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2023年に観に行った展覧会①【振り返り】

月イチくらいの間隔で展覧会など観に行く計画を立てて暮らしていれば、日々の生活にも張り合いが出るし、出かけてみれば気分転換にもなるし、って思ってここ数年を過ごしていますが、どんなもんでしょうか。

2023年に足を運んだ展覧会を振り返ります。

◎上半期

1.《大阪の日本画》中之島美術館[2023.01.26]

◇私の趣味嗜好ど真ん中を射抜くテーマの展覧会。中村貞以《失題》の個性的な美女のチラリズム。菅楯彦《職業婦人絵巻》が大正時代の女性風俗を描いていて漫画チックに楽しい。

2.《絵画で女子会ー描かれた女性たちー》逸翁美術館[2023.02.15]

◇こぢんまりとした会場の展覧会。松岡映丘《白描枕草子絵巻》のシャープな線描がかっこいい。モブの人物の表情仕草のあれやこれやを楽しめるから《露殿物語》みたいな絵巻物は飽かず見てられる。

3.《渡仏から110年 藤田嗣治展》山王美術館[2023.04.17]

◇《家馬車の前のジプシー娘》を見ることができた。《猫とねずみ》などの猫の絵では必ずと言っていいほど猫の足裏を描いていて、よっぽど肉球好きなんか藤田嗣治。

4.《光陰礼賛 近代日本最初の洋画コレクション》泉屋博古館[2023.05.18]

◇なんだコレ?田村直一郎《朝陽荒川上流図》《武甲山入口夕陽》に釘付け。チョコレートを塗りたくってんのか、ってくらいの超厚塗り。実物を見ればこその面白さ。

5.《中国青銅器の時代》泉屋博古館:青銅器館[2023.05.18]

◇上記『光陰礼賛』のついでと言ってはなんだが、何の気なしに覗いてみたら思いのほか面白かった。紀元前11世紀とか12世紀とか平気で書いてある古代中国の器がズラリ。いつかまた行ってみたいと思った青銅器館。

6.《佐伯祐三 自画像としての風景》中之島美術館[2023.05.27]

◇中之島美術館の本気。建物の壁とか入口扉とか、やたら四角いものを描きたがる佐伯祐三。《広告貼り》みたいに路地に張り巡らされたポスターに惹かれる気持ちに共感。《蟹》!!!

7.《KOISOポートレートミュージアム 肖像画の集結&兵庫県内めぐり/小磯良平作品選I》小磯記念美術館[2023.06.09]

◇この日に観た《踊り子》は、『おっ』と一瞬たじろぐほどの存在感。なまめかしい肌の質感。実在感。椅子に座ったモデル少女の不本意そうな表情とポーズがかえって自然体のリアリティ。

8.《東西作家のコンチェルト 新収蔵品を核に》BBプラザ美術館[2023.06.09]

◇例えば、佐伯祐三を真ん中に置いて、その左右にヴラマンクユトリロ、それぞれの作品を配置する。作家作品同士の繋がりを見て取ろうという展示。ドガのブロンズ像のフェチズム。前後左右360°で《靴下をはく踊り子》を視る背徳。

9.《日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち》兵庫県立美術館[2023.06.09]

◇明治神宮に奉納された《日清役平壌戦》の画稿の数々は、画家の本気の試行錯誤をうかがい知ることのできる興味深い展示。金山の同時代のトモダチ新井完《浄瑠璃人形》をはじめ気になる作品がたくさん。


※『2023年に観に行った展覧会②に続きます。

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