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プリンセス・クルセイド

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王子の結婚相手を決めるため、少女たちは剣を取る。剣と魔術で闘うファンタジーです。
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2018年7月の記事一覧

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 3

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 3

 エアリッタの郊外には、大きな古びた屋敷がある。その屋敷の扉の前で、アンバーは嘆息するように呟いた。

「……まさか、またここに来ることになるなんて」

「まったくですわ。人生、一寸先は闇ですわね」

 隣に立つイキシアが、彼女に同意する。二人がこの屋敷を見るのは、今回が初めてではない。だが、前回の訪問は夜中のことで、こうして城の外観をじっくりと見たのはお互いにこれが初めてだった。

「……それで

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 2

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 2

 エアリッタ城にも地下牢はある。実際に囚人が拘留されていることは滅多にないのだが、今はある牢に女性が二人入っていた。その牢で、一人の女性が、仰向けになって天井を見ながら、相方に向かって話しかける。

「なぁなぁ、シトリン。今日のご飯は美味しかったなぁ」

「何言ってんだ、ラリア! クソまずかっただろ!」

「えぇ~、私は好きな味だったけどなぁ」

「味なんかどうでもいい! どうせこんなのはあれだ。

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 1

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #2 【ヴァンパイアハンター】 1

 時刻にして朝9時頃、アンバーは遅い朝食としてイキシアと一緒にパンとスクランブルエッグを食べていた。場所は家のダイニングではなく、シンシアの(正確には彼女の父親の)食堂だ。

「でも、珍しいよね。アンバーが朝から来るなんて」

 朝の仕事に一区切りつけたシンシアが、アンバーの隣から話しかける。

「今日はちょっと……寝坊して」

 そう答えて、アンバーは大きな欠伸をした。

「それは余計に珍しいね

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プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #1 【鍛冶屋の娘と王子様】 5

プリンセス・クルセイド 第2部「ザ・ナイト・オブ・ヴァンパイア」 #1 【鍛冶屋の娘と王子様】 5

 夜遅く、穏やかに寝静まる街を見下ろしながら、アンバーは自室のベランダから月を眺めていた。満月が近いのか、月はもうかなり丸くなっていた。だが今の彼女に、そのような詫び錆びを考える余裕はない。

(王子様か……)

 ベランダの手すりに寄りかかりながら静かに目を閉じ、城での食事やダンスのことを思い出す。特にあのダンスだ。優しく、しかし決然とした足取りでアンバーを導く王子の姿は、国を背負って立つ人間の

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