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10年越しの「ワールド・ウォーZ」

書棚を眺める

昨年の夏から年末年始にかけて書棚の整理をしようと思い立ち、ざっと眺めていると

  • 買ったけど読んでない「積読本

  • 途中まで読んで飽きたか興味が別に移った「読中放置本

  • 購入したか定かではない何故これがある?の「紛れ本

上記三タイプがざっくり混沌としておりました。
あと漫画。
ほとんど漫画。
初手、完結した漫画を納めるための“容器購入”から始まるRPG調子。

本の整理整頓って年末の大掃除と相性最悪なんですよね、、
案の定、時間泥棒(レオタード三姉妹)の登場です。

  • 【泪】旺文社「中二時代」昭和58年(1983年)発行

  • 【瞳】パルコ出版「ビックリハウス」昭和59年(1984)発行

  • 【愛】モスフードサービス「モスモス」平成7年(1995)発行

ここら辺やたら懐かしくて立ったままニヤついて見返してました。
他、「らんぽう」「リングにかけろ」「パタリロ」などの昭和漫画はぺら読みしてニヤニヤ。

街は青色の情熱で煌めきますか?毎夜ウインクしてますか?

この無限の停滞感。

10年越しの「ワールド・ウォーZ」 ー 小説 ー

そんなさなかに発掘された「ワールド・ウォーZ」の原作小説。

購入した頃米ドラマ「ウォーキングデット」が流行っていて、ゾンビ物にそれほど関心がない私でもそれとなく見ており、その流れで衝動的に購入した記憶。

ちょうど映画化権を「プランB」が獲得しブラッド・ピット主演確定とかのタイミングだったような~。

『ある家族が避難先のコミュニティで最初は楽しくやってたけどだんだん殺伐としてきて食い物も無くなってきて父親は口だけの役立たずで母親は食料得るために娘が見えないところでなんかやってて人が減ってきてどこかからか得体の知れない肉が流通してきて、、』

ってところで「ふ~~~、、胸糞。ひと休みひと休み、、」からの「後で読むか。。」となり、放置完了!

半忘却状態で映画が公開され、、

映画版「ワールド・ウォーZ」

冒頭30分が最高!
なんならそこだけでも3万回(嘘)観た気がする。
何か世界的に不穏な兆候が報道され始めた最中、いつもと変わらない朝の風景から通勤/通学の道すがらの渋滞の車中、少しずつズレが生じてきて、、

そこから怒涛のゾンビ展開。

二度目の観賞でようやく腑に落ちるような、あれ?、これなに?、どゆこと?
って”布石”をいくつか散りばめ、気づいた違和感をかき集めて解決へと導いてゆく展開、最高でした。
ですが中盤からの強引な、剛腕な、都合の良い進行が”微妙”と言えないこともない。それを差し引いても娯楽映画としての精度は高く、冒頭見るために「ながら見上等!」で再生、後、結局最後まで見せられてしまうダレ感のなさ、強強です。
年一で必ず観賞する程度には好きな作品です。

10年越しの「ワールド・ウォーZ」 ー 小説【再読】 ー

マックス・ブルックス(著)浜野アキオ(訳)
著者はメル・ブルックスの息子さんなんですね、知らなかった。
とは言えメル・ブルックスの映画、ほとんど見てないんですけどね。
なんということでしょう。

解決の仕方、ゾンビの特性含め、展開は映画版とまるで違います。
主軸は終戦後、各国のZ大戦生存者に対するインタビュー形式で状況が説明されてゆきます。
『奇病が発生し感染者が所謂ゾンビ的な症状で人を襲い、その災禍が世界を覆い尽くす』
だけが映画版と符合しており、ブラピ的狂言まわしもおらず、終結後の世界で淡々と過去の状況説明、個々の悲惨な体験が語られてゆく。
中には日本の描写もあり、

  • 亡国。民族総移民化

  • 引きこもりオタク、そのまんま座頭市宗教絡みの団体

が主として描写されてます(なにそれ)。

解決の仕方は映画版と違ってかなりの力技。多大な犠牲を払いながら、みんなでめちゃくちゃ頑張ったよ!ってな感じ。

コロナ禍を体験した後に読むと感慨深い。
対策は多々あれど、結局状況に順応してゆくしかないんよね?ですよね?って感じでしょうか。

途中出てきた『感染してないのにゾンビに影響されて徘徊している奴ら』が一層厄介みたいな描写が、ワクチンを過剰に忌諱する人々と重なってなんともモヤっとしてしまいました(他意はないです)。

まとめ〼

映画版が比較的綺麗目寄りの終わり方にできたのは「ワールド・ウォーZ」小説版の文字通り『プランB』となる”走って追いかけてくるゾンビ”を採用したからなんだろうか。そうでなければ映画版は対処のしようがありすぎて、もっと残酷で残虐な展開もあったんだろうな~~とかなんとか。

ウイルスは目に見えない。
咬まれたら感染って見た目わかりやすい表現ができるわけでもない。とにかく予防と対処で順応してゆくしかないようです。

その点コロナ禍のパンデミックで話題になった『コンテイジョン』はリアルに人に対する不愉快、不穏、絶望が感じられて良きでした。
比較するのはあれですが、ワールド・ウォーZはかなりエンタメ寄りですよね、そうですよね!(フォルティッシモ!)

あけましておめでようございます。
年の明けた2025年現在、コロナウイルスは紛れて拡散し、インフルエンザは猛威をふるい、ヒトメタニューモウイルスなんぞ言うニューカマーも絶賛登場中のようですよ。
映画のように格段に致命的な病ってわけではないかもしれないけど、私のような喘息持ちには酷な環境なので、ある程度の恐怖を糧にこれからも予防に努めてまいります。

ちなみに書棚の整理は多数の完結した漫画を犠牲にし、年始を迎えてようやくまとまりましたとさ。あと、紛れていた積読本が激増したのはご愛嬌。
トホホ。。


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