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めくるめくプロヴァンス(3日目)

7月13日 アルルを出発して、温泉地・Digne-les-Bainsへ

おおよそこんな行程で、約200km

まずは目指せラベンダー修道院!(正式名称はセナンク修道院)

夏のプロヴァンスといえば、そういえばラベンダー!?と思い出し、移動中でどこか見れるところはないかなぁと探してみたところ、この記事に遭遇、あまりにも綺麗だったので、寄り道することに。

アルル郊外から修道院に向かう間、小さな山を登り下り、古代ローマ遺跡があるGlanumというところを通り抜けた(通った瞬間はまさか本物の遺跡とは思わず、ハリボテかと思った…)と思うと、なんだかお洒落な街に入っていきます。あら、ここが彼のサン=レミ=ド=プロヴァンス!
ゴッホやらノストラダムスで有名な街のようですが、ちょっと高級な避暑地感が漂っていました。

街を抜けて、またしばらく農地の間を走っていき、リュベロン地方では有名な、美しい村の一つ、Gordes(ゴルド)に入ると、わ〜、道路にゴミ一つ落ちていない、、石壁も一つも穴がない、、ここはアッシジ!?と冗談も言いたくなる美しさ。なんてふざけていたら、右手に見えるは、鷲ノ巣村。

車窓より…(携帯が写っていますが)

美しい光景と石壁の街並みを抜けたと思うと、あれ?誰もいない?という山道。だんだんと本当にこっちで合っているのか…?と不安が高まってきたころ、左手の山の谷底に紫色のカーペットが見えてきました。

茶畑のようなもっこり感

到着すると、駐車場から溢れ出して停まっていた車のせいで大型バスが抜けられないのか、屈強そうな男性陣が何人かで必死にワゴン車を持ち上げている光景に、なんともいえない気持ちになるも、、
1148年に出来たというこの修道院。HPにはアクセス方法として、「By foot : 30 minutes hike from the village of Gordes」ときちんと書いてあるのだけれども、どの道をハイキングするのだろう… 約900年前、つまりアビニョンの教皇庁ができるより150年以上も前からこの場所で生活していた人がいたのかと思うと、、言葉になりません。

せっかくなので、修道院内も見学しようかと思ったところ、、なんと、、入場時間外…!9:30〜19:00受付と書いてあるものの、午前の部は11時までに入場せねばならず、午後の部が開くのは13時という恐るべしトラップ…。私たちの到着は11:10…。これまた残念…。様々なラベンダーグッズ+αが買えるショップは開いており、ラベンダーグッズではなく、プロヴァンスハーブを2袋買って、外のラベンダー畑の間を散策して、車に戻ったのでした。

2023.07.13 Abbaye Notre-Dame de Sénanque

Posted by Saya Namikawa on Monday, July 17, 2023

このセナンク修道院に限らず、フランスの修道院は割とオープンで、コンサートなど催しも行っているところも多く、行ってみたいところがまだまだあります。(受付時間もきちんとチェックしよう…)

気を取り直して、お昼ご飯!@ Apt

修道院の中は見れなかったけれども、ラベンダー畑は圧巻だったので良かったね、しかし暑くなってきた… ということで、車で移動。この辺りがリュベロン地方なんだなぁ〜と思っていたら、濃橙色の土肌が見えるルシヨン(Roussillon・顔料が取れることで有名)が右手に見えるも、もう少し先のアプト(Apt)でご飯にしようということに。
なぜAPTか、というと、フランスの児童演劇・オブジェクトシアター界で有名なVÉLO THÉÂTREというカンパニーの拠点都市なので見てみたかったという、私の単純な興味ですね。

中心部のすぐ外の無料駐車場に車を停め、小さな路地から市街地へ。

市街地に入る前、見つけたプレート

ん、これって巡礼路の案内板なのよね、ここからローマ?そしてなぜSaint-Jacques?そういえば、なんでフランス人はホタテを聖ヤコブと呼ぶの…?色々疑問が湧いてくるも、お腹が空き始めているので、あまり考えず、ひとまず写真におさめ、ランチハンティングに集中。

街の中心部に向かって歩くも、なんだか適当なお土産屋さん以外は寂れている感が強く、若干残念な印象のアプト。。美味しいものにありつけるのだろうか?という不安がうっすらとよぎり始める…。

が、幸いなことに、素敵な中庭席のありそうなレストランの平日ランチメニューの看板を見つけ、そちらに向かう。階段を登ったテラスにこんな席が!

素敵な感じ!

