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はじめてのバレエ鑑賞ガイド

憧れのバレエ!映像ではなく、劇場に行ってライブで鑑賞してみたいと思いませんか?
舞台を好きな人は、繰り返し劇場へ出かけます。それは、一度でも感動体験をすると、もうやみつきになってしまうから。バレエの魅力とはいったい何でしょうか?劇場へ足を踏み入れると、そこでは非日常の美しい空間が拡がり、楽しい時間を過ごすことができます。その、はじめの一歩を踏み出せるよう、わかりやすくガイドします!

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マナー編 服装

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女性はこれが一番の悩みどころかもしれません。日本の劇場(=上演が行われるホールや会館)は、ドレス・コードはほぼないと思ってよいと思います。S席(主に一番チケット代が高い座席)でもカジュアルなスニーカーにファストファッションといういでたちの人もいれば、2階、3階の舞台から遠く離れた客席にいても、お洒落をしている人もいます。特にマチネ(昼間)公演は、映画館に行くような格好で充分OKです。
特別な時間を過ごすために、せっかくですからいつもよりちょっとだけお洒落する、くらいが楽しめるのではないでしょうか。例えば、お気に入りのブラウスやワンピースを着てみる、それだけでも舞台を観る気分は上がります。TPOを気にしたマナーのためというよりは、自分のために装うという気持ちで出かけてみましょう。
男性は、ジャケットを一枚羽織ればなんとでもなります。ジャケット着用でなくてもかまいません。ノータイOK、襟付きシャツでなくても大丈夫。特別におめかししている男性は少なく、いつもよりほんの少しだけ気を使った格好で充分です。
ただし、気をつけたいのはエアコン対策。劇場内は、夏は寒くて、冬は乾燥していることが多いです。夏は、ストールや薄手の羽織るものを持参すると便利です。素足にサンダルも、長時間になるとかなり冷えてしまうので気を付けましょう。また冬は乾燥しているので、マスクやひざ掛けなどがあると安心です。静かな場面で咳やくしゃみを我慢してばかりだったり、寒さを気にしていると、楽しめませんからね。

マナー編 公演にかかる時間

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会場の入口を入ったら、本日の公演のキャスト表を配っていることが多いので、スルーせずに入手してください。今日観る舞台の配役と共に、公演の構成(各幕にかかる時間)や、休憩が何回で何分あるかなどがわかります。
全幕の公演(大きな1作品を最初から最後まで上演すること)で3幕の構成だと、2回の休憩が入ることが多いです。1つの幕(2幕続けて上演する場合もあります)は大抵30〜70分程で、休憩時間は各15~25分程度です。
バレエでよくあるガラ公演(いろいろな小作品をいくつも上演する公演)は、2~3部構成などで各50~60分くらいの場合が多いです。一作品10〜15分程の長さの何作品かを上演して、休憩が1〜2回あります。
公演全体の時間は、大抵2時間半くらいかかります。短い作品だと2時間程度、長い作品(例えば「眠りの森の美女」など)や、大人数が出演する大規模なガラ公演は、3時間以上になることもありますので、長丁場です。

マナー編 飲食

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映画館などと違って、客席内での飲食は禁止されています。公演中はもちろん、休憩の時も匂いが漂ったりゴミが出たりするので、客席で何か食べたりすることは出来ません。
客席の外のホワイエ(客席を出たロビー)で通常、軽食や飲み物を販売していて、公演が始まる前や休憩時間に利用できます。ホワイエに椅子があったら、そこで持参したお菓子などを食べることもできます。ホワイエでは、今日の公演プログラムのほか、今後の公演のチケットを売っていたり、関連グッズやDVDなどが販売されていたりします。思い出に何か購入するのもいいですね。会場の外に出ることもできます。途中入退場は、大抵の場合チケットを入口で見せなくてはならないのでチケットを持ち歩いて下さい。
夜の公演だと多くの場合、開演は19時頃で2~3時間がかかり、通常は夕食時なのでお腹がすきます。お腹が鳴るのが気になって舞台に集中できない人は、公演が始まる前に劇場近くのお店などで軽食をとったり、開演前や休憩中に何かお腹に入れておくといいかもしれません。
休憩中、ホワイエ(客席を出たロビー)は人でいっぱいですが、劇場の雰囲気を楽しめます。お友人と一緒なら大いに語り合ってください。

