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「がん」を予防するワクチンをみんなの当たり前に
「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト(一般社団法人HPVについての情報を広く発信する会)」のクラウドファンディングに些少ながら寄付をしました。
ちょうど今、娘がHPVワクチン接種をしているところで(3回中の2回目が終わった)関心が強いこと、情報発信に参考文献が適切に記載されていること、チームメンバーの方々が信頼できそう、「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」のWebサイトがわかりやすいこと、子宮頸がんではないけど自分もがんサバイバー、という理由で応援したいと思いました。
HPVは、一般女性のおよそ8割が感染したことがある
HPVとは、ヒトにのみ感染することができるDNAウイルスで、ウイルスに感染した皮膚や粘膜との接触により感染します。
HPVには200種類以上の遺伝子型があり、子宮頸がんなどの『がん』の原因となるものを「ハイリスクHPV」、尖圭コンジローマなどの良性のイボの原因となる(=「がん」の原因にはならない)ものを「ローリスクHPV」と呼びます。
HPVは検査で調べることができます。実際に検査を受けられた方が詳しくその様子と結果を書かれているnoteもあります。
2000年生まれからHPVワクチン接種率が激減
HPVの中でも子宮頸がんを起こしやすい型のものがいくつかあるとわかっています。このうち一番がんを起こしやすいタイプのHPVの感染を防ぐ効果があるのがHPVワクチンです。
ですが、日本は世界の中でも極端にHPVワクチンの接種率が低くなっています。
出典:Prev Med. 2021;144:106339(READYFOR 「がん」を予防するワクチンをみんなの当たり前に!)
この原因は、「2013年に反ワクチン運動が起こり、厚生労働省が積極勧奨を中止した」ということにありました。当時の状況は以下の記事に詳しく書かれています。
これにより、日本のHPVワクチン接種率(女子)は、以下のように推移しました。
---- 導入前世代 ----
1992年以前生まれ:0%
1993年生まれ:0%
---- 接種世代 ----
1994年生まれ:55.5%
1995年生まれ:73.5%
1996年生まれ:78.2%
1997年生まれ:78.8%
1998年生まれ:78.7%
1999年生まれ:68.9%
---- ここから停止世代 ----
2000年生まれ:14.3%
2001年生まれ:1.6%
2002年生まれ:0.4%
2003年生まれ:0.2%
HPVワクチン接種率が増加し始めた
しかし、医療現場からこうした状況に危機感が示され、専門部会でも「希望する人が判断するための情報が届いていない」との声が上がってきました。
厚生労働省は、
2018年:保護者らに向けたリーフレットを改訂
2020年:対象家庭にリーフレットを送付するように市町村に求め、6割が応じた
2021年:10月にHPVワクチンの積極的勧奨再開についての審議が開始
と方針を変化させてきています。
これにより、「みんパピ!」の2021年8月の調査によると、高校1年生のHPV接種率は2019年まで1%未満だったのが、2021年には14.4%に上昇しています。
HPVワクチンは高1まで無料で受けられる
HPVワクチンは、高校1年生の9月末までに接種を始めれば、HPVワクチンは全額無料になります。
高校2年生以降の接種は自費になります。自費でかかる費用は、1回あたり約15000円、全3回とも自費になった場合は合計約5~6万円かかります。
HPVワクチンは男性も接種したほうがよい
日本においては、HPVワクチンは女性が打つもの、というイメージが強いと思います。HPVは、子宮頸がんだけでなく、咽頭(のど)、外陰部、膣、陰茎、肛門にできるがんの原因となることが知られています。
オーストラリアでは88%、アメリカでは64%の男性がHPVワクチンを接種しているという調査結果もあります。日本では接種費用の公費負担(補助)を受けられるのはまだ女性だけですが、今後は変わっていく可能性もあると思います。
クラウドファンディングの支援募集は11月30日まで
以前から関心を持ってHPVワクチン関連のニュースなどを読んだり聞いたりしていましたが、あらためて調べてみると知らないこともたくさんありました。
他にも詳しく知らない方がたくさんいらっしゃると思います。多くの人に、HPVに関する正しい情報が届きますように。
「がん」を予防するワクチンをみんなの当たり前に!プロジェクトの支援募集は11月30日までです。すでにファーストゴールは達成していますが、次のセカンドゴール、そして、ファイナルゴールまで達成できるといいですね。(関係者ではありません)