『なんちゃってスイミング インストラクター編①』
毎度どうでもよいバカバカしいバイト話お付き合いいただき、誠にありがとうございます。
また、他の執筆進行や私事で少し間が空いたこと、お詫び申し上げます。
さて今回のバイト話はといいますと、スイミングスクールのインストラクターなんぞをやっていたりした話となります。
これは大学2年になってのこと。前回書いた学生服販売の仕事が、4月で一旦落ち着くので、その後ろの5月〜のお仕事です。当時住んでいた東武東上線の上福岡駅の2つ隣の駅、川越にある『川越スイミングスクール』でインストラクターとして働き出しました。インストラクターって、今までの話の中で水泳部とかだったりの話とかありましたっけ?ですよねぇ??学生時代やった部活はバスケ部やらラグビー部でしたねぇ、小学生時は野球もやってましたが。確かに泳ぐのは得意でしたし、小学生の頃は学校の代表で地域の大会に出たりもしてましたが、その程度のレベル。そんな素人がそんな簡単にできる仕事なの?って思いますよね。思いましたよオレも。でもね、やれちゃったんですよ。
やはり当時のバイト探しなので、FromAやら、アルバイトニュースあたりで見つけたんだと思います。先の学生服売場の仕事で、そこそこ金銭的な余裕もあったし、実際そちらの仕事と6月アタマまでは掛け持ち状態で働いていたので、そんなにガッツリ働かなくても大丈夫でした。では、このバイトなら、身体動かせるんじゃないかな、なんて考えの実益ありの趣味的な側面重視で探してましたね。
で、スイミングスクールって、
空き時間とか泳げるのかな?
面白そう。
資格とかあるのかな?
特になさそうだな。
とりあえず応募の電話してみよー。
という流れ。
電話してみましたら、特になんのこともなく普通に面接で、直ぐに採用決まったんですわ。特に泳ぎが上手かなどの確認もなかったんじゃないかな?
そんな状態で始まったスイミングスクールの仕事、始めに任されたのは、4-5歳くらいの子供たち。その中でも、泳げない子ども達のクラスでメインのコーチのサポート、子供の補助や監視などをやる仕事でした。
仕事スタートは3時頃からだったので、本分である大学の授業をちゃんと受けてからの出勤。と、できたはずなのですが・・・ホントにこの頃は大学に行っていなかったですねー。
週に3日ほど昼すぎから、2-3クラス、泳げない子たちのクラスを中心に、少し泳げるようになった子のクラスなども、もちろん全てサポートで受け持ってました。自分が泳ぐ事などはレッスン中にはほぼ無かった。隊形を広げるときなどの時にスィ〜っと少し水を搔くくらい、歩いても構わない程度。なるほど、泳げなくても水に恐怖がなければ問題ないわけで、面接で特に何も聞かれなかったわけだ。
まっそれでも、誰にアピールってわけでもないのですが、カッコつけたいお年頃なので、どれだけスィ〜って華麗にできるか?なんて、他のコーチの動きとかみて真似したりしてましたわ。今になってはトドみたいな体型になってしまっているので、どうあがいてもカッコいいにはならないのですがね、当時はそれなりに競泳用のスイムパンツが似合う体型ではあったので、若気の至りで許してやってください。
小学低学年、まだちゃんと泳げないくらいのレベルの子たちのクラス。まずは
・水の中で眼を開ける
・息を吸って潜って水中で息を吐く
・膝を抱えて“だるま”になって浮く
・“蹴伸び”
・バタ足
・ビート板
などを経てまずは、“クロール”が泳げるようになるまでのクラス。このあたりは、皆泳げるようになりたい。という意識が芽生えたうえで来ているので、上達の早い子はスグに上のクラスへ進級する。なかなか上手く体動かせない子たちは、ここで水泳が好きになるか嫌いになってしまうかが、決まってしまうところ。このくらいのクラスで泳げない子は、だいたい体に力が入りすぎてしまうのが殆ど。どうやって“水中”でもリラックスさせられるか?が、ポイントだったりするわけ。まぁサポートでペーペーのなんちゃってインストラクターには、それをどうこうするテクなんか持ち合わせてはいないので、メインのコーチの指示をこなすだけ。そうしながら、少しづつ子供らへの接し方や教え方を覚えていくようになってました。
