受け入れる1
去年の日記を読み返してみた。
日記の中の私は、やけに苦しんでいる。
「否定しちゃいけない病」にかかったように。
来る日も来る日も人を否定しないように頑張っていた。ゲームのように、一人クリアするとまた現れて、その人をクリアするとまた現れて。クリアしたはずの人がまた癪に触って振り出しに戻ったりして。大変そう。
まだネガをポジに変換するなんてことも知らなかったから、自己流で「否定しない」を頑張っていた。
誰かに文句を言ったり批判している時、その言葉を自分に向けてみる。そうすると、「あ、あの人が私にそう思っているかも。」と、思い当たる人が出てくる。最悪な時は、以前誰かに言われてたりする。
そうなると、恥ずかしくて仕方ない。自分が直せよと、内省状態に入ってしまう。そして他人に寛容になり、批判しなくなる。
そんなことを繰り返していたら、ふっと気分が軽くなる時が来た。
「他人を否定しないと、自分が楽になるんだ。」
と気付いたのだ。今でも覚えている。大掃除が終わった時のような爽快感を感じたのだ。
しかしそれと同時に、「なんて自分は欠点だらけの人間なんだ。」と石をいろんな角度から投げつけられているようにも感じた。嫌われ者のように思えたのだ。
「自分は劣っている。」
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