マナー編 遅刻した場合

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開演に間に合わず遅刻してしまった場合は、基本的には1つの幕が終わった休憩の後に入ることになります。
始まってしまった後でも拍手が起こった時などに、係員の誘導で他の観客の方の迷惑にならないように、購入チケットの座席とは別のドア付近の座席に案内して座らせてもらえる場合もありますが、公演によっては次の休憩まで30分以上も客席のドアの外やホワイエで待つ事になり、中には入れないこともあります。
せっかくの舞台ですから、時間に余裕を持って、開演の10分前には劇場に到着するようにしましょう。
休憩のない公演もありますので、事前に確認しておいた方がいいでしょう。休憩なしの公演の場合は、遅刻すると客席に入れず、ホワイエに設置してあるモニターで舞台の画面を見るだけで客席内での鑑賞ができなくなってしまう場合もあります。
トイレが近い方は、開演前や休憩時間に行っておきましょう。女性用は必ずと言っていいほど列ができるので、事前に場所を調べて速やかに移動するといいでしょう。

マナー編 お子さま連れでの鑑賞

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基本的にクラシック音楽やバレエの公演では、ファミリー向け公演や4才以上入場可などの記載がない場合、未就学児(6才未満)不可の公演がほとんどですので、事前の確認が必要です。最近では小さいお子さんと一緒に観ることのできる、夏休みやお正月の公演も多くなったので、どんな公演か確かめてからチケットを購入しましょう。お子様でも1人につき1席のチケットが必要で、膝の上に乗せてなどの鑑賞は出来ません。
ソワレ(夜)の公演より、週末のマチネ(昼)公演がおすすめです。親子でいらっしゃる方がたくさんいます。日頃、音楽やバレエに接する機会の少ないお子さんの場合は、60分程度静かに座って鑑賞できるかを基準にしてください。事前に、物語のあらすじや見どころの説明をしてお子さまが興味を持って観られるように工夫しましょう。子供同士を並んで座らせると、お話したり動いたりすることが増えるので、間に大人を入れる方が集中して舞台を鑑賞できます。
休憩時間にはリフレッシュさせてあげてください。客席の真ん中から途中退場のために暗闇の中で移動するのは難しいので、事前にトイレもすませておきましょう。子供向けの公演や会場によっては、水筒やおやつを持参してホワイエ(ロビーの椅子など)で食べても大丈夫です。お子さんの服装は、学校に行くような服装でかまいません。ワンピースなども可愛いですが、リラックスして鑑賞に集中できることが肝心です。特別な場所に来て、特別な時間を過ごし、美しいものを鑑賞する喜びを是非知ってもらいたいです。

マナー編 上演中に気をつけたいこと

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「音を出さない」これに尽きます。集中していると身動きせずにじっと舞台を見つめているはず。自分が楽しむために劇場に来ているのですが、それは会場にいる全員が同じこと。お互い最高の鑑賞ができるように、人の鑑賞の妨げにならないよう気を配りましょう。
・舞台が始まる前に、スマートフォンなどは音が鳴らないよう電源を切るかミュート(消音)の設定にしておきましょう。暗くなってから電源を切ると光が目立ってしまい迷惑になりますので、座席に着く前に確認しておきましょう。
・会場のクロークを利用しましょう。コートなどだけでなく、大きな荷物も預けましょう。紙類や、買い物をした際のビニール袋なども、手が触れただけでかなり大きな音が響きます。身軽になって座席に着きましょう。
・劇場入り口でもらうチラシ類などを膝の上に置き、上演中にバサッと落としてしまう音も目立ちます。カバンにしまう、下に置くなどしましょう。
・咳払い、くしゃみなどはハンカチで口元を押さえて、なるべく拍手の時や、場面転換の時などにするように気を付けましょう。
・上方やサイド(横)の客席では、見にくいからと身を乗り出して前のめりになって鑑賞しないようにしょう。後方の人が見えなくなってしまいます。しっかり背中を椅子の背につけて観ましょう。気持ちよくマナーを守って、バレエの鑑賞を楽しみましょう。

バレエの舞台の楽しみ方基本編 バレエの魅力~非日常の体験~

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劇場の客席に座れば、夢のように美しい世界が拡がっていく、それがバレエの魅力です。
たとえ物語の内容をよく知らなくても、同じ人間とは思えないようなダンサーが妙技を披露するだけで、純粋に彼らの踊りに魅了されます。数千人の観客が瞳を輝かせて、舞台で繰り広げられるドラマを観る。舞台から遠く離れた客席にいても、ダンサーの息遣いが聞こえるようで、その力強く優雅な動きに感嘆する。終演するまで、まるで別世界を垣間見る……そんな体験をしてみたいと思いませんか?
心地よい音楽に身を委ねながらバレエの舞台を観て、激しく感情を揺さぶられ豊かな気持ちになって、感動を味わう。そんな素晴らしい経験ができる劇場に、ぜひ行ってみましょう!