それとは別世界な面白さだったのが、未就学の子どもたちのクラス。例えば3-4才クラスなんかは、プール横にある体操スペースで、テンション上げながらの準備体操。屈伸や上半身の動かすのを、お遊戯的な歌がついた体操で体を動かす。
『しゃがんで丸くなって〜〜種〜〜芽がでて茎が伸びて〜〜パーっとハナ花芽咲いて〜ほらっ花咲かせて〜〜』って最後は大手を広げてジャンプしてって感じ。もちろん子供らだけに演らせるのではなくて、コーチもしっかりやる。そしてサポートコーチのオレは、子供らのテンションに負けてはならない。←そう指示されたわけではないけど、なんかそうしてた。(笑)とにかく、楽しんでました。
その体操室からプールの所定の場所に移動となるのだが、他のクラスの練習も同時に行われているので、未就学のワンパク怪獣を野放しにさせられないわけで、隊列を組ませる。
「はーい、汽車ポッポになるよー」ってね。オレや他のサポートコーチが先頭で後ろ向きになって、先頭の子の両手をとる、その子の後ろに順に肩に手を付かせて並ばせて、列を作りながら移動。
「シュッシュッ」と声をかけながら、列を引く。
「ポッポー」と子どもたちが元気よく声を返しながら、列を崩さずついてくる。
シュッシュッでイチ・ニ
ボッポーでサン・シの歩調。
大きな声で、でも子供らがビビらないように優しく、満面の笑顔で。
そうやって「シュッシュッ・ボッポー」でクラスに割り当てられたプールサイドまで行って、ゆっくりと子供たちを水に入れる。これも先にサポートコーチのオレらが先にプールに入り、子どもたちを迎え入れる体制に。
子供は、大人の想像を超えるトリッキーな動きをするので、あってはならない事故を想定して気が抜けないわけ。
このくらいの歳のクラスだと、泳ぎが好きとか、やりたくてうまくなりたくて来ている子ばかりではなくて、親に連れられて無理矢理?連れてこられている子も少なくない。泣きじゃくリながらもプールに入る子もいれば、プールの縁に座って動けなくなる子もいる。そういう子たちには、サポートコーチの出番となる。メインのコーチは普通にクラスのスケジュールを進めなくてはならないので、嫌がる子たちには「とにかく水は怖くないよ〜」って教えていく。なだめすかして水に入れて、オレの体を力いっぱい掴んで離さない子、他の子たちがやっていることをやりたいけど、怖くて「コーチ、そばにいてね、離れないでね」と頑張ろうとする子。子供の心情もいろいろ。
ある時なんかは、泣きながらも頑張ろうとして、水に入っても泣き咽ていて、その勢いで水を飲んでしまい、そのまま逆流でもどしてしまう子がいた。来る前に牛乳飲んだのか?白いものが水面に漂いだして、ブール全体を観ていた監視のコーチが慌てて掬うオケ的なものを取りに走ったが、それよりもと、まず子供をプールサイドにあげ、両手で掬い出したことも。なかなか通常には無いシチュエーション。そういった事も含め、楽しい経験でした。
そんな風に、なかなか水に馴れない子たちのサポートが多かったので、そういった子たちに、とても懐かれたものでした。
そんな中に、ななえちゃんという子がいた。3-4才クラスでも一番小さかったこの子、基本的には顔の表情が全く変わらくて、やや気難しそうに見える子でした。他のイントラには心開かずだったらしいのですが、この子がいるクラスを初めて担当したときから、何故か傍にピタ〜っとくっついてきました。それからも気難しい顔から表情は変わらないけど、もう何をするにもオレの傍から離れない用になってしまい、プールに練習に来ているというより、オレと遊びに来ている。というくらいな感じでしたね。ある日、子供たちが帰るタイミングで、諸用でロビーに出たら、ななえちゃんがパタパタと寄ってきて脚にしがみついて来て、お母さんが申し訳無さげに「コーチに会いにここに来てるんだもんね」って、でも気難し顔のまんま。それがかえって可愛かったりもしたなぁ。
では今回はこのへんで、
次回『なんちゃってスイミング インストラクター編② からの・・・』
と“含み”も持たせたりして。
お楽しみに。
アルバイト歴を晒せシリーズ
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