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この親指は私の長所

はじめに

私の左手の親指は第一関節が伸びない。手術痕もある。
どうしてこんな親指になってしまったのか、両親に何度も聞いたが、自分でもすぐに忘れてしまうくらい重大ではない問題だったんだろう。

左手

ずっと気づかなかった

私はこの親指の異常に小学校4年生まで気づいていなかった。
みんな自分と同じように左手と右手の親指の形が違って、関節が曲がらないものだと思っていた。
気づいたきっかけは友人に跳び箱を教えてもらっていた休み時間だった。
「指をピーンと伸ばして!」「力を入れて手を突くの」というアドバイスを受けて私はこれでもかと力を入れて見せた。
「なんで力抜くの!親指曲がってんじゃん!」とツッコまれた。
「右手はちゃんと伸びてるじゃん!」という言葉でやっと気づいた。
そうか、普通の人は親指がちゃんと両方伸びるのか。
この時までこの手術痕にも奇形にも気づかなかったのが恐ろしい。

正面から見ると短く見えてしまう

困ること

まず見栄えが悪い。手術痕がグロいとか言われる。その通り。
右手でカメラを構えて左手でものを持って自撮りをすると、どうしてもこの手術痕を見せつけた写真になってしまう。
見栄えに関すること以外だと、スマホの指紋認証が左手で使えないこと。
どこでやっても認証登録できない。結構不便。

この親指は私の長所

今ではこの親指を「欠点」とか「短所」だとは思っていない。
この突き出た左手を生かしていろんなメリットを生み出している。
キーボードでホームポジションに手を置くとみんな親指がスペースキーの上に来るだろう。私はここでわざわざ親指を動かさなくてもいい。左手をひねるだけでスペースキーを押すことができる。
ペットボトルの蓋を開け締めする時も役に立つ。形状が最適化されている。
意外と奇形も実生活に役に立つ。自分の体で1つ雑談ネタができることが一番のメリットかもしれない。
これからもこのグロい親指を「便利ツール」にしていきたい。

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