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睡眠障害≪重度障害児子育て≫

息子が4~5歳の頃、酷く疲れていた。
とにかく眠れていなかった。
朝も昼も夜も関係なく、起きて寝るマイペースな息子に合わせて生活していた。
ただ、朝は息子が起きているか寝ているかにかかわらず起きるし、日中は通院やリハビリはあるしで、もし息子が寝ていたとしても私が寝られるわけではなかった。
そんな生活を送っていたら、ついに限界に達した私は倒れて救急車で運ばれ、3日間入院した。
医者に「とにかく寝てください。睡眠は大事です。」と言われるが、「どうやって?」としか思えなかった。
だって、どうしたってこの生活は続くのだ。

息子担当の相談支援員さんと話す機会があったときに相談すると、訪問看護を利用するのはどうかと勧められた。
体調が悪くて動けないとき、用事があるとき、眠りたいときなどに助けてもらえるとのことなので、週に1度は訪問してもらい、息子に慣れておいてもらうことにした。
しかし、人に頼るのが苦手な私は、定期訪問の他には本当に体調が悪い時しかお願いすることができなかった。それでも頼れる人がいるという安心感はとてもありがたいものだった。

ただ、訪問看護さんに助けてもらえるのは、日中だけだ。
営業時間があり、朝は9時から夜は18時まで。
ただし、利用者本人の体調が悪いときは何時でも対応してもらえる。
夜間はどうしても家族だけでどうにかしなければならない。

同じ療育センターに通っている先輩ママ友から話を聞くと、睡眠障害は小学校に入れば解消されることが多いそうだ。
それまで、がんばろう!となんとか耐えていた。
悩んでいた周りのママ友は本当に小学校に入ったら夜にしっかりまとめて寝るようになったと話すが、息子だけはどうにも変わらなかった。
そいういう子はどうしているのか周囲の人たちから情報収集すると、眠って検査をするときに飲ませるような薬を寝る時間に飲ませていると聞いた。
すでにたくさんの薬を飲んでいる息子に、眠り薬を自分たち親が眠りたいがために飲ませるのに抵抗があったため、そうはしなかった。
月に1度の大学病院受診の度に主治医とも相談したが、まだいいかな、まだ大丈夫です、まだなんとか頑張れますと言っていた。
限界がきたのは、息子が小学4年生の5月だった。
いつも穏やかな主人が息子に向かって「もういい加減にしてくれ」「いつになったら寝るんだ」と夜中に声を荒げるようになった。
私も思うように睡眠時間が取れず、また倒れるかもしれないと感じていたときだった。
主治医に「もう限界です。もう少し寝てほしいです。」と伝えた。
主治医はすぐに「お薬出しましょう!」と言った。
まだ頑張りたい、薬を増やしたくない、という気持ちにも、もう無理だという気持ちにも、主治医はさらりと寄り添ってくれた。

夜の水分の注入(胃ろう)の後に、薬を入れることになった。
眠り薬というよりは、緊張を緩める薬だそうで、副作用に眠気が出るものだった。
その薬を使用するようになって、息子は夜ぐっすり寝るようになった。
それまで全然寝ない日もあったため、本当に驚いた。
そして、もっと早く薬を飲ませても良かったのかもしれないと思うようにもなった。
なぜかというと、夜しっかり寝ることで、息子は朝からしっかりと起きて、日中に機嫌よく活動することができるようになったのだ。
それまでは学校に行っても寝てしまっている時間があったり、眠くて機嫌が悪くて活動できなかったりすることがあった。
睡眠時間がきちんと取れていなくて困っていたのは私たち親だけでなく、息子も同じだったのかもしれない。
薬を増やしたり、薬により眠らせるということに抵抗があったが、息子にとってはもっと早くに使ってあげた方が良かったのかもしれない。

今も息子は変わらずその薬を使用しており、23時半頃に寝て、6時頃に起きている。



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