【張力と速度】老化にも関わる衰えやすい機能【瞬発力】
今回のメインテーマ(キーワード)は
・張力
・弾性力
・速度
・瞬発力
あたりになりますかね
動画もそこそこの長さになってますが
正直それでもまだまだ話すことがあります
逆に言えばまだまだ不十分
というわけでこっちでも補足的な事を
(それでもまだ不十分なくらいです)
✅フェーズでやる事を変える
中高年以降になると
強度が高い運動を推奨される事は
あまりありません
特にプライオメトリックや
クイックリフトのようないわゆる
瞬発系のトレーニングは
ほぼオススメされる事は
ないんじゃないですかね
理由は危ないから
ケガをしない事が最優先
安全第一ってことですね
すごく大切なことだと思います
一方でスロートレーニングや
アイソメトリックのトレーニングは
推奨される事が多いです
理由は同じで比較的ケガをしにくくて
安全に筋力を高めることができるからですね
今更ですが
プライオメトリック??
アイソメトリック??
となる方もいるかと思いますが
言葉の説明は今回は省略させてもらいます
(長くなり過ぎそうなのでご了承をば)
『ケガをしないように安全に』
『トレーニング効果が得られるように』
中高年以降は特にこの2つを
上手く両立させてあげなくてはいけません
効果があるからといって強度が高い
トレーニングを採用するとケガのリスクは
一気に高まりますし
安全に安全にと低強度過ぎると
次は大した効果が得られない
こういう難しさがあるわけですね
だからかなり久々に運動する人や
トレーニングを始めたての人は
上記のスロートレーニングや
アイソメトリックでの力発揮ってのは
安全かつ効果も得られる良い方法だと思います
ただ…
こんなのがあります
これはアイソメトリックや
スロートレーニング
つまり比較的安全に筋力を高める事が
できるトレーニングを12週間行い
トレーニング前後での
【腱の伸長量】を比較したものです
トレーニング後の方にマーカーつけてますが
簡単に言うと
トレーニング後の方が
腱が硬くなって伸びにくく
なってしまった
ってことを表してます
これはつまり今回の動画で説明している
腱の弾性力を活用しづらくなっている
って事を表しています
一方で
プライオメトリックトレーニングを
12週間行った前後比較では
トレーニング後の方が
腱が伸びやすくなって
弾性力を活用しやすくなっています
腱の弾性、そしてそこから生まれる弾性力
これは加齢と共に低下するので
維持・向上を目指したいものです
そのためには
プライオメトリックなどの
いわゆる瞬発系のトレーニングは
とても有効です
ただ、リスクが伴います
とてもじゃないですが
トレーニング初心者に
いきなり採用するようなもんじゃない
なので安全なアイソメトリックや
スロートレーニングを採用するわけですが
これを長期間行うと
確かに筋力は高まりますが
腱が硬くなるっていう
デメリットが付いてくることになります
弾性力っていうのは
とても大切な力の要素です
今回の動画でも僕は
『老化っていうのは弾性力の低下だ!』
って言っているようなもんですから
極端に言えばアイソメトリックや
スロートレーニングをすれば
筋力は高まるけど老化(弾性力)は
改善してないしむしろ悪化を
してしまうことさえあるってことです
なのでトレーニング初期は
ケガをしないため、負荷にカラダを
適応させるためにアイソメトリックや
スロートレーニングをするのは
アリですし、その方がいいと思います
ただ、カラダが適応してきたら
次は腱の柔らかさ、弾性を
取り戻したり活かせるような
トレーニングへとフェーズを移行させて
行くことが大切です
動画ではポイントを押さえて
ラジオ体操をしてみるってのを
紹介していますが
こういうのを取り入れることで
スムーズにフェーズの移行も
していけるかなと思います
✅爆発的パワーは筋肉を伸ばすことではない
トレーニングにカラダが適応してきたら
安全には配慮して少しずつ
プライオメトリックのようなトレーニングも
採用していく事は大切だと思います
今回は残念ながら細かな種目は
紹介しませんが
(どこかのタイミングで中高年以降でも
実施できる種目を動画などで紹介すると思います)
その代わりに多くの人が誤解をしている
ことをお話ししておきます
・筋肉を伸ばした反動を利用して強い力を出す
・伸長反射を活用して爆発的筋力を発揮する
・筋肉のバネを使う
瞬発的な力を出す時の説明でこういう説明が
よくされたりしています
これは
完全に間違えているわけではないですが
おそらくほぼ間違えて(誤解して)います
例えば
走り幅跳びで踏み切って跳躍していく時の
画像になりますが
筋肉を引き伸ばした反動を力に変える
爆発的な筋力が必要そうなのは
①と②のどちらだと思いますか?
