「うるせぇ!」と言う息子(自閉症児)に我慢ができない
我が家の自閉っ子である息子(6)。
正式(?)には、『自閉スペクトラム症』『自閉症スペクトラム』(どちらも書籍等で目にしたことがある気がする)という自閉症児である。
息子の特徴
「自閉症」と一口に言っても、おそらく同じ症状の子はいないほど、さまざまな症状が見られる。
息子の場合は、主に以下の特徴がある。
【苦手なこと】
・字は書けない
・模写苦手
・集団行動無理
・先を見通せない(=場面の切り替え)
・「注意(指摘)」に激昂する
【まぁまぁできる】
・コミュニケーション
・運動機能
・ひらがな、カタカナは読める
一見すると、「健常児」にも見える息子。
保育園の保護者に話すと、大抵は驚かれる(まぁ「ですよねぇ」とは言えないから、驚くしかないんだけど…)。
息子への対処法
「先の見通しが立てられない」
という特性があるため、あらかじめ予定を伝えるようにしている。
たとえば、その日は出かける予定があったとして、家を出るまでに時間があるため積み木で遊んでいた。そこでいきなり「もう出るから支度して~」などと言おうものなら大暴れである。
「あと5分で出るよ」もNGである(時間の感覚ない)。
どうするかと言うと、前日寝るまでに、
「明日は○○へ遊びに行くよ」
と伝えて寝る。
そして、朝起きてご飯を食べている最中に、
「時計の針が○(6とか9とか)になったら家を出るよ」
と伝える。
特に「時計の針作戦」はとても重要で、これをやらないと必ずバトルが勃発する。
逆にこれをやるだけで、息子は時計(の数字)を気にしながら時間を潰す。
この対応も、家を出る時だけで良ければ何ら負担にはならないが、行動の切り替えポイントでは必ず挟み込まないといけない。
・遊び→夕飯
・遊び→就寝
・テレビ→風呂
・公園→帰宅
今でこそ慣れもあり、ある程度自然にやれてはいるが、逆に自然になってきたことで、一つ問題が出てきた。
「健常児」と思ってしまう時がある
「時計の針作戦」のおかけで、苦手としていた「場面の切り替え」はずいぶんスムーズになり、これまで幾度となく衝突していた場面が、ほぼなくなった。
そのため、無意識のうちに、
「普通の子だな」
と思ってしまうときがある。
特に、僕や妻と一対一で遊んでいるときは機嫌が良い(大人にかまってもらうことが大好きな息子)ため、つい急な注意や指摘をしてしまう。
「トランプ折らないで」からの・・・
先日、トランプの神経衰弱をやっていた時のこと(知能検査で、「IQ83・ワーキングメモリ低い」と診断されたが、なぜか神経衰弱は得意な息子)。
この日も楽しくトランプをめくっていたが、息子の癖なのか、良くトランプを折り曲げてしまう。
「みんなが使うから折らないでね」
全然きつく言ってないし、急とは言え事前に伝えられるコメントではないため、どうしてもこのタイミングになる(折り曲げないことも多々あり、なかなか「今日はトランプ折り曲げないでね」と伝えにくい)。
「うるせぇ!」
この一言が許せない僕と妻は、この日も、楽しいトランプタイムは終了してしまった。
いつもいつも、何でこーなっちゃうのかな…
この日の神経衰弱は、息子と妻が一対一でやっていた。20分くらい経って、息子が僕のところにやってきたので、
「どうした?」
と聞くと、
「ママがトランプ投げたから嫌」
とのこと。
妻が意味もなくトランプを投げることはしないので、
「また息子が何か言ったかやったな」
妻のもとへ行くと、妻もトランプから離れており、周囲にトランプが散乱していた。
投げたことは事実だろうが、その理由は何か?
残っていたトランプで神経衰弱の続きをやり(この時も、「この一回だけやったら歯磨いて寝るよ?」と念押し。見通しを立たせるための誘導である)、どうしてママがトランプを投げたのか聞いてみた。
息子の言うことは的を射ないため、少しずつ話を妻にもっていく。
理由は前述のとおりで、トランプを折り曲げる息子を注意したところ、
「うるせぇ!」
の一言が飛び出し、妻はプッチン。
トランプを放り投げ終了のゴングが鳴ったようである。
「どーして、こうなっちゃうんだろう…」
我慢すべきこと、か?
「まだ6歳だし我慢してあげれば?」
「そんなん受け流せば?」
「自閉症児なんだから…」
毎回こういう思いを抱きながらキレている我が夫婦である。
自閉症児としては珍しく、一人遊びができない息子は、常に誰かが隣にいないと時間を潰せない、ちょっと変わった一面を持っている。
日中、妻と代わる代わる息子の相手をし、合間に家事や料理、そして2歳の妹の対応をしていると、夕方にはメンタルがボロボロになっている(体力もボロボロだが、メンタルの消費具合が半端じゃない!)
そんな中、
「寝る前に楽しく遊んで、気持ち良く布団に入ろー!」
という最後の大仕事(?)において、
「うるせぇ!」
と言われるこの切なさ…
「結局これなのか…」
とやりきれない思いになる。
打つ手なし…?
今のところ、どの本を読んでも、どのGoogle先生に聞いても、病院や保育園に相談しても、解決策が見当たらない。
自閉症の特性からして、息子の「うるせぇ!」がなくなることはないだろうと考えると、その言葉を言わせないようにするしかない。
しかし、生活の上で一切注意をしない、というのはなかなかできないことである(まるっきり会話が成り立たないケースであれば、アプローチが異なるのかもしれない。しかし、こちらの注意が届いてしまうことが、息子の対処の難しいところである)。
何度も何度も何度も…
「注意されたら『わかった』だよ?」
と言い続けている。
「わかった」
と言う息子。
これをもう100万回繰り返したが、
「おっけー!じゃあ、歯磨いて寝ようか」
「うるせぇ!」
「父ちゃん嫌い!」
・・・
どーすりゃいいのよ…
解決策を見つけたらノーベル平和賞取れるのではないか。
日々、神経をすり減らし(リアル神経衰弱…)、それでも前を向いて生きている我が家である。
何か解決策が見つかったら、真っ先にnoteに投稿することを約束します!!