バレエの舞台の楽しみ方基本編 チケットの取り方

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たくさんのバレエの公演があります。一度は観てみたかった演目、外国のバレエ団、日本のバレエ団、聞いたことのあるダンサーの出演、どこの劇場で上演するかなど、興味のある公演を選び、とにかく劇場へと出かけてみましょう。何度か行けば、だんだんと自分の好みがわかってきます。
どの公演に行くかを決めたら、チケットを購入しましょう。主催している会社のHPや、プレイガイドなどのWEBからも購入ができます。気になる事があったら電話の受付で公演の内容などをたずねてから買うこともできます。ほかの舞台エンタテインメントと同様に、人気公演は一般発売前に先行予約をしている場合もあります。気に入った公演がいつから販売になるかを確認して、事前に準備をしておきましょう。チケットの受け取りは、コンビニエンスストアなどで出来るほか、郵送で送ってもらうことも可能です。
公演の直前に急に行ける状況になったような場合には、上演する劇場で当日券が販売されています。たいてい当日の開演1時間前からの販売になりますが、当日券が出なかったり席種が限られていたりすることもあるので、なるべく前日までにチケットを手に入れることをお勧めします。

バレエの舞台の楽しみ方基本編 価格やおすすめの座席について

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チケットの価格は、オーケストラの生演奏付きなのか、海外の団体か日本の団体か、全幕の舞台かガラ公演か、出演する人数や劇場の大きさなどによって違い、バレエ公演はおよそ3千円~2万円程度まで様々です。
座席は指定席で、S席、A席、B席、C席・・・というように分けられている場合が多いです。会場や公演によって席種の分け方は異なっています。高額ならば、すべて良い公演、良い座席というわけでもありません。自分好みの公演や、好みの座席を見つけるのも楽しみのひとつです。公演内容や価格によって、いろいろな座席から見るのも面白いでしょう。
一般的には、サイドより正面からが見やすいとされていて、おすすめです。上演する時は、正面を意識して演出がされているからです。
その他にも例えば、1階席の前方は、舞台の全体像はつかみにくいですが、ダンサーの顔やつま先までよく見えます。迫力ある舞台をすぐ近くで楽しむことができます。上の方の2~3階などから見ると、舞台は遠くなりますが、舞台上のダンサーのフォーメーション(並びなどの配置)が把握できてとても面白いです。1階席ではわからない光景を見ることができます。いろいろな場所の座席を買ってみて、好きな場所を探して下さい。

バレエの舞台の楽しみ方基本編 拍手をして楽しみましょう!

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バレエの場合、拍手と「ブラボー」というかけ声でダンサーをたたえます。主役がソロ(1人)やペア(2人)で踊った後や、群舞などの踊りが素晴らしければ拍手が沸いて、ダンサーたちはお辞儀をします。物語が中断することになりますが、それがバレエの慣例です。
事前にあらすじを読んで、内容を把握してからの鑑賞がおすすめです。特にバレエは幕ごとに衣裳が変わるので、どの人が主役なのか判らなくなる場合があります。いろいろな役の人が長時間踊っていることも多いのです。もちろん、どんな役の人でも素晴らしかったダンサーには、拍手を贈って下さい。
初心者は、周りの反応に従うとよいでしょう。例えば特に悲劇の場合、終演後わずかですが余韻に浸りたい時間があるのに、拍手をフライングしてしまうと興醒めしてしまいます。周囲の様子を察してから拍手してみてください。
終演後(幕ごとの場合もある)のカーテンコールで、登場人物が順番に舞台に出てきます。最後に主役が登場します。素敵だと思ったダンサーには、たくさん拍手しましょう。拍手の大きさや、ブラボーの熱心さで、観客の感動の度合いがダンサーに伝わります。一所懸命拍手をしてダンサーをたたえましょう。スタンディング・オベーション(席を立っての拍手)もよく行われます。心からの感動をダンサーに伝えたいと思ったらトライしてみてください。

バレエの舞台の楽しみ方基本編 魅力的な舞台を楽しむ、オペラグラスの活用

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オペラグラスがあったら、より舞台を楽しめます。劇場のホワイエで、有料貸出ししていることが多いので、まずはそれで試してみてください。
ただ、ダンサーは思いのほかよく動いています。あれ?と思うとジャンプしてあっという間に舞台の反対側だったりします。あまり動かないシーンなどでオペラグラスを取り出して、ダンサーの見目麗しい姿、衣裳などをチェックなどすると楽しいと思います。オペラグラス越しに、テクニックなどを厳しくチェックするのもいいですが、どの客席からでも肉眼でダンサーの細かな表情まで捉えることは難しいので、オペラグラスで表情を見てみましょう。役に集中しているダンサーはとても美しいです。
最初からずっとオペラグラスだけで観てしまうと、舞台全体に目が行かず内容が判らなくなるので、1回は普通に舞台を見た次の機会からを、おすすめします。自分のオペラグラスを買って持参するようなれば、あなたも通の仲間入りです。

(編集者・ライター:結城美穂子)


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