ページをめくればモリーオの
『コーヒーを、もう一杯』という本がある。
購入してしばらく積んでいた。
手元にあるのが第二刷、発行は二〇二三年の二月末とあるので、おそらく半年近くは積読の城――山を越えてもはや城――に鎮座していたことになる。
本は読まれるためにある。だからあまりに長い期間積まれたままでいると、不服に思うものが出てくるのは当然だ(本に感情があるのは昔から有名な話)。
大方の本は穏やかな性格をしているから辛抱強く待ってくれるのだが、なかにはかなり強引な手段でこちらを呼ぶこともある。
たとえばたまたま聴いた、しかも半年以上前に配信されたポッドキャストを使って。
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小説を書くということ、普段の執筆の記録、日頃出会う物事へと湧く言葉、そういうものをお届けします。バズることも嘘も書きません。肩の力を抜いて、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
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小説家・此瀬 朔真によるよしなしごと。創作とか日常とか、派手ではないけれど嘘もない、正直な話。流行に乗ることは必要ではなく、大事なのは誠実…