだったんですね。笑 持論ですが仕事ができる人は返信が早いんですよね。なので意識して早くしています。納品やリタッチも早くすることを心がけていて、子供が生まれてからは特に早くなりました。一方で、メールの出だしに「お世話になっております〜」とかはなく、要点だけで送ったり、お迎えがあるので夕方以降に送信されたメールは返信しなかったりと、抜くとこは抜いています。
──メリハリなく働き続けると、気付いたら疲れてしまっていることも多くなります。休むことを予定にいれる人の話も聞いたことがあって、賢いなと思いました。
花盛:たしかに。あと私の場合、職種の関係でやることが終わらないことがあまりないんです。基本的に納品が終わったら終わりなので、ずっと何かをやり続けることはない。週末は絶対にやらないと決めているから、金曜までに絶対やると意識的になるのかもしれません。最初はすごく辛いと思いますが、メリハリは大切です。
──KOREDAKEチームでもちゃんと休むことを浸透させたい...!
花盛:もちろん、土日の返信をしなくてもいいように、やることはちゃんとやります。勝手な考えかもしれないけど、社会人として当たり前なことをみんなができれば、お母さんでも働きやすい社会になる。そういうマナーがあれば、これからの世代も子供を作ろうって思えますよね。
──花盛さん自身が子供を作ることへの不安はあったのでしょうか?
花盛:とても不安でした。だから妊娠期間に、今でこそ代表作と褒めてもらえる『寝起き女子』や『脱いでみた。』をやってたんです。お腹が大きい時期に『寝起き女子』の営業に行って、それと同時に『脱いでみた。』を撮り始めてました。自分がお母さんになってもやっていける保証が欲しかったから、完全に不安要素を消すために撮影を続けていた感じです。ちょうどカメラマン人生が軌道に乗ってきた時に子供ができたので、当時はやっぱり苦しかった。不安な時に撮り続けて、写真集ができた時はめちゃくちゃ泣きました。だからこそ息子には感謝しかありません。そうやって努力してきたからこそ、今は夜中にはメールをしない、土日は働かない、などができていると思っています。
──花盛さんのInstagram では女性もそうですが、妊婦さんの写真も多いなと思いました。
花盛:その話でいうと、最近のパパはすごいですね。1年くらいの育休を取ったり、マタニティ撮影に同行したり。そういう時代になってきているのは素敵だなと思います。忙しい時は支え合って仕事や家事を役割分担する夫婦が増えつつあるし、社会の制度的にも休みやすいだろうし。私が妊娠中は、仕事ができなくなるから今の内にがんばらないといけないと思ったけど、こんな世の中だったら焦らなくても大丈夫。令和やし。笑
──令和ですもんね。笑 日本人は完璧主義者が多いからこそ、完璧な状態で見せたいし、他人から何も言われたくない。周りとしても間違いを良しとしない文化がある気がします。
花盛:私は完璧主義が好きです。でも完璧を求めすぎて自分の首をしめてしまうのはよくないなって思います。完璧主義はとてもいいけど、休む日を作ろうって言ってあげたいです。土曜日だけでもいいから休む。映画とか見に行って携帯の電源も切ってしまう。
──たしかに、仕事ができる人って休んでますよね。
花盛:うんうん。私の場合、土日に休んでいないと、月曜のパフォーマンスが下がってしまうんです。やっぱり疲れているから、いい仕事ができなくなっている。本当は月曜の撮影こそ、楽しみじゃないといけないと思います。日曜の夜に「明日は撮影!ワクワク〜♪」ってなっていると、パフォーマンスが抜群に上がる。私は「あの人すごいできるよね。でもちゃんと休んでいるよね」と言われる人でありたいですね。
──「早く撮りたい!働きたい!」ていう想いが原動力になるのはわかる気がします。
花盛:昔、アメリカにある写真スタジオでバイトさせてもらったことがあるのですが、そこでは働く時間が朝9:00から夕方5:00までと決まっていました。ある日の撮影で、そのカットが終わるまで 5 分くらい続ければいいのに、夕方 5:00 になった瞬間、大人たちが一斉に撮影を辞めたのには驚きました。私としては残りのカットがとても気になっちゃって。だけどそこの人は夕方5:00に帰って家族の時間を大切にするんです。
──文化の違いですね。アメリカでは「自分の生活があるから仕事がある」という考えが主流で、日本では「仕事があるから自分の生活がある」ように考えている人が多い気がします。
花盛:たしかにそうかもしれません。私自身、写真を撮ることは大好き。でもやっぱり休んだ方が、いい写真が撮れるんです。好きだからこそ、休みが必要だと思います。
──何事もバランスな気がしました。食べることが好きな人はたくさんいるけど、ずっと食べ続けることはできないし。
花盛:わかりやすい例え!自分の好きは大切にしつつ、心身の健康にも目を向けられたら最高ですね。
──最後になりますが『KOREDAKE』は身体の健康だけではなく、心の健康も実現するウェルネスブランドです。花盛さんにとってウェルネスとはなんでしょうか?何をやっている時が心と身体が健康で生き生きしていると思いますか?
花盛:「子供」と「仕事」の両方がちゃんとある状態でしょうか。産休や育休を通して、社会から切り離されている感覚を経験しました。だから仕事ができる今はとてもありがたい。でも、子供と遊んでいる時間も大好きなので両方とも大切にしたいです。あとは友達と飲むことも。笑
──ぜひ落ち着いたら飲みにいきたいです!
花盛:ぜひ!たくさん飲んでたくさん働く。頑張った仕事の後のお酒は格別ですよね。これをウェルネスとしていいのかはわかりませんが。笑
──もちろんお酒もバランスが大切ですが、花盛さんらしいウェルネスが聞けてよかったです。本日は貴重なお話をありがとうございました!引き続きよろしくお願いします。
『KOREDAKE』WEBはこちら▶️ https://koredake.co.jp/