見出し画像

彷徨うおっさん151 おっさん達をイライラさせる若手の言葉と態度(後編) 大事なのは本能の把握とマナーの定義

 前回は、最近おっさんが若い人からかけられた言葉と態度のうち、
「そ~!ですねぇ~…」
「なるほど~、はいはいはいはい、了解です、とにかく頷く」
 について、思う所を述べた。

 最終回の今回は、距離・トーン・テンションの他、現状どうやってこの手のお作法を定義して伝え、人間関係を円滑にしていったらよいか、ひとまずのおっさんの結論を述べて締めくくる。

<距離、トーン、テンション>


 会話する時には相手と距離を取って欲しい。時々いるのだが、デスクに座っていると、本当にすぐ真横、肩がぶつかる位置に立って話しかけてくる人が居る。本当に不快になる。

 生き物はパーソナルスペースを持っている。いきなりその中に踏み込まれると、本能的に拒絶感を覚えるものだ。家族や恋人、かなり親しい友人であるならばパーソナルスペースでも大丈夫ではあるものの、それ以外の人とは基本、意識しないとならないだろう。

 例えば、最近入って来た新人が、上記の寄り方をしてきたのだが、上司や先輩に書類を渡して話を聞いてもらう時は、両手で書類を持ってやや手を伸ばし、上司・先輩がその書類の端を片手でつかめる程度の距離が丁度いい。

 詳しく指差しなどで説明が必要な時はちょっと遠慮気味に近づくことがあっても、基本は終始その距離を維持して会話が好ましいだろう。

 トーンも低めが良い。女の人の金切り声も鬱陶しいが、声が高めの男も鬱陶しい。しかも大抵男の方が声量が勝るので、高い声になりがちな人は気を付けた方が良いと思う。
 高い声は警戒音なのだ。ヒトにとって安心感のある声は低い声になる。ビジネスの会話で、真横で怒涛のようにピーチクパーチクピーチクパーチクやられたのではたまらない。

 テンションも大事だ。ビジネスでは興奮している素振りは一切見せない方が妥当だ。これは怒る方向での興奮は当然として、喜んだり、笑ったり、動揺したりと全てで同じである。

 例えば大して面白くないのに「プッ!」と噴き出してのけぞったり、真面目に業務の話をしているのに、そこに出てくる単語や、やや極端な表現にいちいち反応して笑ったり騒いだりするのも不快だ。

 どう思うかは自由で止められないにしても、普段からそうしたテンションを抑えようともしないと、本音が駄々洩れで鬱陶しい。しばしば失礼にすらなる。
 興奮すると声のトーンも高くなり、以後の距離感も誤りやすい。これら3つを同時に列挙したのはそのためで、これらは相互に作用している要素である。

 ゆっくりと低めの声で、落ち着いて話をする。単語数は少なく簡潔に。距離に気を付けて。大事なことだが、案外できていない若い人が近年多いように思う。

<もう何から指摘したらいいか、というか放置になっている>

 述べてきたが、この手の言葉遣いや態度については、おっさんも含めて誰も指導しなくなっているように思う。家庭や学校も機能不全で、個性と共に染みついてしまった癖でもあるし、故にそれをまっすぐ、全部本人の落ち度や未熟のように言うと、昨今では本人の面目が完全に潰れてしまう時代でもある。


 マナー講師が批判されているように、本来はあまり正解のないことでもある。カッチリしているからと言って、慇懃無礼だとか、ロボットみたいだとか、印象が悪くなる可能性もある。

 結果、大人も答えが示せず、若い人の不作法を放置している。

 放置しているからこそ、なんとかnoteを通じて啓発(もとい愚痴)をと考えてしまうわけだが、もう何が正解か分からない、やりづらい時代である。

<それでも言葉や態度で人とうまく接するのは重要である>


 分からないから放置、というわけにもいかないと思うので、せめて意見表明できるこの場で、何が不快なポイントなのかまとめたいと思う。

① 芝居がかっている
② 大きすぎる音、高すぎる音、フレーズや文字数の過多
③ 余分な感情の発露
④ 子供っぽい(友達感覚の会話含む)
⑤ 纏わりつく印象がある(なぜか同意を求めてきたり、単語が重い)

 これらに該当してしまう言葉や態度がNGなのだとおっさんは思う。

 だが、それを伝えるとなると、表面上の言葉だけでは賛否両論であり決着がつかない。言葉は変遷するものでもあるので、昔は上から下への言葉だったけど、今はフラットに使っている事実などがある。
 学校で習った漢字の読み方だって、10年経てば案外変わってしまう。加えて今は、人付き合いの在り方そのものも、ある意味正解がまったく見えず、常に議論される時代でもある。

 本項自体も、筆を執ると、まとまりを書くような方向にいつのまにか走ってしまうのだが、それもまた現代特有のマナー問題であるという証左であると思う。

 かくも、おっさんの私見を一言で言えば、突き詰めれば、ビジネスで過剰な感情が感じられる、或いは乗ってくる表現が良くないのではないだろうか。

 そして、状況は複雑になっているので、表面上の良し悪しでは永久に解決しない課題ではないのかと結論付けるところである。

いいなと思ったら応援しよう!