キャリア形成は何歳がタイムリミットか
先日大学生から「自分は今まで野球しかしてこなかった。大学の授業にも意味を感じない。何をすれば良いか?」というなんとも若者らしい相談を受けた。専門家ではないけど、こういった悩みは日本の教育システムに起因する部分が多いように思える。
今僕はある程度年齢を重ねてきて社会を少しばかり理解できて来たので、キャリア形成について少しばかり考えてみた。
大企業を前提とした場合
この場合のキャリアの方向性を決定するタイムリミットは22歳である。悲しいことに現在の日本企業においては、処遇はプロパー社員の方が優秀な外様よりも優遇される。大企業で出世して収入も上げるということをキャリアの目的とした場合は、新卒入社した会社から転職を繰り返すのは長期的にはあまり良い方向性に進まないと思う。
ちなみに大企業に勤めることの最大のメリットは年収でもなく、ブランドでもなく、人によっては資本力故に実現できる社会的インパクトの創出を肌で実感できることだと思う。優秀な官僚が能力の割に安い給料で働いているのは、恐らく社会的意義が理由だと思われる。ちなみに僕はその対極の人間である。
そもそも僕は日本のホワイトカラーの職種はほぼ全てが虚業だと思っているが、その空想の世界にある社会的インパクトを自己の個人的主題として捉えることが出来るのであれば大企業で働くことのメリットは大いにあると思う。
独立や自営を前提にした場合
よくこの手の話で名前が挙がるのが佐山展生さんである。新卒で帝人に入社し、30歳で初めて三井銀行に転職して金融の世界に入り、ユニゾン・キャピタルやGCAを立ち上げた方で、30歳は手遅れでないということの希望として頻繁にこの方の名前を出されることがある。
また、先日社会的投資のプラットフォームを運営している「ARUN Seed」の代表の功能さんとお話させて頂く機会を頂戴したが、驚いたことに功能さんは「ARUN Seed」をご自身で立ち上げるまで金融機関のバックグラウンドが一切なかったらしい。カンボジアで10年程度福祉分野でご活躍される中で、カンボジア人の社会起業家との出会いからソーシャル・ファイナンスの可能性に確信をもって「ARUN Seed」を立ち上げたそう。
個人的にはかなり理念先行型のビジネスモデルで資本市場からも評価される大きなビジネスになることは難しい印象を抱いたけれども、そこはご本人も分かった上で信念を貫いていらっしゃるそう。後半話す話題が無くなって「血液型何ですか?」とか合コンみたいな話題振ってしまったのは申し訳なかったなぁ。。。
自分の理念があったり、僕みたいに生まれつき組織に対する帰属意識が持てずに会社がやっているビジネスを自己の個人的主題として捉えられない人は何歳になっても自分のやりたいことをやってみればいいじゃないかと思う、苦しい人生を生きてしまっているのだから好きに生きればいいじゃないか。