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価値

京都の町を歩くと所々に骨董屋を見かけ、ウィンドウには高い茶道具が並べられている。到底自分には手が届かないような代物だが、一度は拝見してみたい油滴天目を調べたら、2016年には10億円以上に落札された天目茶碗の記事を見つけました。恐ろしいですね。とても庶民には理解しがたい感覚です。

だって、かつて茶碗はただの飾りで金箔を貼ったピカピカのものが重宝されいたのに、それがいつの間にか千利休の時代には、素朴な素焼き茶碗が大事にもてはやされるようになった。価値づけ、意味付け、ブランディングの最たるもの。

「プレミアム」というギリシャ語を語源に生まれた「プライス」つまり「値段」というものが、売り手と買い手の間に成立する単一尺度だとこれまでは思っていたが、オークションで落札されたお茶碗の記事を見て、なるほど!実は奥深くて文化的な尺度も存在していたのかと気づかされた。

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値段を決める経済的な尺度は市場に依存する。それとは対象的に文化的な尺度は自分の中に形成された価値観に依存している。そのような価値観があるということを知ると、自分とは異なる文化を持った人や場所を理解するのにとても役に立つはずである。

だから、妻が言っていた、「宝石採掘の現場をこの目で見ると、百貨店にならぶ煌びやかな宝石たちが違うものに見える」と、いうわけですね。

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