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どのみち夢幻ならば

人生は夢幻のようなものだと
昔のひとは歌いました。
下天のうちをくらぶれば
夢幻の如くなり、と。
天界、つまり宇宙の時間と比べてみれば
まるで束の間の夢であり
幻のようなもの。
人生100年時代となっても
結局は同じことではないでしょうか。
過ぎてしまえば、あっという間です。
しかも年を追うほど短くなる。
どのみち夢幻ならば
せいぜい、佳き夢を見ることです。
幻であろうとも信ずることです。
疑いは心を重くします。
いくらかおめでたいほうが
案外、しあわせなのかもしれません。
夢幻のごとき人生ならば
精いっぱい、いい夢を見ましょう。
美しい幻を描きましょう。
何を成さずとも
それができたなら
案外、のちの世にあたたかなものを
遺していけるかも知れません。

写真:魚住心



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石川真理子
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。