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資格いおっさん24 化学物質管理者講習(製造事業場向け)
資格の講習を受講してきたので、記録します。
化学物質管理者講習(製造事業場向け)
受講日 令和 6 年4月23日~24日 受講地 埼玉労働基準協会連合会(北浦和)
①講習時間
2日間(学科2日)
②勉強量
テキストの読み合わせと効果テスト
最後に修了考査
③下知識
工学部卒、酸硫技能講習他関連講習2つ取得済み、高校時化学履修、毒劇物取扱責任者取得済み、同資格にかかる業務として薬品管理と安全衛生の業務経験あり
④講習の印象(というか内容)
無理なく受講はできるが、保護具や有害危険物質に対する知識、それらを安全に取り扱ってきた実務経験が多少はないと、置いてけぼりになるかもしれない。化学屋さんの専門講習というよりは、やはり労働安全衛生に係る管理業務の講習としての色合いが強い。
薬品類の製造事業者辺りであれば、現場関係者の、特にリーダー格に必要な知識全般は詰まっているように感じられた。
⑤手応え
修了考査などはないので、正直流して聞いていても資格証自体は取れてしまうように思う。だが、述べたように下知識や経験がなければ理解が追いつかない部分もあるので、5年選手ぐらいの化学物質担当者など、それなりの人物に受講させた方がいい。
⑥内容と資格の意義など
法規において、化学物質管理者が必要になった背景とその設置、化学物質管理者がこれからやるべき業務(書類関係)をしっかり体系的に学習した。
また、SDSを使ったリスクアセスメントについてが、技術面における内容の大筋であった。
取り扱い事業者向けは1日で終了するが、製造事業者向けの講習は2日と拘束時間も長い。やることはどちらも同じで、内容が深いか細かいかの違いであると聞いているが、取り扱い事業者向けの方は、資格という意味では明文化が緩い表現だったので、やっぱり製造事業者向けをきちんと受講しておくと間違いがない。
SDSとは(Safety Data Sheet:安全データシート)のことであり、毒劇物取扱者やその関係者なら知っていると思うが、有害危険物質の性質を記した紙面のことである。生体への影響等の性質や取り扱い方法などが詳細に記載されており、ユーザーに販売する際には通知が義務付けられている(紙面と言ったが、メールで電子データでも、義務違反ではなかったと思う)。
かくもそのSDSを使って、リスクアセスメント、即ちリスク評価を化学物質管理者が行って、リスク低減策を練り、教育を実施すると共に、記録を書類にて職場に作成保管することが同資格者の業務となる。
令和6年4月1日から、大改訂をした新しい労働安全衛生法の改正法の大半が施行となり、本資格もそれに伴うものである(という話だったと思う、又聞きなので大雑把な話だが)。
化学物質の製造事業者には既に周知されていて、4月以前に大半の担当者が受講しているものと思われるが、取り扱い事業者については、まだまだ積極的に展開がなされていないように思う。しかし、取り扱い事業者でも確実に受講をおすすめしたい。
確かに、取り扱い事業者の場合は、別の資格や経験で担当者の設置自体は事足り、普段から教育訓練をして記録が残っていればそれで十分代用できるが、制度自体を把握するとしたら、本講習の、しかも上級に相当する製造事業者向け講習を受けないと見えてこないものがあると思う。
⑦ その他
危険物であれば、主に爆発や燃焼。有害物であれば、主に障害や疾病。どちらも言葉で言うと軽いのだが「あってはならない事」である。
色々な資格や講習があるのだが、義務だから受講すると言うよりも、意識を高めたり、最新の知見を吸収する意味で、定期的に何かしらを受けたらいいように思う。
細かい講習1つ1つには侮れない内容が含まれている。今回も学習したリスクアセスメント手法も、受講しなければなかなか拾えない、リスク評価にかかるデータや、有害危険物質のSDSの簡単な取得活用方法を知る機会となった。