吹奏楽部で気づいた"基本"の大切さ
私は中学生時代、吹奏楽部でした。
吹奏楽部に入った理由は「なんとなく」。
特にやりたいこともなく何となく体験入部し、何となくクラリネットとかフルートがやりたいなぁと思っていましたが、結局決まったのはアルトサックスでした。
そして、低音楽器のチューバや打楽器の担当になった子を見て、私は心の中で「かわいそう」と思ってしまいました。
それは、クラリネットやサックスのようなメロディーラインを担当する花形の楽器に比べて、低音楽器や打楽器の楽譜はただただ単調で絶対につまらないと思っていたからです。
他の部活動が週に数回の活動なのに対し、吹奏楽部は毎日毎日活動で、放課後の練習に加え、ゴールデンウィークや夏休みも練習がありました。
何となく入った吹奏楽部ですが異常にハマり、私はサックスを吹くために学校に通っていたと言っても過言ではないほど吹奏楽部とサックスを愛していました。
そんな私が吹奏楽部から学んだのは"基本"の大切さです。
私が所属していた吹奏楽部では、楽器を吹く前に校庭の走り込み、腹筋、背筋、ストレッチなどで体を鍛え、曲の練習をする前には必ずロングトーンやタンギングなど基礎練習をします。
正直に言って体を動かすのはだるいし、基礎練習はつまらないです。
基礎練習なんて早く終わらせてさっさと曲の練習がしたいし、一人で練習するよりみんなで合奏する方がずっと楽しい。
でも、基礎練習をしっかりやらないと曲も上手く吹けないし、一人ひとりが上手く吹けなければみんなで合奏してもいい演奏にはならない。
どんなにつまらないとしても、日々の基礎練習を真面目にこなすことが大事だということを学びました。
入部当初こそバカにしていた低音打楽器パートでしたが、入部1年目の秋、お世話になった3年生の先輩の引退とともにバリトンサックスの担当を引き継ぎました。
バリトンサックスを担当してからというもの、低音の魅力に見事に引き込まれました。
バリトンサックスの楽譜はアルトサックスに比べるとやはり単調で、「ボン、ボン、ボン、ボン」と四分音符でリズムを刻んだり、ロングトーンだったり、地味なのですがこれがとても楽しいのです。
個人的に低音パートはメロディパートよりも重要だと思っています。
メロディなど他のパートが上手くても、低音が下手だとそれだけで全体的に曲が締まらなくなってしまいますし、逆に低音が上手いとメロディなど他が多少下手でもそれなりに聴ける音楽になるのではないかと考えているからです。
リズムを刻むところでは指揮に合わせて一定の間隔で刻まなければ他のパートもリズムが狂ってしまいますし、メロディを聴かせるには低音が丁寧なロングトーンなどで支えなければいけません。
低音パートは縁の下の力持ちとしてとてもとても重要な役割だったのです。
いつもは縁の下の力持ちでも、たまに低音パートがメロディラインになるときのカッコよさは圧巻。
私の身長が当時も今も150センチ前後と小柄だったので、バリトンサックスのような大きな楽器を吹きこなせばそのギャップでかっこかわいく見えるのでは、と自分に酔えるところも好きでした。
吹奏楽部は中学2年生の時に当時部活で仲良くしていた友達とケンカしたことをきっかけに退部という残念な辞め方をして、それきりサックスを吹いていませんが、またいつかバリトンサックスを舞台で吹いてみたいと思います。
中学一年生の学芸会で吹いた思い出の一曲、「SEDONA」です。
やっぱり聴くと吹きたくなっちゃいますね。