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クランボルツさんの計画的偶発性理論
「計画的偶発性理論」
この言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この理論は、J.D.クランボルツという、アメリカのキャリアカウンセリング理論の先駆者として知られる教授が提唱したものです。
なので、「クランボルツ理論」と言われたりもします。
この理論は一言で「キャリアはだいたい予想しない偶然と柔軟な変化によって決定されるもの」と言えます。
どういうことか?
あなたが社会人であれば、思い出してください。
子どもの時に考えていたなりたいものにあなたはなっているでしょうか?
小学1年生の時は野球選手になりたいと言っていて、
小学校6年生の卒業文集にはサッカー選手になりたいと書いて、
中学生の時は銀行員になりたくて、
高校生の時は料理人になりたいなど言っていなかったでしょうか?
そうなんです。
夢や目標はどんどん変わっていくものなんです。
それはいわゆる社会人になっても同じです。
1冊の本に感銘を受けて、仕事を変えたり、逆に仕事を極めたり。
ある人との出会い、勧めから仕事を変えたり。
変化と偶然によって僕たちの働き方・生き方は決定されているといえます。
クランボルツは、そこでこう言います。
「夢にこだわるな!夢はいつでもみつかる!」
「夢は続けていれば結構叶う!」
「夢を消化して、ダメなら次にいこう!」
僕たちは幼い時には「夢はなんだ?夢をもとう!きみは何にだってなれる!」と言われて育つ。
でも、ある時から、「夢なんて持ってもねぇ。」と、自分がなれそうなものの中から、手近なものの中から、生き方・働き方を考えようとしてしまう。
そんな時にクランボルツは、生き方の処方箋までくれている。
①好奇心 新しいことに興味関心を持つ
②持続性 納得いくまでやってみる
③柔軟性 他人の意見や新たな視点を受け入れる
④楽観性 多少の不安や不満を受け流す
⑤冒険心 新たな領域に踏み出す
好奇心→冒険→楽観→持続→柔軟
このサイクルで生きていくと、案外楽しかったりするという処方箋を。
計画的偶発性理論というフィルターを通して考えると、
スティーブジョブズの「コネクティングザドッツのスピーチ」しかり、
「全ては導かれている」のような若干スピリチュアルな引き寄せの法則も、
なるほど、そういうことかと思えてきたりする。
その時は一見遠回りに思えた出来事が、案外次の夢の伏線だったり、
これは終わった、という苦い出来事が夢の布石だったりするもんです。
好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心を大切に生きていきたいものです。
参考文献:
(『その幸運は偶然ではないんです!』(ダイヤモン嗣生)J.D.クランボルツ他)
(『クランボルツに学ぶ 夢のあきらめ方』(星海社)海老原嗣生)