『宇宙』と『侵略者』はウルトラシリーズの架け橋だった?
前回の記事ではウルトラマンの最終話が、ウルトラセブンと大きく繋がりがあることをお話ししました。
実の所、『ウルトラマン』→『ウルトラセブン』に限らず、第一期ウルトラシリーズでは『宇宙』『侵略者』という要素はシリーズ同士を繋ぐ重要な要素であったと言えます。
その原点こそ、一番最初の『ウルトラQ』にありました。
ウルトラQの最終話については少々特殊であり、明確な最終話というものがありません。何しろ最初に放送された時は全28話中、27話の『206便消滅す』までしか放送されませんでした。
再放送時にお蔵入りしたエピソード『あけてくれ!』がようやくお披露目になり、現在ではこれが28話、すなわち最終話扱いになっています。
ですが、もう一つの最終話が第16話の『ガラモンの逆襲』と言われています。このエピソードは13話で初登場した怪獣・ガラモンが再登場するもので、さらに黒幕の宇宙人・チルソニア遊星人ことセミ人間まで一緒に登場します。
放送順こそ16話ですがシナリオ台本の順番としては28番目とされており、実は次回作のウルトラマンに繋がるような要素があります。
この話ではガラモンを撃退した後、宇宙人の円盤が仲間のセミ人間を処刑して地球を去っていくエンディングで締められます。
しかし、「地球はまだ狙われていて、いつかまた現れるだろう」と不安を煽るようなものになっており、「宇宙からの脅威は去っていない」ことを暗示させていました。
実際にウルトラマンの第1話では宇宙からやってきた逃亡者・ベムラーをウルトラマンが追って来た、という展開で物語とシリーズが開始されています。
また、続く第2話「侵略者を撃て」も同様に宇宙人のバルタン星人が登場しています。制作順としても一番最初に作られたこともあり、雰囲気もウルトラQのテイストをそのまま引き継いだものとなっています。
シリーズの始まりは、どちらも宇宙に強く関連するものとなっていたのは、やはり『さらなる強敵は未知の宇宙からやってくる』という緊張感や期待感を見せようとしていたのかもしれません。
有名な話ですが、ウルトラマンのバルタン星人はセミ人間の改造もしくは同じ型で作られたとされています。
これもやはり、ウルトラQの真のラストはセミ人間との戦いで、それがバルタン星人との戦いに繋がっていく……というのを意識していたようにも感じられます。
ウルトラマンが宇宙人である以上、宇宙が関連するのはある意味当然のことではありますが、『Q』『マン』『セブン』と3作共に作品同士の架け橋を作ったのは『宇宙からの侵略者と脅威』であったことは感慨深いものです。