②と思う人も結構多いんじゃないかと
思います、これが誤解ですね
②の踏み切りの瞬間に
1番大きなエネルギーを
生み出さなくてはいけない事には違いないです
そして、だからこそその瞬間が
筋肉を引き伸ばした反動で跳躍するための
エネルギーを筋力で作り出している
と思ってしまいがちです
実は特に跳躍系でよく言われる事ですが
『踏み切りの瞬間は脚を棒のように硬くしろ』
ってな事が言われます
『筋力で思い切り地面を蹴れ』
とは言わないんですね
今回のテーマに沿わせると
脚を棒のように硬めることで作り出せる
『弾性力』を活かして跳べ
という表現に変える事ができます
つまりこの瞬間の筋肉がしている事は
弾性力を生み出すために脚を棒のように
硬くしてそれを維持すること
『収縮力』は出していますが実際に筋肉の
距離は『縮んで』短くなったりもしていません
仮に収縮して縮んだのなら
『関節運動』が起きます
棒のようにならずに曲がるってことですね
なので踏み切りの瞬間、②の局面では
筋肉は収縮力は出していても
長さはほぼ変化していないことになります
じゃあ爆発的な筋力あるいは瞬発力って
呼ばれる筋力はどの局面でどんな風に
使っているのか?
これはRFD(力の立ち上がり率)と
呼ばれるものです
縦軸が力で横軸が時間ですね
短い時間でどれだけ大きな力が
発揮できるのかっていう指標になります
この立ち上がり率は
トレーニングや個体差で差が出できますが
必ず共通するのは
静止状態からいきなり力maxを
発揮する事は不可能
ということです
つまり今この瞬間
(例であれば踏み切りの瞬間)
最大の力が欲しい!と思っても
それが静止状態ならばどれだけ
立ち上がり率が高い人でも
最大の力を出すことは不可能です
ただ、その踏み切る瞬間は
確実に存在しますし、そこで大きな力も
必要になってくるわけです
でもそこで力を入れ始めても
全然間に合わないわけですね
だから準備や工夫をするんです
1番力が欲しい瞬間に
1番力を出せる状態になっているように
それが予備伸長や逆動作と言われるものです
1番力が欲しいところでできるだけ大きな
力が出せるように
そのポイントの前に筋肉を
引き伸ばしながら力を出し始めていきます
こういう予備動作を入れることで
1番力が欲しいポイントの手前から
力を発揮し始めることができ
そのポイント到達時に大きな力が出せる
って思ってもらうといいですかね
これって技術・テクニックだと僕は
思っています
上手にタイミングや力の発揮の仕方を
ポイントに合わせなくてはいけませんから
それができれば大きな力が出せる
つまり爆発的なパワー・瞬発力が
あるという風に言われるわけです
ただ2度目になりますが
これは技術・テクニックの要素もかなり
強いのでそれを単純にパワーや力って言ってしまうのはちょっと疑問がありますね
正確には
1番力が欲しい瞬間に合わせて
力発揮が大きくなるように
タイミングを合わせられる技術力
って言う方が良さそうな気がします
一方で純粋な爆発的筋力や瞬発力っていうのは
完全に静止状態から
いかに立ち上がり率(RFD)が高く
力を発揮できるのかっていう方が
しっくりきます
0からできるだけ速く大きな力に
到達するための能力ですからね
言葉的にも合ってる気がします
なので技術的な方だと
1番力が必要とされる『前』に
いかに準備ができているのかが大切になってきて
純粋な瞬発力の方だと
RFD(力の立ち上げ率)を良くする
つまり『速度』を速くする事が
できるかどうかが大切になってきます
だからあまり安易に
筋肉を引き伸ばした反動で力を出す
っていう認識やイメージは
しない方がいいかなと思っています
おそらくこれは技術的な方との関わりが
強くなると思いますが
この認識やイメージでカラダを動かすと
1番力が欲しいポイントで間に合ってない
事が多いです『遅い』ってことですね
ってなわけで動画の補足的なお話をしましたが
最初に書いたようにまだまだ不十分です
1番力が必要なポイントに
至るまでのシチュエーションや
跳ぶのか走るのか蹴るのかなど
同じような部位を使っても
行う動作によって結構変わってくることもあります
まぁこの辺は少しずつまた説明していこうと思います
こういうややこしそうなことを
あまり深く考えなくても良くて
普通の中高年の方でも取り組めるように
動画では説明している(つもり)なので
興味があればまた見てくださいな
大阪市 谷町四丁目
パーソナルトレーニングジム