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ジョアン・ジルベルトの弾語りの抗い難い魅力ってなんだろう?

ジョアン・ジルベルトさんって相当頑固な感じしますよね?一緒に仕事したら結構大変そうです。

そんなジョアン・ジルベルトさんは本当に若い頃はヴォーカルグループに所属していましたが、バスルームで必殺技の"バチーダ奏法"を編み出してからはずっとギターの弾語りをしています。

ディ・ジョルジオというメーカーのタヘガというモデルをずーっと最後まで使っておられましたし、弦も同じメーカーの同じ型番のもの、使用マイクもセッティングもいつも同じ。

「エレガットなんて話にならん!」

みたいな感じでオーケストラだろうが、バンドアンサンブルだろうが、このセッティングで通したらしいです。実にエンジニア泣かせですね。

さて、その弾語りですが、これが何とも言えず魅力的なのです。先ずギターに関しては、ぱっと聴いた感じではそんなに難しい事は無さそうなので、自分でも出来るかなぁ?と思って弾いてみるのですが…。

確かに弾けるんです。コードもバチーダのリズムも普通に弾けるんです。でもやはり何かが違うのです。

その違いとは何と言うか…誤解を恐れずに言えば、僕は"ちゃんと弾き過ぎていた"のです。ハッキリとバチーダのリズムを、和音を全てキチンと鳴らし過ぎていたのです。

ジョアン・ジルベルトさんの奏法は"引き"の部分…つまり弾いていない箇所、又は出していない音があるのです。

この引きの部分と出の部分とのコントラストが絶妙なのです。ではそれを分析して…となる訳ですが、ある程度は分析可能だとしても最終的にはやはりセンスかと思います。

それには自己のセンスを磨く必要があるので、結局はやはり沢山沢山聴き込むしかないかな?と思います。

この奏法の上にジョアンさんの歌声が載る訳です。わざと段々とタイミングを前に前にずらしていくあの歌唱法で。

これはもう誰にもそう簡単に真似出来るものではありません。

やはり唯一無二のモノですね。だからこそ世界中でこれだけ支持されているのだろうと思います。


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城南画報
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