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カズ・ヒロさんは現代のレオナール・フジタなのか?

第92回アカデミー賞でカズ・ヒロさんがメークアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しましたが、受賞後のコメントが話題となっているようですね。以下抜粋すると…。

●日本では夢を叶えるのが困難。
●日本の文化が嫌になった。
●日本を去り米国人になった。

という内容です。
私はこの発言を知った時、ある事を思い出さずにはいられませんでした。

それは藤田嗣治画伯が戦時中に戦争画を描いた事で責任を問われ、追われる様にフランスに旅立つ時に発したコメントです。

「画家は絵だけを描いて下さい。仲間内で喧嘩などしないで下さい。日本画壇は早く国際基準になって下さい。」

そう言い残し藤田嗣治さんはフランスに旅立ち帰化し、二度と日本に帰って来ませんでした。

この発言自体もとても似ていると思いますが、より注目すべきなのはこの発言をした時のお二人の心境ではないでしょうか?

カズ・ヒロさんのコメントを分析してみると、具体的には触れていませんが日本のどんな文化が嫌になったのか?なぜ日本では夢が叶えられないと思ったのか?

もちろん今はアメリカに帰化していてアメリカ人に対して気遣いもあったとは思いますが、私にはカズ・ヒロさんが嫌いだと思う部分は分かります。もちろんご本人に直接聞いたわけではないのでどこまでいっても憶測に過ぎないのですが多分そう遠くないのではないかと思います。

私のやっている音楽やカズ・ヒロさんのメークや藤田嗣治画伯などの芸術分野では、はっきりとした明確な誰にでもわかる評価軸というのはありません。

なのでどうしても学歴や社会的地位などの肩書に左右されやすい傾向があります。おそらくどこの国でもこういった事は多少の差こそあれ存在すると思います。

しかし日本はとりわけその傾向が強いのではないでしょうか?また謙遜することが美徳とされる世の中ではいわゆる「出る杭は打たれる」ということもあるでしょう。集団は異質なものを排除するようにできているので。

カズ・ヒロさんや藤田さんはそういった社会に閉塞感を感じていたのでしょう。これでは私は実力を発揮できないと思ったのでしょう。

私も今までに何度も
どこの音大を出ているのか?
大学はどこなのか?
と聞かれました。

あなたが今聴いた楽曲と演奏が全てです。それ以外に重要なものなど何もありません。とお答えしたいところですが、やはり私も大人としてその場の空気を乱すわけにはいかないので曖昧に返答していました。この手の質問は要するに「あなたはどの集団に属しているのか?」という事。個人として見ていないと言うことです。

例えば…東大に入ったから凄いのではなく、凄いから東大に入ったのです。故に東大に入らなくても凄い事に変わりは無いのです。個を見て凄いか判断すべきである筈なのに…ってこれは理想論に過ぎないのでしょう…。

でも今はっきりと答えましょう。

私はどこの音楽大学も出ていません。音楽大学どころか大学にも進学していません。高卒です。作曲は全て独学です。

だから何なんでしょうか?
曲や演奏がすべてです。

おそらくカズ・ヒロさんも藤田さんも窮屈な思いをしていたのでしょう。

もちろん世界中のどの国でも良い部分、悪い部分があり総合的に見ればおそらく日本は世界でも有数の良い国だとは思います。

ただ他人も自分も大して変わらない。
みんな一緒。
大体同じものを食べて、
大体同じものを見て、
大体同じものを聴いて、
大体同じものを着て、
育ってきたわれわれは
皆大体同じような日本人である
というような集団意識を
日本人は世界の人々に比べて
より強く持っているのでは
ないでしょうか?

だから知らず知らずのうちに出る杭を打ち、素晴らしい才能を謙遜させダメにし、集団に埋没させようという教育をしてしまっているのかもしれません。

カズ・ヒロさんと藤田さんにあやかって私は言いたい。私の作る楽曲はとてもクオリティーが高いと言いたい。なぜなら私は学んだから。音楽をそして作曲を学んだから。学んだ場所が有名な大学だろうが自宅だろうがそんな事は関係ないはず。

過剰な子弟関係もいらない。集団ではなく組織ではなく個人として何ができるのか?腕1本でどこまでいけるのか?

言うなればほんのちょっとのフェアネスを!

僕、こんな音楽を作っている人です。


私の創作活動の対価としてサポート頂けましたら、今後の活動資金とさせていただきます。皆様よろしくお願い申し上げます。