運動して疲れただけでは夜寝てくれない
「夜寝るように、運動して疲れさせよう」
この認識は間違っています。
高齢者も昼間に運動をすると、夜トイレにも起きずにぐっすり眠りやすくなるのは間違いありません。
ですがこれは、実は疲労のためではない。
むしろ、疲労感が強すぎると睡眠が浅くなる傾向にあります。
寝つきは確かに良くなるかもしれませんが、それは正確には「気絶」であって、ちゃんとした睡眠とは違うんです。
運動によってよく眠れるようになるのは、疲れではなく血流改善によるもの。
血液は【ふたつのポンプ】によって全身を巡っています。
ふたつのポンプとは、「心臓」と「ふくらはぎ」。
「ふくらはぎは第2の心臓」と言われています。
筋肉は心臓と同様、血液を押し出すポンプの役割があります。
運動する事によって筋肉が活動し、よく収縮する
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筋肉の中の血液がしっかり押し出される
運動による血流アップはこういう仕組みで起きています。
日中立ったり歩いたりする時、血液は重力に逆らって上下に巡ります。
しかし、年をとると心臓の力も弱くなり、筋肉も痩せてくる。
するとポンプの機能が十分に働かないため、血液が回せなくなるんです。
高齢者の足がむくみやすい原因はこれです。
血液の循環が悪くなって、水分が滞ってしまうからですね。
高齢になると夜トイレに起きやすくなるのは、血液の循環の悪さも原因のひとつになります。
これを改善する方法はないのでしょうか?
解決方法は至極単純です。
「起きているうちに尿を全部出しきってしまう」
日中運動をしなければ、重力に勝てず血液の循環が悪いまま。
そのまま夜横になると、重量から解放された血液は自由に体内を巡ります。
なので、夜間の内に作られる尿量が増え、何回もトイレに起きてしまうんです。
どんなに疲れていても。
日中の内に尿を出しきるために重要なのは、腎臓に流れる血液の量を増やすこと。
それにはやはり運動が大事です。
運動によって全身の血液の循環が良くなれば、自ずと腎臓への血流量も増えていきます。
腎臓は血液内にある老廃物をろ過して、尿として捨てる働きがあります。簡単に言えば、腎臓への血流量が増えた分だけ、たくさん尿が作られるということです。
そうして日中のうちに作れるだけの尿を作ってしまえば、寝る前に排出してしまえるので、夜に持ち越す尿量が少なくて済むんです。
あと、腎臓をケアするストレッチなどもあるので、何かの機会に紹介しますね。
さらに、日中に運動した上で、寝る30分前にコップ1杯の白湯を飲むことをオススメします。
朝にはちょうどしっかり排尿できてスッキリしますよ。
それがないと、夜のうちに腎臓でろ過してできた毒素を、起きてから十分に排出できないので不快感(残尿感)が残るんです。
寝起きの機嫌が悪い人はそれが原因かも。
最初に言った通り、疲れすぎは睡眠には逆効果。
程よい運動でストレスを発散し、気持ちよく布団に入れるのが理想的です。
日中の適度な運動でストレス発散、全身の血流改善
腎臓をケアして夜間に尿を持ち越さない
寝る30分前にコップ1杯の白湯を飲む
これだけで、睡眠の質はもちろん、認知症状も改善する可能性があります。