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『今日も明日も負け犬。』小田実里

極度の眠気や虚脱に襲われる難病を発症した女子中学生。大好きな学校にも行けない日が多く、行けても不調で保健室で過ごさざるを得ない状況です。しかし、級友とのあるきっかけで難関高校を目指すことを決意し、同級生や塾の先生などの絶大なる協力と本人の必死の尽力によって合格を果たします。高校生となった主人公は、念願だった映像作家の道を目指し、自身の病気を描いた映画を自主製作に向け奮起するのでした。

主人公が患っている「起立性調節障害」と言う病気について、私は(本書を紹介した新聞記事を読むまで)全く知りませんでした。症状的に周囲から理解されづらいものでありながら、生活には致命的な支障を来すものであって、主人公の苦悩は絶望的に重いです。しかし主人公が幸運だったのは、良き友人や理解のある教師との出会いに恵まれたことです。人々に支えられ、非現実的と思われた夢を一つ一つ実現し、人々の支えになって行く模様は、随所で感動的でした。

ただ内容自体とは別に、この著者の、改行と空行を多用する、漫画的な語り口調の文体は、好みが分かれるところかも知れません。私には、どうにも読みづらく、頭に入って来づらかったのも正直な所です。

[2024/12/16 #読書 #今日も明日も負け犬 #小田実里 #幻冬舎 ]

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