実はうちの会社、かわいい豆本も作っています。
豆本の世界
皆さんは豆本をご存知でしょうか?
豆本というのは、皆さんが普段読まれている本よりもとても小さいサイズの本で日本豆本協会様のホームページによると、「本の長辺が3インチ(76ミリ)以内のものを指すことが多い」そうです。
同じく日本豆本協会さんのHPで豆本の歴史を読んでみると、一番古い豆本は古代メソポタミア文明の粘土板だったそうで、現在のような愛玩物というよりは、分厚い本を遠くまで持って行くためにミニマムにしたものだったそうです。現代で言えば、非常に分厚いロシア文学の全集を電子書籍にしてkindleの中に居れて持ち歩くのと同じ感覚ですかね。日本では、奈良時代に作られた『百万塔陀羅尼』というものが最古のもので、100万作られ、小さな塔に収められて全国10の寺に奉納されたそうです。現在で言えば、データを圧縮したり、限られたユーザーとGoogleドライブなどで共有する間隔ですかね。
さてさて、そんな豆本ですが、現代でも御愛好者の方が多く、豆本専門の本屋さんもあります。2023年10月に新潮社さんがリリースした新潮社文庫の豆本版のガチャガチャは、1回500円にも関わらず多くの方が購入されたそうです。
豆本ガチャとしてリリースされた太宰治の「斜陽」を例にしてみると、著作権が既に切れているので、「青空文庫」など著作権切れの作品を閲覧できるサイトを利用すれば無料で読めます。更に、新潮文庫を購入しても電子版が363円、文庫本でも374円です。つまり、500円払うよりもずっと安いわけです( しかも、ガチャガチャにはここにランダム性が付随してきます )。
それでも、豆本を買うのは何故でしょう?
そこには、ものをミニマムにした時に生まれるギャップによる可愛さや愛おしさ、またコレクション魂をくすぐる何かがあるのかもしれません。こればかりは、きっと理由は十人十色なので、結論は出すことは難しいです。しかし、今日もどこかで誰かが、豆本を買ったり飾ったり、時には読んだりしていることは確かです。
小説「おっこちきる」を豆本にしてみると
実は、広文社印刷でも、豆本を作ることが出来ます。
今日は、小説「おっこちきる」の豆本版試作品を例にとって、ご紹介したいと思います。こちらはあくまで試作品なので、販売などに関しては今のところ未定です。それでは見ていきましょう。
① まずは、もともとの小説「おっこちきる」の印刷用データを豆本サイズに変換して打ち出します。
② 次にそれぞれの紙をページサイズに裁断していくのですが、何分小さいので、糊付けして止める時のスペースをきちんと確保することが重要になるそうです。小説を綴じて作るのとは、またひと味違うわけですね。
③ そして、ページ同士の接着が完了したら、いよいよ、カバーを付けて行きます。
このカバーもなんと豆本オリジナルバージョン。横書きだったタイトルが縦書きに!
④ 中身は肉眼でも読めます。ただ、虫眼鏡があった方が読みやすいかも知れません。
⑤ 読むだけではなく、お部屋やデスクの上のインテリアにも最適です。
⑥ 更に、今回試作品として、本体の表紙が全く違うバージョンも製作してもらいました。表はカバーと同じ画像なんですが、なにやら怪しい赤い靄のようなものが混じっているのにお気づきでしょうか? そして、裏面はもう大変なことに!!
これも豆本ならではの遊びの要素ですね。
⑦ 通常の「おっこちきる」と並べてみるとこんな感じです。
豆本だから出来ること
テキストは電子データ化した方が、持ち運び易いですし、劣化もしないので便利です。しかし、並べて飾ることが出来たり、手触りを楽しんだりできるのは、本の醍醐味だと思います。それが小さくなると、飾る場所や配置する場所も変わってくるでしょうし、どなたかに贈る時も数や用途も変わってくるかもしれません。
広文社印刷では、本の製本はもちろん、あなたが作った文章やイラストの豆本化の依頼をお待ちしております。
幼稚園や保育園、小学校のクラスで製作したイラストや文章の豆本。
ガチャガチャの景品としての豆本。
アーティストの方とコラボした限定品の豆本。
自社のプロモーション品としての豆本。
観光地のお土産品としての豆本。
思い付くだけでも用途は様々です。
ぜひ、あなたも豆本を作ってみませんか?
※ 普通のサイズはAmazonで売っているので、未読の方は是非。