テーブルもありそうだし、助かった〜と思うも、そこは三人は難しいんじゃないかしら、、そっちは陽が当たるから避けた方がいいと思うし、、と若いウェイトレスさんが色々言っている間に、後から来たカップルが先に席について、残ったのは陽が当たるというテーブル…。でも、パラソルもあるし、大丈夫なので、と席につく。

前菜かデザートとメインディッシュで17ユーロと割とお手頃なメニュー。かなりボリューム満点の前菜サラダとメインディッシュのお魚と温野菜で、お腹はかなり満足!したのですが、食べている途中でちょっと風が吹いた!と思ったら、私たちの近くにあったパラソルの傘の部分がピューっと飛んでいって下の歩道に落下。

エッ?!!!!!!!…。(お客さん一同、目を疑い唖然&爆笑)

みな一瞬何事が起きたか分からず、、そして私たちはパラソルを拾いに行くものの、もう使わないでくださいとお店の人に言われ、炎天下でご飯を食べることに…。エエエエエッ?!それは…無理でしょ?!ありえん!と大人が怒っていたら、娘は「もういいよ、、早く食べて出よう」と。
しかし見かねた中庭の木陰の下のテーブルのグループがパラソルを譲ってくれ、事なきを得た?のでした(お店の人たちは、また飛んでったら困る、と凄まじく嫌そうだったけれど)。

お料理は美味しかったのにな〜。とっても残念。

その後も、駐車場を出るときに、ちょっと視界が見切れていて、歩行者の人が横切る手前で急停車をしてしまい、こちらも事なきを得たのではあるけれども、猛烈に3分くらいフランス語で罵倒され、また唖然としたのでした。あれは何か、、ANGERパフォーマンス的なものだったのだろうか…?
それでも近くで見ていた観光客と思われるご夫婦がずっといてくれて、無言で「あぁ、面倒なことになっちゃったね」という表情で目配せしてくれたおかげで、こちらからも喧嘩を吹っかけるようなことにはならなく、安堵。しかし、正味2時間弱の滞在なのに、なんだかドッと疲れたな、、アプト滞在。。

心を巡らせ、礼を尽くそう。

なんだかネガティブな出来事が続いたのも、多分、自分の心が呼んでしまったのだろうとも思う。お昼前、アプトに向かう途中で、仕事でお世話になり、その後、家族ぐるみでも遊んでもらった方が闘病の末亡くなったという連絡をもらったのだった。ダリオも、ちょうど誰か知り合いが亡くなったことが分かった朝だったそうで、二人とも修道院を出てから、心ここにあらず状態だったことは確か。(それを伝え合ったのは無事に目的地に到着してからですが)

最近はあまりやりとりも出来ていなかったけれど、以前に交わしたメッセージを読み返している。もう2週間近く経っているのだけれども、なかなかうまく言葉を紡ぐことができず、でも、彼への気持ちは強くあって(それはこの2年で失った他の友人たちについても同じく)ここに書き留めておきたいと思う。

とても楽しい夏の企画を長野でご一緒させてもらったのは、2017年、今から6年前。あんなに贅沢かつ攻めた企画はきっとなかなかこれからも出来ないだろうなとも思う。本当に素晴らしい1日だった。
その翌年2018年の夏には、伊勢神宮に一緒に行くことになり、前夜は彼の家族が泊まらせてもらっている彼の友人宅に私たちもお邪魔する。知らない子供たちが一緒に花火して、知らない大人たちもおしゃべりに花を咲かせ、ゆっくり夜が深まっていった南伊勢での一夜。
その夜の宴で出てきた猪肉の炭火焼(ブロックをタリアータ風に)が美味しすぎて、トスカーナで猪肉を食べても、あのBBQの時の猪はやっぱり最高だったよね、と今でも娘は言う。伊勢神宮でみんなで頬張った赤福氷の味と、伊勢神宮に行くならこの道!と案内してもらった山道の急勾配(向こうが見えない上り)のことをダリオが忘れることは絶対ない。
そして私は、彼の、考えることをやめない姿勢、そしてあらゆること・人への誠実さをずっと追いかけて生きていきたいと思う。栗田さん、出会えたことに感謝しています。

私は宗教的な聖地巡礼をしたことはないけれども、こうして誰かと共に過ごしたキラキラした瞬間こそが、私にとっての聖域なのかもしれない。様々な場所を巡って、様々な出会いに心を通わせ礼を尽くすこと。もしかしたら、私はずっと巡礼をし続けているのかもしれない。

そして、栗田さんと伊勢神宮に行ったように、いつか、アプトで見たプレートの、Chemin de Saint-Jacques de Campostelle et de Romeを誰かと歩くこともあるのかもしれない。

こういう道すじ

それにしても、Santiago=Saint James=Saint Jacques=San Giacomo=聖ヤコブだとすぐには読み取れない私の教養レベルよ…。
(そしてGiacomoは二人いると娘が学校で習っていたような…)
この12年で一体何を学んだのかと自分を疑いたくなりますが、日々勉強するしかないですね。

ちなみにホタテのSaint Jacques云われについてはこちらの記事が楽しかったです。

めくるめくプロヴァンス(1日目)AvignonとFontvieille はこちら
めくるめくプロヴァンス(2日目)Avignonとその近郊・そしてArlesはこちら
めくるめくプロヴァンス(3日目)Digne-les-Bains 到着はこちら

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