大塚国際美術館と四国遍路発心の道場 同行二人の徳島旅行記
2023年梅雨の始まる少し前に徳島旅行をしました。
私の住む熊本から徳島へは交通の便が悪くて今までなかなか行けなかったのですが、全国旅行支援があったので思い切って福岡空港から飛行機で行きました。
ちなみに私の旅のスタイルは次のようなものです。
一人旅
閑散期の平日
車の運転はできるが、あまりしたくない
身体が不自由ではないが、体力はあまりない
お金はなくはないが、贅沢できるほどではない
自然を見るよりは、歴史と文化を楽しみたい
旅行するから写真を撮るのではなく、写真を撮るために旅行する
目的は「大塚国際美術館」と「四国遍路」。「一人旅なのに同行二人?」と言うのは後ほど説明します。
今回も写真は全てRICOHコンパクトデジカメGRⅢで撮影しました。
はじめにトラブル
徳島には夕方の便に搭乗したので夜に着きました。徳島駅の近くにホテルを予約していて、チェックインしてから近くの店で夕食をとり翌日に備えました。
夜中、顔のかゆみと腹痛で目が覚めました。トイレで鏡を見ると片目だけ腫れていて、お腹や脚には蕁麻疹が出ていました。その後、1時間おきにお腹を下してトイレに駆け込み、朝方やっと眠ることができました。
睡眠不足で体調も最悪でしたが、蕁麻疹も引いて腹痛も治まっていたのでホテルの朝食は食べることができました。でも心配だったので、近くの内科医で診療を受け薬を処方してもらってから徳島駅前発の路線バスで大塚国際美術館に向かいました。
本当は開館直後に行ってガッツリ美術館に浸ろうと考えていたのですが、そんな事情で12時ちょっと前に到着しました。
大塚国際美術館
チケットは事前にウェブで購入していたので、スマホの画面を提示するだけでスムーズに入場できました。まず度肝を抜かれたのはこのエスカレーター。なんと長さ41m!
大塚国際美術館はポカリスエットやカロリーメイトで有名な大塚製薬の創立記念事業として設立された美術館です。こちらの最大の特徴は、世界中の名画を原寸大で陶板に焼き付けていることです。陶磁器なので、紙のように劣化したり色褪せることなく、永遠に保存ができるそうです。
詳しくは公式HPも参考にしてみてください。
エスカレーターを昇りきるとB3の入口になります。この施設はB3~B1は山の中にあり地上1F2Fと合わせた5層の展示会場で、鑑賞ルートは約4kmもあるそうです。
B3に入ってすぐ音声ガイドを購入して、最初に鑑賞したのはシスティーナホールです。ミケランジェロの最高傑作の天井画と壁画が陶板で原寸大再現されていて、とにかく圧倒されました。(館内は三脚やフラッシュ、写真の商用利用は禁止ですが撮影はOKです)
タイミングよくボランティアガイドさんの案内が聞けたので、B3【古代中世】からB2【ルネサンス・バロック】の有名作品を解像度高く鑑賞することができました。短い時間でしたが本当に分かりやすくて、無料で贅沢な経験ができました。
ボランティアガイドさんの案内が解散した後は音声ガイドに沿って鑑賞しました。特にルネサンスやバロックは有名作品やサイズ的にも大作が多く見応えがありました。
疲れたし、やっと座れるくらいになった15時ごろに「モネの池」が見えるカフェ・ド・ジヴェルニーで遅いランチを食べました。
休憩して少し体力を回復して、地上1F2Fの現代・テーマ展示に向かいました。17時閉館から逆算してミュージアムショップで買い物をすることまでを考えて早歩きで鑑賞したので一応全部見ることは出来ましたが、12時から17時まで5時間滞在したのに…時間が足りなかったですね。
帰りも路線バスで徳島駅まで行きました。50分ちょっとかかりますが、知らない街を車窓から眺めるのもいいものです。
四国遍路
