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ただそこに

自転車で走り回っていたあの頃に
落としたカケラをひろう
いつも全身で浴びていた光景を
僕はいつからか見なくなった

抱えきれなくなった寂しさを吐き出すように
鳴らした夕方5時のチャイムから
しまっておいた景色をみる

それは陽の光だったり
それは揺れる草木だったり
それは突き抜けるような空だったり
それは漂うような風だったり
それは歩くたびについてくる足音だったり
それは鼻の奥で感じる冷たさだったり

ただそこにあったもの
ただそこにあるもの
ただそこにあり続けたもの

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