挨拶とは今日も会えた喜びを伝える言葉だ
「挨拶はなぜ必要なんですか?」って聞かれたらなんて答えますか?
社会常識だからとか人間関係が円滑になるからとか会話のきっかけだからとかそういう表面的な薄っぺらい理由ではなく、そもそもなぜ挨拶が社会常識なのか、なぜ挨拶をすれば人間関係が円滑になるのか、挨拶の根源的な意味が知りたい。
日頃の挨拶は大切にしている方だとは思うけど、ただ礼儀だからとか非常識だと思われたくないからと義務的に掛け声のようにしていただけで、挨拶に本来込めるべきの気持ちを込められていなかったように思う。
仕事柄職場を転々とすることが多く、日々の挨拶はそれぞれの現場の方と円滑に働く上で大事なこと。
そこで今一度、挨拶を行う目的を調べてみた。
挨拶は「あなたとコミュニケーションしたい」という意思表示
まず、挨拶はなぜ行うのかについてだが、調べてみてもネット上には薄っぺらいと感じる陳腐な目的が並ぶ中、下記サイトにはこのように書いてあった。
挨拶は相手の存在を認め、私はあなたとコミュニケーションが取りたいという意思表示を行動として表わしたものである。
あるいは「あなたは私がコミュニケーションを取るに値する人ですよ」と認める意思表示とも言える。
「理系人間が解釈する般若心境」
つまり、挨拶を行う目的からいえば誰ともコミュニケーションを取りたくない人は挨拶をする必要はないし、むしろ挨拶をしない方がいいかもしれない。
しかし、そんな人はそうそういないだろう。
誰かと遊ぶときは、そもそも会いたいから約束してるわけだから「会えて嬉しいよ!」「いっぱい話したいよ!」という気持ちを込めて会ったら「おはよう!」と声をかけるし、職場では進捗を共有したり、質問・相談したり、コミュニケーションをとらなければ仕事はできないので、「今日も一日お世話になります!」「一緒に仕事を進めていきましょう!」という意味を込めて「おはようございます!」と伝えるわけだ。
挨拶は過ごしやすい場と楽しい気持ちを作る
実は、あいさつとは相手の存在を認めていることを相手に積極的に伝える行為なのです。
人は誰でも、自分の存在を自分で認め、また他人からも認められたい気持ち=承認欲求(need to approvl)を持っています。
朝や帰宅前など、一般的にあいさつを交わすタイミングにあいさつされないと、自分が相手から軽くみられているような感じや、存在を無視されているような感じを受けることがあるのです。
こうした感情が蓄積されると、相手に嫌悪感を抱くようになり職場で安心して仕事ができません。
そして、ちょっとしたことでイライラして不満が爆発したり、やる気が出なくなったりして、自分が本来持っている力を発揮できなくなります。
「あいさつはなぜ必要か(1)| 相手の存在を認める言葉」
また、挨拶をするだけで、人が誰しも持っている承認欲求を満たすことができる。
逆に、挨拶をしないだけで、「私の存在は認められていないんだ」と感じられてしまい、ストレスが高まったり、モチベーションが低下してしまうわけですね。
周りと話しやすい環境づくり、モチベーションが高まって楽しく働ける気持ちを作るために挨拶は必要ということです。
気持ちのこもっていない挨拶は意味がない
私自身、挨拶をされたときに相手の方を見ずに挨拶をしていたり、元気のない声で挨拶をしていたことがあるけど、これは本来の挨拶の目的である「コミュニケーションがしたい」という意思表示が全く伝わらないので意味がない。
言葉には出さなくても、「今日も一日よろしくお願いします!」という気持ちがこもった挨拶であれば自然と声ははっきりと出るし、顔も相手の方へ向けられているはずだ。
笑顔は作るものではなく自然に出るもの
「笑顔であいさつしましょう」「口角を上げましょう」なんてよく聞くけど、そういう挨拶の意味も知らずにただ作り上げられた笑顔なんて向けられても嬉しくないし気持ち悪いだけじゃないだろうか。
久々に会えて嬉しいなぁとか、今日も一緒に仕事ができて嬉しいなぁとか、そういう相手とコミュニケーションがとれることへの喜びがにじみ出たときに思わずこぼれる笑顔こそが本来の挨拶の時の笑顔なのだと思う。
作り物でも笑顔で挨拶したほうが人間関係は円滑になるかもしれないけど、ただ笑顔で挨拶しましょうと伝えるよりも、挨拶の目的から伝えて笑顔になる意味を理解した方がずっと深みのある挨拶ができるだろう。
今日もあなたと会えて嬉しいです
今の自分の朝の挨拶は「あなたとコミュニケーションがしたいです!」という気持ちが最大限込められているだろうか。
達成したい効果を得られるような挨拶ができているだろうか。
毎日会えることは決して当り前じゃない。
自分も相手も事故も病気もなく健康で、国が平和で、特に災害もなく会社の運営も安定しているからこそ今日もいっしょに会って話したり、仕事ができる。
そして、人は決して一人で生きることはできない。
住まいや設備を管理する人、コンビニやスーパーの店員、鉄道の駅員、職場のチームメンバーや責任者、総務、清掃係員など数えきれない多くの人がそれぞれの役割を果たしているからこそ今日も生きることができる。
今日も無事にあなたと会えてよかった、あなたと今日も一緒にコミュニケーションがしたい、楽しく過ごせる場が作りたい、いつもありがとう、言葉には出さなくても毎日そんな喜びと感謝の思いを込めて挨拶をしていこうと思う。