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彷徨うおっさん102 松井一郎氏の斎藤元彦氏擁護に見る 政治実績の違和感(4/4)
前回までの3回は、松井一郎氏が、話題の兵庫県知事、斎藤元彦氏を擁護するかのような私見を述べたことに対して、おっさんが、おかしいなと思う所を述べた。
最終回の今回は、おっさんにとっての本丸の発言、「公務員スキルは高い」という擁護の意見を正面から切り捨てたい。
<公務員として優秀な政治家など要らない>
最後に、斎藤氏は公務員(※以下特別職公務員とは分けて、一般職公務員を指すこととする)スキルが高いと松井氏は擁護するのだが。。。
意味不明である。公務員として優秀な政治家など要らぬ。
おっさんは、公務員に求められる資質について、以前も記事にしたことがある。
完全に揶揄のつもりで書いたが、この特徴を見ても、公務員として優秀な人に、政治家になって欲しいと誰が思うのだろうか?
維新の松井氏は、とにかく斎藤氏や維新の会、そして過去の自分の判断の積み重ねを擁護したいだけで、適当に言った可能性もあるかもしれない。だが、やはり公務員の鏡みたいな政治家などおっさんは欲しいと思わない。
<公務員マインドを持つ政治家の弊害>
また、パワハラ上司のタイプにクラッシャー上司という人間がいる。一面有能で、例えば公務員ならば事務処理速度が速くてミスが無く、感情的な場面でも、冷静に対処して、仕事も淡々とこなす上司という人物になるだろうか。
斎藤元彦氏がそんな優秀な公務員であるならば、尚更、苛烈なクラッシャー上司となったに違いないとおっさんは思ってしまう。
我慢して当然、すぐに対応して当然、緊急対応して当然、そんなの俺ならミスなく全部出来ちゃうという具合に部下に無理強いして。。。
総務省時代の仕事ぶりが影響しているといった考察記事も見られるが、そういう面でも完全に同意するところである。
さらに踏み込むならば、総務省の元公務員として有能だったとされるモノサシで、地方の公務員を無闇矢鱈に無能扱いしたクラッシャー上司であり、かつ、知事という最高権力者で、歯止めが効かなかったという、最悪なパターンではなかっただろうか(推察であるが)。
こうした考察を、おっさん(著者)ならともかく、それなりの識者までが語り出す中「公務員スキルは高い」だから、首長としても評価に値するという考えは果たしてどうだろうか。。。?
むしろ、ベタベタに公務員体質が強すぎる人は、政治家などにはなってはいけないと考えを改めるべきだろう。
<公務員は自ら手足になる職業、頭とは違う>
公務員は公務員なのだ、何処まで行っても命令に従って、有権者の信任を受けた政治家の、あくまで手足となって働く職業である。そういう役割であるし、だからある意味、回る世間も、立つ瀬もある。
でもそこにあえて疑問を感じて、何かを変えたいと思うから政治家になるのだろう。公務員マインドのまま政治家をやる人間はどうかしている。
公務員マインドでは「緊縮財政(誤った金銭感覚)」「前任者批判(恰好のパフォーマンス)」という前例踏襲をして革新派を装うのが精一杯になると思う。元々が手足であり、自分なりの考えを殺す生き方なのだから。。。
故にビジョンに乏しく、本質的に革新的なことはやらない(できない)。一方で、ルールを笠に着て表面上のお行儀だけが良く、委託業者や部下には厳しい。我慢した分、パワハラクラッシャー上司の内弁慶野郎にもなりがちだ。
まさしく告発されてきた内容や、彼の政治への評価と一致すると思うが、これがプロ公務員の仕業でないとして誰の仕業だろうか。
そんな公務員の仕事のやり方に、なにか疑問を持てないのであれば、政治家などやるなとおっさんは思いたい。
おっさんは公務員そのものを批判するのではなく、公務員は公務員として、それでも政治家の手足としてルール通りやるのが大事な役割だと思っている。
だが、頭は違う。手足は頭にはなり得ない。
そして頭を選ぶのは有権者だ。だからいい頭を有権者が選べば、公務員も有権者に報いる動きができるようになる。健全な民主政治における行政とはこうでなくてはならないだろう。
<元公務員だって良い政治家になれる筈、だが課長補佐のままでは。。。>
また、元公務員の政治家を全部批判するものでもない。元公務員だからこそ、政治家になって、首長になって、手足の気持ちがよくわかる、良い政治家になることだってある。
だがそれも、手足を脱してよい頭になれたからこそである。手足のままではダメだ。
今回の斎藤元彦氏について、誰かが何かの記事で「課長補佐レベルの人間が知事になった」と評していたが、おっさんも同感である。
ビジョンも何もない、真正の公務員の鏡というべき男で、例えるならまさに、出世欲だけは強く、係長兼課長補佐あたりの、妙にルールに厳しくて部下を詰め、上には気に入られ、権限がある分自分には甘い。
そんな嫌な上司と完全に印象がかぶる。人望は別として、課長補佐としては極めて有能な部類の公務員だ。
その程度の印象なのだから、松井氏の「公務員スキルは高い」という言葉は、おっさんには「人の上に立てる器ではない」という評価に聞こえてしまう。
「彼はトップに向かないダメな政治家です」と、自ら擁護者が主張しているように感じてしまう。おっさんは今回の松井氏の発言について、最も違和感を覚えたのはそこである。
故に記事にすることにしたわけだが、
かくも、斎藤元彦氏も、擁護者も、世間ズレ、部下となる公務員との感覚のズレが大きすぎるのではなかろうか。
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