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漫画万歳!(28) ~それでも町は廻っている~

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。取り上げているのは原則として完結した漫画です。気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT
(2021年7月号)

次は何を読もうかな~という時に、ネットでの評判を参考にすることも多いです。ふと目にして、やたら高評価の漫画で気になって買ってしまいました。石黒正数の「それでも町は廻っている」(それでもまちはまわっている)、通称「それ町」です。いくつかの賞を受賞し、テレビアニメにもなった漫画ですが、全然知りませんでした。連載していた「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)という月刊誌も全然知りませんでした。2005年5月~2016年12月まで連載、単行本は全16巻になります。

手に取ってみると、ビミョーなギャク漫画⁉ このノリについていけるだろうかと一抹の不安を覚えながら読みすすめたら、いつの間にかすっかりそれ町ワールドにハマっていました。ハマるというのとも違うかもしれません。基本一話完結なので、続きが気になって仕方がない!というわけでもないんですが、なんか気がついたら読んでしまうんです。ゆるかったりぬるかったりキョーレツだったりするギャクがポンポンとんできます。

主人公は、東京都大田区丸子商店街の女子高生、メイド喫茶「シーサイド」でバイトしながら探偵に憧れている嵐山歩鳥(あらしやまほとり)。友人や商店街の人たちとの何気ない日常が基本ですが、時々幽霊や宇宙人の話も混じっていて不思議ちゃん度が増しています。最終巻を読むと妙に納得してさわやかというのかホッとしてしまう不思議な漫画です。

この作品の評価でよく言われるのが、「時系列がバラバラで伏線がちらばりまくって読者に挑戦状を送りつけているよう。最後にちゃんと回収されて、一つのミステリーのようなできあがり」というものです。細かく作品をチェックしながら読む方にはとってもおススメ、そんなのメンドクサイって人も全く気にせず読み進められるフクザツな作品です。ため息をついてしまうことが多いこの頃、こういう漫画に没頭して、別次元の日常を感じてみてはいかがでしょう? 


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