鈍感さが知らず知らずのうちに己を侵食していた話
水着が必要になった
先日記事にした通り、プールでのフィットネスに行くことにした私であるが、ひとつ気が付いたことがあった。
ちゃんとした水着が必要だと。
初回レッスン参加の際、手持ちのタンキニを着用した。レジャー用とはいえ露出度は低く、ショートパンツ的なデザインなので問題無さそうに思えたのだが、実際競技用プールに肩までつかって体を動かすと、いらん所で水着がめくれたり、ピラピラしたデザインの部分が邪魔で動きにくいことこの上無かった。
やはりフィットネス用のものを買おう。
母の申し出
そんな話を同居の母にしたところ、一度も着ていない水着があるのであげようか、とのお申し出を頂いた。
タンスの中から取り出したのは、いわゆるフィットネス用の、ピッタリしたタンクトップとバミューダパンツみたいなやつで、・・・なんとも言えないデザインのものであった。
私はもらえるなら何でもいいやと思い、ありがたく頂戴した。
実母のものだし、さらに未使用ということで全く気にならなかった。
娘の指摘
自室で試着し、娘たちに見てみて!と無邪気に披露したところ、
娘1が今まで見せたことのない表情をしていた。そして「ダサい」と小さく呟いた。
娘2は、姉の反応を取り繕うように「ママがそれで良いなら!‥それでいいなら!大丈夫だと思うよ!うん!」と目を逸らしながら言った。
絶対大丈夫じゃないやつやんけ、と思った。
考えてみれば
よくよく考えてみると、確かに、まぁダサいのかもしれない。何しろ70代が購入した水着である。10代の多感な娘たちからみれば「ババくさい」に決まっている。
私も10年くらい前だったなら、同じように母が水着をあげようか、と申し出ても断ったかもしれない。
でも現在の私は、それを「買わなくて済むし、どうせ行くところ市営のプールだし」というフィルターで全く気にしなかった。
私は自分の感覚がひどく鈍くなったのだと実感した。
えーこの水着そんなに変なんだー?じゃあやめるわ!どんなのならいい?
娘たちにアドバイスをもらいながら、今風のシンプルな水着を楽天で購入した。
たかが水着の話なのだが、娘に指摘されるまで「それを変だと思わなかった」自分に対して感覚の老いを感じた、というエピソードである。
色々鈍感になってきてしまうのかも
歳をとると、見た目のこととかも少しずつズボラになりがちだと思う。
私は美容マニアでもファッションモンスターでも美魔女でもないけど、最低限の清潔感は保ちたいと思っているし、見る人にドン引きされるほど趣味悪い格好は避けたい。
人としてのふるまいについても同じだ。時代はどんどん変化していて、コンプラ意識などは特に激変している世の中である。
前はそれでもよかった事が、明日には絶対NGになるようなスピード感で、ぼんやり年を取っていればいつ足をすくわれるかわからない。
忙しさに甘えて、思考停止してしまったり、客観視を忘れると知らず知らずのうちにアップデートが止まり、すべての感覚が鈍くなっていくのだろうと思う。
いい感じの年寄りになりたい
時代に取り残されないように必死にみじめに生きたい訳ではなくて
自分の子供たちに恥ずかしい思いをさせないように、柔軟に時代に合わせた対応をして生きていきたい。
そのためには、自分の今までの常識や考えに固執してはいけないと思う。
年を取るほど他人の話はよく聞かないといけないのだと思う。
「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」ってこういうことかなと。
余談
母には「せっかく水着をもらったんだけど、、ちょっと似合わないみたいだから新しいのを買ったよ」と伝えた。
母は爆笑していた。
おわり。