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僕がロックをやめた理由。

それにはいくつか理由がありますが、思いつく順にいくつか挙げていきます。

①バンドメンバーが必要な為。

あくまでも僕にとっては…という事ですが、ロックをやるには基本的にはバンドが必要です。もちろんDTMを駆使すれば楽曲は作れますが、ライブは出来ないし、それに僕はボーカルが出来ません。他のジャンルではボーカルをやる事も多々ありますが、ロックは出来ません。声量が圧倒的に欠けているし、声質も全くロック向きとは言えません。それに性格的にもロックバンドのヴォーカリスト向きではありません。

なのでどうしてもバンドメンバーが必要になります。僕は若い頃かなりの時間と労力をメンバー探しに費やしました。ですが良い結果は出せませんでした。その時につくづく感じたのは、"バンドメンバーとは、一緒に演奏する人という以前に友人であるべきだ"という事でした。従って学生時代の内に同級生等と人間関係が堅固なバンドを結成出来ないとかなり厳しい事になると実感しました。これが大きな理由の一つです。

②音楽的趣向の変化

僕の音楽遍歴を大まかに言うと…小学校高学年から中学1年前半まではビートルズ。中1後半から10代終わり頃までHR/HM。20歳以降から50歳迄はジャズ、ブラジル音楽、キューバ音楽、クラシック、等多数…という感じで、結局ロックを熱心に聴いていたのは20歳頃迄となります。もちろん今でも全く嫌いではありませんが、退屈に感じる事があるのも事実です。

③ロック幻想が消えたから。

僕くらいの世代(50歳前後)の方には共感頂けるかも知れませんが、若い頃はロックをやる…ロックの人になる…というのは一般社会から逸脱してしまう様なちょっとした覚悟が必要でした。(元気が出るTVというテレビ番組内でのヘビメタの人の扱いを思い出せばお分かり頂けるかと思います)
僕の場合もHR/HM系だったので高校生の時から背中までのロングヘアーでしたし。金髪に近い茶髪でした。

今ならそんな出立ちでもあまり問題ないかも知れませんが、当時は世間から、あぁこの人はロックの人なんだと思われ、バイトは面接受けても全く採用されないし(チラッと一目見ただけであーダメダメって言われて追い返された事もある)普通の女の子達からは相手にされないし(寒気がするって言われた事もある)電車の中でもまわりからちょっと避けられる様な感じでした。まぁ今思い出すと赤面ものですが僕の素行にも問題ありました。

それでも生意気盛りな僕は…ロックじゃない奴らにわかってたまるか!…なんて思っていました。当時の僕は(今もさほど変わりませんが…)本当に救いようのない大馬鹿だったと思います。

そんなロックな人が迫害されていた時代の後に、普通の人…普通の髪型で普通の服装で…なんなら爽やかで、モテそうなサラサラヘアーの子達がロックを始めたのです。この層は一般社会に普通に浸透しながらバンド活動をしていました。高学歴で集客力もあり、異性にもモテていたのです。つまり普通の人でいながらロックミュージシャンでもある事が可能な時代になりました。そこには僕の居場所はなく、僕のロック幻想も終わったのです。

まとめ。

ロックは今や完全に市民権を獲得し、ストーンズのコンサートにお孫さんと行けてしまう。そこはもうオルタモントではないし、ヘルズ・エンジェルスもいません。現代はよりクリーンになりました。ロックは良くも悪くも普通になったのです。

今の僕には自分の音楽を貫く事こそが(それがクラシックであれボサノバであれなんであれ)一番ロックな人生だろうと思います。

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城南画報
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