『別れを告げない』ハン・ガン/斎藤真理子訳
作家である主人公の女性は、仕事仲間であり親友でもある写真家の女性から、突然「すぐに来て」との連絡を受けます。向かったソウルの病院には、手指に大怪我を負った痛々しい彼女がいて、苛烈な治療を続けていました。そして主人公に、済州島の自宅に急いで行ってくれ、と請うのです。猛烈な豪雪の中、空路とバスでの行程は大変な難儀となりました。そしてようやくたどり着いた彼女の家で、主人公は不思議な経験から、この島でかつて起こった凄惨な事件のことを知ることになるのです。
詩的な雰囲気でありながら、