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北海道の家庭の味・いくらに地域差を感じる話

どうも。
此島このもです。

秋ですね。
鮭の季節ですね。

一部地域では秋味(アキアジ)が鮭を指す北海道。

秋の味=鮭、なんてすごいですよね。

他にもあるでしょ秋の味……なんて魚介類の苦手な私は思ってしまいます。

さて今回は、そんな魚介の苦手な私でも食べられる、北海道の家庭の味「いくら」の話です。


私は北海道の山間部で生まれ育った山の民です。

母も北海道の内陸部で生まれ育った、海とは縁のない人間。

それでも母は、この季節になればスーパーですじこ※を買ってきてせっせといくらを作ってくれました。 

小さなタッパーに小分けに保存して、ご飯に乗せて季節の味覚を楽しんだ実家での思い出よ。

※「すじこ」とはいくらの前段階のやつです。いくらの粒と粒がすじで繋がっているので、丁寧にそれをほぐして調味料で漬けたものがいくらになります。


対して夫の母つまり義母は海の民です。
海沿いの町で生まれ育ち、現在も海のそばに住んでいます。

そこでは、「魚は買うものではなく貰うものだ」と言うくらい魚を頂く機会が多いようで、漁師、釣り人、漁協の人。さまざまな人から魚介類がお裾分けされます。
(あくまでも「そういう人もいる」くらいの話です。いくらなんでも皆が皆もらい放題ではありません)


そんな地域に住む義母も、遊びに行った帰りなどにいくらのビン詰めをこの時期にはよく持たせてくれます。

初めて義母のいくらを食べた時は驚きました。

その塩っ気のうすさに!

実家のいくらのつもりでご飯にかけると全然足りないのです。もっと溢れるようにいくらをかけなくては!

私は夫が茶碗にいくらをのせる、その量を見て「しょっぱいでしょ」と内心思っていました。

でも違いました。義母のいくらはしょっぱくないんです。

つやつやした赤い宝石をホカホカご飯とともに口に入れ、噛むとぷちぷちはじけるあの旨み! しょっぱくないから溢れるほどご飯にのせて旨みを堪能することが出来るんですよ!! それでいて全く生臭くない。魚介類の(というより磯の香りの)苦手な私が食べられるほどに。すごい!! 薄味のいくらすごい!!


私は、両実家のいくらの差が、地域差によるものではないかと思っているのですよね。

うちの実家は山の中です。すじこはスーパーで買うだけ。タダでもらってくるわけにはいきません。

鮮度もそりゃあ海の頂き物には敵わないですよね。

そんなすじこを使うとしたら、濃いめの味付けには味と金銭の面でメリットがあります。

①多少すじこが古くても濃く味つければ誤魔化せる
②濃い味つけなら少量のいくらでも満足感が出るので節約になる


すじこ入り鮭を人から頂く海沿いの地域に住んでいれば①も②も気にしなくていいので、だから素材の味を心ゆくまで堪能できる薄味のいくらになるのかなと思います。


まあ、例がうちの実家と夫の実家の2件のみなので私のこの仮説が正しいかどうかはわからないんですけどね!


おしまい



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