翌日はレンタカーを借りて、四国遍路をしました。四国遍路とは、弘法大師空海ゆかりの88個所の札所を巡る、徳島・高知・愛媛・香川を全周する回遊型巡礼路です。
様々なサイトがありますが、文化庁のリンクを貼っておきます。
一番札所 霊山寺
まず最初はやはり、一番札所の霊山寺から始めました。ここでお遍路に必要なものを揃えることができます。
5つくらい車で廻ってお遍路気分を味わおうという軽ーーーい気持ちだったのですが…、お納経(御朱印)をいただく納経帳を始め、線香、お札、ロウソク、ライターを購入していました。
門をくぐり中に入って、本堂と大師堂に線香とロウソクとお札とお賽銭を納めました。
お経は時間もかかるしと言い訳して最初から読まなかったですが、いざ参拝するときに自分の願い事が思い浮かばなかったんです。
とりあえず、旅の無事を願いました。
霊山寺の参拝を終え、門前一番街の「あわくった」というお菓子を食べながら、最初にもらった作法とお経の意味が書かれたサッシを読み込みました。
これだ!と思い、次からはそう願うことにしました。
二番札所 極楽寺
霊山寺から二番札所の極楽寺へは約1キロです。車だったのですぐに着きました。
広い境内で、本堂から大師堂を参り納経所に行きました。霊山寺で購入した納経帳なので、極楽寺で初めて直にお納経を書いてもらったのですが、筆でスラスラと書いて最後に印を押すのを見ていたら「集めたい!」と思いました。
スタンプラリー感覚の不謹慎な動機ですが、「ちょっと体験したい」が「今日中にどこまで回れるか」に変わりました。
十一番札所 藤井寺
夏至の前で日は長かったのですが、お寺の拝観時間が迫っていたため十一番札所の藤井寺が最後になりました。
次の12番札は最初の難関で「遍路転がし」の一つでもある焼山寺で、藤井寺からは車で90分くらいかかります。次回の徳島旅のスタート地点が決まりました。
熊本に帰ってから詳しい方に四国遍路について聞いたところ、お遍路を始めた日から弘法大師空海様が付き添ってくれているそうです。そう、これが「同行二人」です。ただしこの効力は2年以内に88個所全て回らないとリセットされるとのことでした。大師様は一生面倒見てくれるほど甘くない(笑)
2024年中に愛媛までの参拝を終わらせて、2025年の春には八十八番札所をお参りしたいです。瀬戸内国際芸術祭の年でもあるし。
神様とか仏様とか
大塚国際美術館はキリスト教に関連する作品が多く、お遍路は仏教と、図らずも宗教について考えた旅行になりました。
初日の夜に原因不明の体調不良に襲われ、「老い」を意識させられたことも死生観を考えることに拍車をかけました。人は必ず死ぬし、なのにそれがいつかも、死んだらどうなるのかも分からない。
無宗教ですがスピリチュアルには関心が高かったので、ヨガとかアロマとか引き寄せとか星とか石とか、好奇心のままに聞きかじりました。またエンタメの影響で、なんとなく転生することを信じていたり、死後の世界とかもあるんだろうなぁと思ったり。
でも結局のところは死んだらどうなるかは死んでみないと分かりません。なら考えてもしょうがない。死んだ後のことを考えて生きるのはもったいないと思うなら、今をどう生きればいいのか。
パワースポットに行って願い事をしても叶うかどうかは自分次第。この物質世界では、ただただ考えて、実行して、実現するかしないかは、現実に起きたことが全て。
だからと言って神の存在を否定する訳でなく、「絶対的なにか」として心に留めることは大切だと思います。
「世の為に、自分を大きく生かしたい」と言う心意気を忘れずに日々を過ごすために、神様とか仏様とかご先祖様とか推しとかが見守ってくれていると信じることが、いわゆる「信仰」なのかと。
また変わるかも知れませんが、そんなことを考えた徳島旅行でした。