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結婚相手は学歴で選ぶべき?〜「居心地の良さ」と学歴の話〜

婚活で相手を探す時「学歴が同等以上の相手でないと話が合わない」と言う人をちらほら見かけます。たとえばこんな意見。

一方で「学歴で一体相手の何がわかるの?」という方もいます。

同じ「婚活のプロ」を名乗る方でも意見が違うのは面白いですね😀
実際に「学歴に差があるパートナーだけどとても楽しく過ごしています」と言う方もたくさんいらっしゃいますよね。

人の立ち居振る舞いを「ハビトゥス」と言い、一般的に「ハビトゥス」の近い人同士だと居心地が良い

私の意見ですが、学歴はその人と「心地よく会話ができる可能性」を一部説明するとは思っています。ただし、あくまでも一部でしかないし、そしてただの可能性を示すだけですので、実際どうであるかも保証しない。

社会学には「ハビトゥス」という概念があります。「ハビトゥス」とは一般的な用語に置き換えると「立ち居振る舞い」のことで、その人が持っている「知識」や「学歴」などの「文化資本」が具体的な行動となって現れたものとされています。

そして「ハビトゥス」は「社会階層の判断」にも使われ、一般的にハビトゥスが近い人同士で交流をすると居心地が良いと言われています。

学歴は「ハビトゥス」の一部しか説明しない

「学歴」は「教養」の一部ではありますが全部ではありません。たとえば大学受験を経験したり、大学での学問や対話の中で身についてきた知識や語彙もあるでしょう。

ですが「教養」や「言葉遣い」「振る舞い」のうち、例えばテーブルマナーや礼節などは必ずしも大学を出たからとて身につくわけではありません。むしろ、家柄や社会人になってからの研修や人付き合いの中で身につけたという人も多いのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、教養は身体化され、その身体的表れがハビトゥス、すなわち立ち居振る舞いとなります。そして「自分と似たような人に惹かれる」と言う現象は社会学的にも、社会心理学的にも立証されています。

なお、恋愛心理学の分野では「自分と同じ人」が好きな人と、「自分にはないものを持っている人」が好きな人の2種類がいます。

こちらは専門外&この記事の範囲ではないので詳しくは述べませんが、学歴が大きく違っても楽しいと思える人がいるのはそのためです。

「学歴が同程度の相手を選んだ方が効率的」かどうかはあなたのスペック次第

でも、頭の良い方なら気づいたかもしれません。「学歴が一部でもその人の教養を説明するなら、学歴が同程度の人を選んだ方が自分に近い立ち居振る舞いをする”居心地の良い人”に出会いやすいのでは?」と。

確かにその通りです。同程度の学歴の方を選んだ方がハビトゥスが近い人に会える可能性が上がります。ただし、あなたが婚活に苦労しているならもう少し視野を広げてみるほうが合理的です。

例えば「MARCH以上の学歴」にこだわっていたとします。当然求める学歴は大卒以上になり、関西等の大学もあるので「MARCH以上」を「偏差値60以上」の人と読み替えると…

  • 30代の大学以上の学歴保持者は40.8%  ※ 

  • 偏差値60以上は15.87%

40.8 x 15.87 = 0.64… とそれだけで人口の6%です。未婚者となるとさらに割合が下がると思います。(※ 20代はまだ大学を卒業していない可能性があり、今回は除外しています)

また、あなたが偏差値70程度の大学卒で「自分と同程度の人」を求めたとすると、さらに数値は1%程度に下がります。

自分もそうなのだから、相手にそれを求めても問題ないはずだと言う方もいるかもしれません。求めるのは自由でしょう。ただし、問題はその人たちがわかりやすい指標を持っているために「大変人気だ」ということです

あなたはその倍率を勝ち抜けるほど、魅力がありますか?一般的に学歴が高いと人気なのは男性ですが、対する女性の場合、若さと美貌が婚活で重要な要素となるので、そこで勝ち抜ける実力が乏しい場合、学歴で相手をフィルタすると茨の道を歩むことになります。

学歴ではなく「ハビトゥス」で選ぶと活路はある

でも「居心地の良い相手」と出会いたいですよね。では、どうすれば良いか。
卑近な例ですが、私は学歴ではなく「ハビトゥス」で相手を選び、素敵な相手と出会いました。

私は旧帝大ではありませんが、全国から人を集められる程度の国公立大の卒業で、修士の学位を持っています。偏差値で言うと65程度なので「自分と同じ程度の学歴」を求めると対象者は3%弱になってしまいます。

そして、残念なことに私は美人ではないし、2回目の婚活の時は37歳と若くもありませんでした。

そのため、私は何をしたかというと「教養のある方の目に留まるようなプロフィール文」にし「自分からは学歴を問わずに会う」ことにしました。

具体的には、以下のとおりです。

  • 英語と日本語でプロフィールを書く(アプリのみ)

  • いかつい学歴もしっかり書く

  • 教養のありそうな趣味を書く(芸術鑑賞、読書 etc..)

  • 抽象的なプロフィールを書く

相談所では目立ったことをすると避けられるのでさすがに英語でプロフィールは書けませんでしたが...。「人に出会って新しい見聞が広めるのが好き」など抽象的な好みをプロフィール文に書きました。

このように「教養のある人」に「同じだ」と思ってもらえるようなプロフィールにすることで、居心地の良い人から申し込みが来ましたし、また申し込みをOKしてくださる方も居心地の良い方ばかりになりました。

そして、自分からは学歴に関係なく人に会い、言葉の端端やスーツの着こなし、テーブルマナーでお相手のハビトゥスを推測っていました。

結果的に会えた人

結果的に私が結婚した人は以下のとおりです。

  • 1回目の結婚 … 日東駒専卒の博士号保持者。学会で最年少で賞を受賞

  • 2回目の結婚 … 地方私大に特待生入学した人。卒論では学会で奨励賞を取得

どちらも優秀で会社では怒涛の速さで出世していました。また、どちらも学歴(学校歴)でフィルターしていたら出会えなかった人です。

え?学歴以外で教養を見極めるなんて簡単にできることじゃないって?

うーん…。一般的には「ハビトゥス」が似ていると「居心地の良さ」を感じるはずなので、そうではなくて頭で考えなくてはいけない相手なのでしたら、それは同じ様な教養を持っているお相手ではないと思われます。

一般的には教養のある方はお相手にもそれなりの教養を求めている場合も多いです。相手のハビトゥスを読み取れないようであれば、残念ながら相手から選ばれる可能性も高くないと思われますので、ターゲットを変えた方がうまくいきそうな気がします。あくまでも個人的意見ですが。

まとめに

この記事のまとめは以下のとおりです。

  • 学歴は教養の一部しか説明しない

  • 教養の表出である「立ち居振る舞い」が似ている人だと居心地が良い

  • あなたのスペックが高ければ学歴で居心地の高い人とマッチングできる可能性は高まるかもしれないが、そうでなければ一旦学歴を脇に置いて「教養」を見るべき

知識は武器になると信じています。あなたの婚活を応援します。

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