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2018年3月の記事一覧
Take Me Out to The... 第38週
「あっ……いいえ」
咄嗟に出た答えに、透は慌てて付け足した。
「そもそも、こういうとこってそんなに来ないものだと思うけど……」
「やっぱりそうだよね? でもさ、なんて言うのかな……」
結城千尋は言葉を探しているようだった。その様子を見て、透は密かに胸を撫で下ろした。
つづく
Take Me Out to The... 第37週
(さて、ここからが勝負だ……)
透は思案を始めた。飲み物が到着するまでには、まだ幾分かの時間がある。今のうちに話しかけ、女神の興味を引いておくべきだ。幸い、駅で少し話しているので自然な流れでいける。先程の構想どおり、趣味の話を聞いてみるのがいいだろう。
「青山君はさ、こういうお店よく来るの?」
つづく
Take Me Out to The... 第36週
そこへ野中が号令をかける。
「じゃあ皆、まずは飲み物頼んでね。言っとくけど、お酒はダメだよ。まだ未成年なんだから」
「え~、ダメなのかよ~」
高梨がおどけてみせる。
(飲む気もないくせに……)
透が心の中でぼやいた以外は、高梨の発言が取り沙汰されることはなかった。そのまま何事もなく野中の呼んだ店員が現れ、透たちは各自に飲み物を注文した。
つづく
Take Me Out to The... 第35週
促されるまま、透は手近な席に腰をおろし、女神がその隣に座った。何かがおかしい。こういう感じになる予定じゃなかったはずだ。だが、女神の隣に座ることには成功したので、透はよしとした。彼は結果主義者なのだ。結果が良い時に限るが。
ふたりが座ったのを皮切りに、残りのメンバーも三々五々席に着いた。
つづく